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モブ、結末を知る②

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 コンコン!

 軽いノック音のあと、扉が開いてエドワードが顔を覗かせた。

「処分が決まった。みんな、広間へ移動しよう」

 イレーヌたちと顔を合わせて、頷いて立ち上がった。

 断罪の場は大広間らしい。
これから起きることに、どうしても口数は少なくなってしまう。

 オリバーの証言で、ティアラは不貞行為で処分される事になった。

 この国では、不貞行為は犯罪として裁かれる。
 ティアラはまだ13歳ということと、実際には行為には至っていないということで、おそらくは修道院行きになるだろうというのが、私たちの予測だ。

 ただし、このまま何もしなければ、だが。
 さすがに処刑まではされないだろうけど、何かやらかした場合、一生日の当たる場所へ出れない可能性もある。

 修道院なら、規律は厳しいと聞くけど、ちゃんと真面目にやっていればいくらか自由だって与えられるという。

 できるなら、大人しくしていて欲しいけど、ティアラの言動を見てると、ものすごく不安。

「何かやらかしそうですわね」

「本当に、大人しくしていて欲しいわ。ラトビア様のためにも」

 エリーゼの言葉に、オリバーの苦しそうな表情を思い出す。

 前回は、ティアラに傾倒するあまり、私に絡んで来たり、最後にはカレリアを斬ろうとしたオリバー。

 今回は、ティアラの暴走を止めようとしたということで、オリバーは減刑されるはずだ。

 それでも、ティアラのことを好きな気持ちは変わらないんだろう。

 婚約は解消されているけど、オリバーを気遣うエリーゼのためにも、ティアラには改心して欲しいと思う。

 そんなことを話しているうちに大広間に着いた。
 扉の前に立つ騎士が到着の旨を宣言し、扉が開かれる。

 そこにはー
国王陛下、ヴェルハルト王太子殿下。キンバレー公爵にレジスタ公爵。ラトビア侯爵にコモンズ侯爵、フェルゼン侯爵。
 それからうちのお父様とお母様が揃っていた。

 プルメリア男爵の姿はないのね。
そういえば、今回ティアラを引き取ることを随分と躊躇ったらしい。

 だけど、国王陛下から半ば強制的に引き取るようにと命を受けたと聞いた。

 気持ちはわからないでもないけど、本来のティアラは、庶子として生まれても母親を支えて健気に生きていた子なのよね。

 頑張っていたけど、母親が病死して食べるのも難しくなって、仕方なく母親から授けられたブローチを持ってプルメリア男爵を訪ねる事になる。

 痩せ細った娘を引き取り、プルメリア男爵は学園へとティアラを転入させる。

 素直で頑張り屋のティアラは、学園で王太子殿下や公爵令息たちの心を惹きつけていく・・・はずだったんだけど、ね。
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