18 / 126
第十七話
しおりを挟む
「第二王子殿下に、協力の要請をしてしまいました。勝手に申し訳ありません」
私の勝手な行動で、お父様たちの予定が狂ってしまうかもしれません。
婚約解消できないかもと焦ってしまいました。
こんな判断ミスするようでは、カリスタ伯爵家の後継として失格ですわ。
「第二王子殿下と第一王子殿下なら、きっとこちらの意を汲んでくれるだろう。だが、不安だからといって先走ってはいけない。一旦立ち止まって、周囲を見る余裕を持ちなさい。お前の判断で、カリスタ伯爵家に関わる多くの人間の人生が左右されるんだ。それがカリスタ伯爵家を継ぐということだよ」
「はい、お父様。肝に銘じます」
「ふふっ。リズ、お父様は怒っているわけではないのよ。むしろ、リズに人をみる目があることを誇っているの」
お母様がクスクスと笑いながらそうおっしゃってくださるけど、先にお父様に相談するべきだったのは事実。
もし、王子殿下たちが父親である国王陛下のお味方をすれば、全てが水の泡となるところだったのです。
「明日、殿下たちに全てお話しよう。殿下たちの協力があれば、陛下たちに悟らせずことが進めやすくなる」
「リズ、婚約解消まであと少しよ。頑張りましょうね」
「はい、お母様」
殿下たちの協力があれば、玉璽の件もどうにかなるかもしれません。
翌朝お父様の許可を得て、学園でカタロニア公爵令嬢であるダイアナ様にお話することにしました。
私が直接第二王子殿下にご連絡を差し上げれば、陛下たちに怪しまれる可能性があります。
殿下方はすでに学園を卒業されていますが、ダイアナ様なら婚約者として「お会いしたい」と連絡をされても怪しまれません。
私は月に一度は学園に通う必要がありますが、どの日に通うかは試験日以外は自由なので、今日でも問題ありません。
お手紙を出すよりも確実ですし、情報の漏洩も防げます。
「おはようございます、カタロニア様」
「おはようございます、カリスタ様。昨日は楽しかったですわ、ありがとうございました」
「いいえ、昨日お話したお菓子が手に入りましたの。お時間がありましたらいらしてくださいますか?」
「まぁ!必ずお伺いしますわ!」
さすがダイアナ様です。
すぐに何が言いたいのか、ご理解くださいましたわ。
今日は、第二王子殿下がダイアナ様を学園までお迎えに来てくださることになっています。
ダイアナ様をお誘いした形ならば、帰りにお二人揃って我が家に訪れても問題ありません。
私の勝手な行動で、お父様たちの予定が狂ってしまうかもしれません。
婚約解消できないかもと焦ってしまいました。
こんな判断ミスするようでは、カリスタ伯爵家の後継として失格ですわ。
「第二王子殿下と第一王子殿下なら、きっとこちらの意を汲んでくれるだろう。だが、不安だからといって先走ってはいけない。一旦立ち止まって、周囲を見る余裕を持ちなさい。お前の判断で、カリスタ伯爵家に関わる多くの人間の人生が左右されるんだ。それがカリスタ伯爵家を継ぐということだよ」
「はい、お父様。肝に銘じます」
「ふふっ。リズ、お父様は怒っているわけではないのよ。むしろ、リズに人をみる目があることを誇っているの」
お母様がクスクスと笑いながらそうおっしゃってくださるけど、先にお父様に相談するべきだったのは事実。
もし、王子殿下たちが父親である国王陛下のお味方をすれば、全てが水の泡となるところだったのです。
「明日、殿下たちに全てお話しよう。殿下たちの協力があれば、陛下たちに悟らせずことが進めやすくなる」
「リズ、婚約解消まであと少しよ。頑張りましょうね」
「はい、お母様」
殿下たちの協力があれば、玉璽の件もどうにかなるかもしれません。
翌朝お父様の許可を得て、学園でカタロニア公爵令嬢であるダイアナ様にお話することにしました。
私が直接第二王子殿下にご連絡を差し上げれば、陛下たちに怪しまれる可能性があります。
殿下方はすでに学園を卒業されていますが、ダイアナ様なら婚約者として「お会いしたい」と連絡をされても怪しまれません。
私は月に一度は学園に通う必要がありますが、どの日に通うかは試験日以外は自由なので、今日でも問題ありません。
お手紙を出すよりも確実ですし、情報の漏洩も防げます。
「おはようございます、カタロニア様」
「おはようございます、カリスタ様。昨日は楽しかったですわ、ありがとうございました」
「いいえ、昨日お話したお菓子が手に入りましたの。お時間がありましたらいらしてくださいますか?」
「まぁ!必ずお伺いしますわ!」
さすがダイアナ様です。
すぐに何が言いたいのか、ご理解くださいましたわ。
今日は、第二王子殿下がダイアナ様を学園までお迎えに来てくださることになっています。
ダイアナ様をお誘いした形ならば、帰りにお二人揃って我が家に訪れても問題ありません。
3,609
お気に入りに追加
5,817
あなたにおすすめの小説

