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10歳
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『本人を見ればわかるだろうが、今の時点では何とも言えない』
お母様の問いかけに、アポステリオリは生真面目な顔でそう答えた。
それもそうか。
精霊王といえど、万能なわけじゃないんだ。会ってもいない人のことまでわからないよね。
「お母様。ロイおじ様のことは、会ってからにしましょう。ここで話しても結論は出ないと思います。後で、ノワールたちと一緒に行って来ます」
『マスター。そのロイとかいうのはどういう人間ですか?』
「お母様の弟よ。教皇で教会のトップ」
『私とアポステリオリで見てきましょう。我らなら、その教皇とやらに近づいたとて操られることはありませんから。その教皇、マスターに害を及ぼす可能性があるのでしょう?』
どうやら、私に害が及ぶ可能性を排除したいらしい。
お母様やお父様の表情で、察知したのかもしれない。
ノワールとかなら操られない?精霊王だし。イービルみたいなことにはならないかな。
『ご心配には及びません。我ら精霊王には人の魔法は効きません。魔王相手ならまだしも。人間で我らに敵うものがいるとするならば、マスターだけでしょう』
「もし、ロイおじ様が私並みだったら?」
『そうですね。その場合は潔くマスターに粛正されましょう。マスターに牙剥くくらいなら、消滅を望みます』
ノワールの隣で、アポステリオリも頷いている。
契約しているわけでもないのに。
私相手にそこまで、忠誠を誓ってくれるんだ。
「ありがとう、ノワール。アポステリオリ」
『我らだけではありません。セイクレッドもイフリートもジンも皆同じ気持ちです』
私はイフリートたちを喚んだことはないけど、皆そうだと言ってくれるノワールの言葉は信じられる。
そんな風に私に力を貸してくれるみんなの為に、私もできることをちゃんとやろう。
『さあ!マスター、ご命令下さい』
「うん。ノワール、アポステリオリ。お願い」
『お任せください』
ノワールたちの姿がかき消えた。
ふぅと息を吐いて、お母様やお父様と向き合う。
「ノワールたちの返答を待ちましょう。で、アル兄様。いつまで項垂れているつもりです?」
「僕は・・・王太子に相応しくない。呪具を埋め込まれ、操られ、国王陛下に攻撃を加えるなんて」
「まだそんなことを言ってるんですか?どうしようもないことでしょう。まぁ、少々警戒心が足りないと思いますが、操られていた闇の精霊を知っていて、対策を怠った私にも責任はあります。相応しくないとおっしゃるなら、相応しくなるようにこれから努力されたらいかがですか?」
落ち込んでいても仕方ないのに。
それに、マズルたちへの処分の話もしなくては。
お母様の問いかけに、アポステリオリは生真面目な顔でそう答えた。
それもそうか。
精霊王といえど、万能なわけじゃないんだ。会ってもいない人のことまでわからないよね。
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『マスター。そのロイとかいうのはどういう人間ですか?』
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『私とアポステリオリで見てきましょう。我らなら、その教皇とやらに近づいたとて操られることはありませんから。その教皇、マスターに害を及ぼす可能性があるのでしょう?』
どうやら、私に害が及ぶ可能性を排除したいらしい。
お母様やお父様の表情で、察知したのかもしれない。
ノワールとかなら操られない?精霊王だし。イービルみたいなことにはならないかな。
『ご心配には及びません。我ら精霊王には人の魔法は効きません。魔王相手ならまだしも。人間で我らに敵うものがいるとするならば、マスターだけでしょう』
「もし、ロイおじ様が私並みだったら?」
『そうですね。その場合は潔くマスターに粛正されましょう。マスターに牙剥くくらいなら、消滅を望みます』
ノワールの隣で、アポステリオリも頷いている。
契約しているわけでもないのに。
私相手にそこまで、忠誠を誓ってくれるんだ。
「ありがとう、ノワール。アポステリオリ」
『我らだけではありません。セイクレッドもイフリートもジンも皆同じ気持ちです』
私はイフリートたちを喚んだことはないけど、皆そうだと言ってくれるノワールの言葉は信じられる。
そんな風に私に力を貸してくれるみんなの為に、私もできることをちゃんとやろう。
『さあ!マスター、ご命令下さい』
「うん。ノワール、アポステリオリ。お願い」
『お任せください』
ノワールたちの姿がかき消えた。
ふぅと息を吐いて、お母様やお父様と向き合う。
「ノワールたちの返答を待ちましょう。で、アル兄様。いつまで項垂れているつもりです?」
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旧版を基に再編集しています。
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