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10歳

42ページ:断罪か、消すか、それが問題だ?

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「王太子殿下が構わないと言うのなら、銀・・・ブラッド伯爵を消します」

 私の大切は友人を襲ったのだ。万死に値する。

「消?」

「消します。誰にも知られず消せますから」

 もちろんクラウディア王国が処罰してくれるなら、それでいいのだが。

 イザベリータ様とレノアは保護できているが、他に被害が広がるのを待つつもりはない。
 それに、いつまでも学校を休ませておくわけにもいかないだろう。

 だから、早急に対処したいのだ。
クラウディア王国が動けないと言うなら、私はそれに配慮しない。

 私にとって大切なのは、友人であるレノアであり、イザベリータ様だ。

 私の言葉に、王太子殿下は思案顔になった。

「ジョシュア。決断しろ。どちらを選ぶにしろ、時間はあまりない」

 アル兄様にそう促されても、王太子殿下は決断しかねているようだった。

 確かに、国王陛下に無断で、王太子が伯爵を断罪することは、正しいことではない。
 王太子殿下は、あくまでも未来の国王陛下であり、現時点では、断罪する権限を与えられていないのだから。

「ジョシュア様・・・お願いしましょう?」

「・・・いや、駄目だよ、シャンティーヌ。もしもブラッド伯爵が訴えてきたら、王家はまずい事になる。それに、もしものことが姫君にあるようなことがあれば、国際問題にもなる」

「ジョシュアそれなら、今すぐ国王陛下に進言して、国として裁け。慎重なのはお前の美点だが、欠点でもある」

 アル兄様の言うことは、もっともである。
今この瞬間も、銀縁眼鏡は誰かを襲撃しようとしているかもしれない。
 もしかしたら証拠を隠滅し、逃走を図ろうとしているのかもしれない。

 自分で決められないのなら、国王陛下に委ねればいいのに。

 私は有言実行、即決型なので、こういうタイプはどうにも好きになれない。

「シエル。消すのは簡単なのか?」

「そうですね。あの伯爵に、どの程度の魔力があって、どの程度の力を持っているのかにもよりますけど」

「ブラッド伯爵の魔力値は、確か140くらいでしたわ。力は分からないですけど、闇魔法の使い手だって噂を聞いたことがあります」

 へぇ。140か。
アル兄様と同じくらいか、もしかしたらお父様たちくらいに上がっているかもしれない。

 それに、闇魔法ね。
破壊魔法系が使えるって、絵に描いたような悪者だなぁ。

 あ。別に闇の精霊魔法が悪者ってわけではない。

 闇の精霊は、すっごいイケメンさんである。

 ふむ。あの精霊に聞いたら、銀縁眼鏡の契約精霊ってわかるかな。








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