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ヒロイン、歓喜する。

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「もう!エドワードってば!」

 エドワードの腕に胸を押し付けながら、抱きつく。

 エドワードはそれを笑顔で見つめてくれるし、ヴェルハルトやカイルたちも注意してきたりしない。

 あー。
やっと本来のカタチになったわ。

 攻略対象たちが、婚約者と仲良くしてるし、変なモブはいるしで、おかしなことになってたけど、やっとだわ。

 ここは《虹色の聖女と黒炎の魔女》の世界。乙女ゲームは、ヒロインのための世界だもの。

 やっぱり、あのモブがバグだったんだ。
そういや、あの日倒れてから見てないけど、来てるのかな?

 ま、いいや。モブのことなんか。
このまま皆の好感度を爆上げして、さっさと断罪ルートに進もう。

 ヴェルハルトもカッコいいけど、王太子妃教育とか面倒だし、ここはやっぱり最推しのエドワードルートよね。

 となると、悪役令嬢はカレリアか~。
確か、コモンズ侯爵家の長女だっけ。

 この際だし、イレーヌも断罪しちゃおうかなぁ。公爵令嬢だかなんだか知らないけど、めっちゃ上から目線でモノを言ってくるから、ムカッとしてたのよね。

 イレーヌを断罪しても、ヴェルハルトルートには進まなきゃいいよね。

 そういや、オリバーの婚約者って、エリーゼだっけ?カイルの双子の妹。

 エリーゼって、カイルルートでも悪役令嬢なのよね。いわゆるブラコンってやつ?

 オリバーと一緒にいても、こっちには全然何も言ってこないのよね。
 前に、オリバーには何か意味深なこと言ってた気がするけど。

 んー。
あんまりカイルのこと好きじゃないし、エリーゼはいいかぁ。
 カイルって何だか腹黒っぽくて、好きになれないのよね。

 でも、全員攻略したら、ハーレムエンドで、シークレットとか開いたりするのかな。

「ティアラ?どうかした?」

「え?ううん。何でもない。ねー、ヴェルハルト。今度、パーティーがあるって本当?」

「ああ。王族主催のパーティーだ。ティアラのドレスはエドワードが贈るだろう?オリバーが宝飾を贈るとして、僕はエスコートをするかな」

 やった!
エドワードに贈られたドレスを着て、王太子であるヴェルハルトにエスコートされたら私、絶対注目の的よね!

「エドワード、ドレス贈ってくれる?」

「ああ。青いドレスを贈ろう」

 青!エドワードの髪と瞳の色。
それって、完全に私が婚約者!って感じよね?

 王族主催のパーティーってことは、イレーヌとカレリアを断罪するチャンスってことよね。

 ふふっ。
私はヒロインだもの。私のための世界に、悪役令嬢は必要ないのよ。





 
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