転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜

みおな

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10歳

68ページ:呼びかけ

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 魔王の右手から放たれた魔力の奔流が、私もろとも、謁見の間を白く染めた。

『フハハハハ!!愚かな人間よ!だが、悲しむことはない。すぐにこの世界の全ての人間を葬っ・・・・・・なにっ?』

 自分の勝利を確信して、笑いが止まらなかった魔王の目に映ったのは、何ひとつ変わらない、景色。

 どこも壊れていない謁見の間。

 誰も倒れもしていない人間。

 そして、目の前に立つ私の姿。

『な、何?我の力が効いていない?いや、結界?魔王である我の力を防ぐ結界など、あり得ん!!まだ、完全に復活できていないからか?いや、まさか。それでも人間に防げるものではない。我が知らず知らずに、力を制御していた?なんにせよ、もう1度だ!』

 魔王はぶつぶつと自問自答しながら、再度私に手を向けた。

『今度こそ!死ねっ!!!』

 再び、周囲が白く染まり、その魔力によって轟音が響いた。

 そしてー
白光がおさまったあとに、魔王の目に映ったのは、先ほどと同じく、何も変わらないままの世界だった。

『な、何故だ?何故、効かない?魔王である我の力が人間如きに防がれるわけがない!この本体の力が足りないのか?だが、魔力の多いコイツだからこそ、魔王である我の核になれたのだ。完全体にならずとも、人間などに劣るわけがない!!』

 魔王の自問自答は繰り返される。
その間、私はずっと魔王の核になっているという、マズルの意識を探していた。

 まだ完全体になっていない。
つまりは、マズルは完全には消滅していないということだ。

 マズル。

 お願い、応えて。マズル。

「・・・」

 やっぱり、憎い相手である私の声には応えたくないのだろうか。

 私があの時、マモンへの対応を間違えなければ、マモンは今もブロワー伯爵家にいた。

 マズルだって、魔王を具現化させることだってなかった。

「・・・マモン!マルク!」

「はいっ!姫様っ!!」

「マズルを、兄を呼びなさい。マズルに呼びかけ続けなさい」

 私には応えたくなくても、マモンになら、マルクになら、応えるかもしれない。

 マズルを見つけなければ、マズルは魔王に取り込まれてしまう。

 そうしたら、マモンは、マルクは、ブロワー伯爵は、自分たちを責めるだろう。

「兄さんっ!マズル兄さん!!俺だよ、マモンだよっ!!」

「マズル!聞こえるか?見えるか?マモンだ!僕たちの弟のマモンだ!」

 マモンとマルクの呼びかけに、マズルの体を借りた魔王は反応しない。

 私も、マズルの意識を探しているけど、反応がない。

 やっぱり駄目か。
マズルごと、倒すしかないのだろうか。


 

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