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10歳

38ページ:状況把握と報連相

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 2人から魔道具を取り外したまでは良かったが、お茶・・・どうしよう。

 それに、犯人が分かったとしても、他国のことだから、私が速攻プチっと潰すわけにもいかない。
 王太子殿下に報告して、処罰されるまで、イザベリータ様とレノアを守らなきゃならない。

 新しい魔法具はすぐに作れるけど、怖い思いを何度もさせたくないし。

 それに、今夜!
今夜、ここに泊めるべきだよね?

 ここにいれば安全だけど、王女だってバレちゃう。
 今は気付いてないみたいだけど、さすがに両親やアル兄様たちと会わせたら・・・

 レノアに、シエルちゃんって呼ばれるの、好きだったんだけどな。
 王女だってバレて、友達でいれないって言われたらどうしよう。

 という葛藤を脳内でしながら、私は2人に声をかけた。

「ちょっと両親に話して来ます。お茶を準備させますから、イザベリータ様、お願いします」

「え?ええ。わかりましたわ」

 仕方ない。
私に激甘のお父様たちも、さすがに国際問題になりかねない今回のことを、黙って行動したことで怒るだろうな。

 レノアたちの身の安全が第1だったとはいえ、報告はしておくべきだった。

 社会人として、報連相・・・報告、連絡、相談は必須だったのに、5年の間にちょっと王女かぶれしちゃったかなぁ。

 うなだれながら、お父様たちの元へ向かう。叱られることは覚悟しとくしかない。

 途中で、侍女に部屋に友人を招いているから、お茶を準備する様に伝えた。
 王宮勤めの侍女のいいところは、余計なことを追求しないことである。

 彼女も例に漏れず、気持ちのいい返事でお茶の準備に向かってくれた。

 あーあ。
レノア驚くだろうなぁ。

「おや?おかえり、シエル。暗い表情をして、どうしたんだい?」

 途中で、アル兄様とばったり会った。
クラウディア王国王太子って、兄様と知り合いだっけ。

 兄様にも伝えたいことがあるからと、一緒にお父様の元へと向かうことにした。


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


「・・・というわけなのです」

「ふむ」

 お父様にお母様、アル兄様に映像を見せ、状況を説明した。
 うゔっ。この沈黙が怖い。
普段は私に激甘のお父様だけど、さすがに怒るよね・・・

 仕方ない。
今回は、先のことまで考えなかった私が悪い。
 ここは素直に・・・

「ねぇ、シエルちゃん・・・」

「はっ、はいっ!」

 もしや、お母様の方がお怒り?
ビクビクしながら、お母様の顔を見る。

「この映像機って、シエルちゃんの様子は撮れないの?」

「ふぇ?」

「シエルちゃんが遠く離れた学校で、どんな風に過ごしているのか、是非見たいわ!」

「え、と、撮れますけど・・・」

 私の返答に、お母様は満面の笑みを浮かべた。
 え?怒ってるんじゃないの?










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