【完結】「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と言っていた婚約者と婚約破棄したいだけだったのに、なぜか聖女になってしまいました
As-me.com
恋愛
完結しました。
とある日、偶然にも婚約者が「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」とお友達に楽しそうに宣言するのを聞いてしまいました。
例え2番目でもちゃんと愛しているから結婚にはなんの問題も無いとおっしゃっていますが……そんな婚約者様がとんでもない問題児だと発覚します。
なんてことでしょう。愛も無い、信頼も無い、領地にメリットも無い。そんな無い無い尽くしの婚約者様と結婚しても幸せになれる気がしません。
ねぇ、婚約者様。私はあなたと結婚なんてしたくありませんわ。絶対婚約破棄しますから!
あなたはあなたで、1番好きな人と結婚してくださいな。
※この作品は『「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と婚約者が言っていたので、1番好きな女性と結婚させてあげることにしました。 』を書き直しています。内容はほぼ一緒ですが、細かい設定や登場人物の性格などを書き直す予定です。
【完結】「君を愛することはない」と言われた公爵令嬢は思い出の夜を繰り返す
おのまとぺ
恋愛
「君を愛することはない!」
鳴り響く鐘の音の中で、三年の婚約期間の末に結ばれるはずだったマルクス様は高らかに宣言しました。隣には彼の義理の妹シシーがピッタリとくっついています。私は笑顔で「承知いたしました」と答え、ガラスの靴を脱ぎ捨てて、一目散に式場の扉へと走り出しました。
え?悲しくないのかですって?
そんなこと思うわけないじゃないですか。だって、私はこの三年間、一度たりとも彼を愛したことなどなかったのですから。私が本当に愛していたのはーーー
◇よくある婚約破棄
◇元サヤはないです
◇タグは増えたりします
◇薬物などの危険物が少し登場します

王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です

【完結】妹に全部奪われたので、公爵令息は私がもらってもいいですよね。
曽根原ツタ
恋愛
ルサレテには完璧な妹ペトロニラがいた。彼女は勉強ができて刺繍も上手。美しくて、優しい、皆からの人気者だった。
ある日、ルサレテが公爵令息と話しただけで彼女の嫉妬を買い、階段から突き落とされる。咄嗟にペトロニラの腕を掴んだため、ふたり一緒に転落した。
その後ペトロニラは、階段から突き落とそうとしたのはルサレテだと嘘をつき、婚約者と家族を奪い、意地悪な姉に仕立てた。
ルサレテは、妹に全てを奪われたが、妹が慕う公爵令息を味方にすることを決意して……?

初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―
望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」
【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。
そして、それに返したオリービアの一言は、
「あらあら、まぁ」
の六文字だった。
屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。
ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて……
※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。

王子は婚約破棄を泣いて詫びる
tartan321
恋愛
最愛の妹を失った王子は婚約者のキャシーに復讐を企てた。非力な王子ではあったが、仲間の協力を取り付けて、キャシーを王宮から追い出すことに成功する。
目的を達成し安堵した王子の前に突然死んだ妹の霊が現れた。
「お兄さま。キャシー様を3日以内に連れ戻して!」
存亡をかけた戦いの前に王子はただただ無力だった。
王子は妹の言葉を信じ、遥か遠くの村にいるキャシーを訪ねることにした……。

【完結】婚約者は自称サバサバ系の幼馴染に随分とご執心らしい
冬月光輝
恋愛
「ジーナとはそんな関係じゃないから、昔から男友達と同じ感覚で付き合ってるんだ」
婚約者で侯爵家の嫡男であるニッグには幼馴染のジーナがいる。
ジーナとニッグは私の前でも仲睦まじく、肩を組んだり、お互いにボディタッチをしたり、していたので私はそれに苦言を呈していた。
しかし、ニッグは彼女とは仲は良いがあくまでも友人で同性の友人と同じ感覚だと譲らない。
「あはは、私とニッグ? ないない、それはないわよ。私もこんな性格だから女として見られてなくて」
ジーナもジーナでニッグとの関係を否定しており、全ては私の邪推だと笑われてしまった。
しかし、ある日のこと見てしまう。
二人がキスをしているところを。
そのとき、私の中で何かが壊れた……。

恋人に夢中な婚約者に一泡吹かせてやりたかっただけ
棗
恋愛
伯爵令嬢ラフレーズ=ベリーシュは、王国の王太子ヒンメルの婚約者。
王家の忠臣と名高い父を持ち、更に隣国の姫を母に持つが故に結ばれた完全なる政略結婚。
長年の片思い相手であり、婚約者であるヒンメルの隣には常に恋人の公爵令嬢がいる。
婚約者には愛を示さず、恋人に夢中な彼にいつか捨てられるくらいなら、こちらも恋人を作って一泡吹かせてやろうと友達の羊の精霊メリー君の妙案を受けて実行することに。
ラフレーズが恋人役を頼んだのは、人外の魔術師・魔王公爵と名高い王国最強の男――クイーン=ホーエンハイム。
濡れた色香を放つクイーンからの、本気か嘘かも分からない行動に涙目になっていると恋人に夢中だった王太子が……。
※小説家になろう・カクヨム様にも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる