はっきり言ってカケラも興味はございません

みおな

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第十四話

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 ブレンディ侯爵家。

 人がいいと言えば聞こえはいいけれど、どうにも自分にも家族にも他人にも『甘い』侯爵ご夫妻。

 当然の結果、ご夫妻は信用していた領地の家令にお金を使い込まれて、領地経営が立ち行かなくなってしまいました。

 そこでブレンディ侯爵夫妻は、クレメンタイン王国筆頭の資産家であるカリスタ伯爵家に融資をお願いすることにしました。

 カリスタ伯爵家には、ちょうど息子と同い年の一人娘がいるから、息子と婚約すれば融資を快諾してくれるだろう、もしかしたら返却もしなくても済むかもしれない。

 そんな『甘い』考えで、嫡男であるイーサン様を私の婚約者にしたのです。

 はっきり言って、あり得ません。

 カリスタ伯爵家は貴族ではありますが、多くの商会を手掛けております。

 商人の基本は、信用と対価。

 対価なくして物を売ることはありません。

 当然のことながら、ブレンディ侯爵家への融資にも契約書というものが存在します。

 契約書通り、融資したお金は期限までに全額返金していただきますわ。

 踏み倒すなんて、絶対にさせません。

 こちらは婚約をして、時間をかけて解消するための労力を使っているのです。

 イーサン様の有責で破棄して、慰謝料もいただきたいくらいですわ。

 まぁそこは我慢しますけど。

 破棄になると、今以上証拠集めが大変になりますもの。

 しかも相手が、国王陛下のご息女。

 すんなり、アチラの有責を認めてくださるとは思えません。

 これ以上、余計な時間はかけたくありません。

 融資金の返済期日に合わせて、必ず解消いたしますわ。

 ですが、お父様たちのお話や王子殿下たちのご様子を見ていると・・・

 無事に解消できるのでしょうか?

 婚約の解消には、最終的に書類に陛下の玉璽が必要なんですけど。

 心配になって来ましたわ。
後で確認しておきましょう。

「第二王子殿下、国王陛下と王妃殿下は、王女殿下とイーサン様のことをどうお考えなのでしょうか?」

「すまない、愚妹ばかりか両親がちゃんと叱責しないばかりにカリスタ嬢には迷惑をかけている」

 いえ。謝っていただく必要はありません。
 婚約者を放置しているのは、こちらなのですから。

「謝罪は不要ですわ。私は単に、陛下たちがこの先どうするおつもりなのかが知りたいだけなのです」

「・・・ドロシーの婚約者は、クシュリナ王国の王太子殿下だ。ドロシーが陛下の生誕祭に訪問してくださっていた殿下に一目惚れして、父が頼み込んで成立した婚約なんだ。このままではこちらの有責で破棄されるのではないかと兄上もおっしゃっていた。父にも何度か苦言を呈したんだが・・・」

 あら、まぁ。
学園の成績がCクラスでは、王太子妃にはなれませんわよ。
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