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10歳
57ページ:譲れないモノ
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「!!」
マモンと謁見の間に向かう途中、私を襲った衝撃。
お父様とお母様の魔法具が反応した?
すぐにマモンの手を取って、その場から転移した。
私がお父様とお母様に渡してあるお守りという名の魔法具は、お父様たちに攻撃が加えられた時に防御する。
その魔法具の発動は、私に伝わってくるのだ。
あの魔法具は、転移魔法を組み込んでいない分、強固にはしてある。
だけど、道具は所詮は道具だ。
力負けすれば壊れもするし、消耗もする。
「お父様っ!お母様っっ!!」
謁見の間は、激しい魔法で火花が散っているようだった。
実際、繰り出される攻撃を防ぐ、魔法具の障壁に弾かれた魔法が火花を散らしている。
お父様とお母様は、その中でも側にいた使用人たちを守るために、防御魔法を繰り出していた。
突如現れた私とマモンの姿に、一瞬だけ攻撃が止まる。
だが、私の姿を認めた途端に、魔法攻撃は私へと向いた。
「「シエル!!!」」
「姫様、危ないッ!!」
お父様とお母様の悲鳴と、マモンの声が重なって、マモンが私を庇うように前に出た。
「ぐぅッ!!」
魔物対策部隊で副隊長までになったマモンが、押されている。
それは相手の力量が、マモンを上回っているということ。
「マモン。下がりなさい」
「し・・・かし!」
「私は大丈夫。あの時も言ったでしょう?私は負けたりしないわ」
マモンが私の前から下がるのと同時に、防御結界を張る。
王宮に被害が及ばないように、相手の周囲に。
相手の放った魔法は、私が張った結界に阻まれ、結界外に出ない。
つまり、己の放った魔法を浴びることとなった。
「なっ、なんだ?コレはっ!!ぐぅぅ!」
「結界だと?こんなモノ・・・が何故、破れない?」
私の結界は優秀である。
魔法を通さないのはもちろん、物理的にもそこから出ることは出来ない。
「お父様!お母様!」
私は急いで、お父様に駆け寄った。
魔法具があるから怪我はしてないみたいだけど、防御魔法を使っていたからか、疲れが見える。
「シエル!」
「シエルちゃん!無事で良かったわ」
「それは私のセリフです。良かった。お父様とお母様が無事で」
私は自分がチートなことは理解しているけど、全知であっても全能ではない。
私のミスでお父様たちを危険に晒す場合だって、全くないとは言えない。
だけど。
この世界に転生して、しかも規格外な私のことを心から愛してくれているお父様とお母様のことだけは、絶対に守ってみせる。
それだけが、私にとって譲れない気持ちなのだから。
マモンと謁見の間に向かう途中、私を襲った衝撃。
お父様とお母様の魔法具が反応した?
すぐにマモンの手を取って、その場から転移した。
私がお父様とお母様に渡してあるお守りという名の魔法具は、お父様たちに攻撃が加えられた時に防御する。
その魔法具の発動は、私に伝わってくるのだ。
あの魔法具は、転移魔法を組み込んでいない分、強固にはしてある。
だけど、道具は所詮は道具だ。
力負けすれば壊れもするし、消耗もする。
「お父様っ!お母様っっ!!」
謁見の間は、激しい魔法で火花が散っているようだった。
実際、繰り出される攻撃を防ぐ、魔法具の障壁に弾かれた魔法が火花を散らしている。
お父様とお母様は、その中でも側にいた使用人たちを守るために、防御魔法を繰り出していた。
突如現れた私とマモンの姿に、一瞬だけ攻撃が止まる。
だが、私の姿を認めた途端に、魔法攻撃は私へと向いた。
「「シエル!!!」」
「姫様、危ないッ!!」
お父様とお母様の悲鳴と、マモンの声が重なって、マモンが私を庇うように前に出た。
「ぐぅッ!!」
魔物対策部隊で副隊長までになったマモンが、押されている。
それは相手の力量が、マモンを上回っているということ。
「マモン。下がりなさい」
「し・・・かし!」
「私は大丈夫。あの時も言ったでしょう?私は負けたりしないわ」
マモンが私の前から下がるのと同時に、防御結界を張る。
王宮に被害が及ばないように、相手の周囲に。
相手の放った魔法は、私が張った結界に阻まれ、結界外に出ない。
つまり、己の放った魔法を浴びることとなった。
「なっ、なんだ?コレはっ!!ぐぅぅ!」
「結界だと?こんなモノ・・・が何故、破れない?」
私の結界は優秀である。
魔法を通さないのはもちろん、物理的にもそこから出ることは出来ない。
「お父様!お母様!」
私は急いで、お父様に駆け寄った。
魔法具があるから怪我はしてないみたいだけど、防御魔法を使っていたからか、疲れが見える。
「シエル!」
「シエルちゃん!無事で良かったわ」
「それは私のセリフです。良かった。お父様とお母様が無事で」
私は自分がチートなことは理解しているけど、全知であっても全能ではない。
私のミスでお父様たちを危険に晒す場合だって、全くないとは言えない。
だけど。
この世界に転生して、しかも規格外な私のことを心から愛してくれているお父様とお母様のことだけは、絶対に守ってみせる。
それだけが、私にとって譲れない気持ちなのだから。
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