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7歳
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ロイ叔父様への魔力の隠蔽は、無事に成功した。
魔法具の作成も出来たことで、アル兄様と一緒に、教会へ赴いたのだ。
理由は簡単。
いつまでもしつこく絡まれたくないからだ。
教会の聖水晶に触れると、水色の髪をした人魚さんと緑色の妖精さんが現れた。どちらも下位精霊である。
私の魔力が35で、風魔法と水魔法のみだと知ると、ロイ叔父様は目に見えて落胆していた。
あまりに呆然としている叔父様を横目に、アル兄様が「2つの属性持ちなんて、すごいね」と褒めてくれた。
そして、叔父様を放置で私を連れて教会を後にした。
アレはよほど期待していたんだろうなぁ。だけど、聖水晶で示されたことを間違いだとは思えないからー
この2年間、何度も何度も鑑定に来るように言ってたもんなぁ。
あんまりしつこいものだから、お父様たちが何か理由があるのかと聞いてたっけ。
あの時は、叔父様は理由なんてないと言ってたけど、本当のところは何だったんだろう。
「シエル?どうかした?疲れちゃった?抱っこしようか?」
「大丈夫です。叔父様があまりにぼーっとされていたので、どうしたのかなと思っていただけですから。それと、兄様。私はもう7歳です。抱っこはやめてください」
「いや、いくつになってもシエルが疲れたなら抱き上げるよ?それに、教皇様のことは気にしなくて良いよ」
いくつになっても抱き上げるのは、おかしいよ?いや私、疲れないからどっちでも良いと言えばいいんだけど。
「それより、兄様。帰りにお菓子買って帰りましょう?エミリーに聞いたのです」
「ああ、良いよ。どんなお菓子なの?」
「最近、隣国から入ってきて、すごい有名だそうです。シュー生地のお菓子なのだそうです。お父様とお母様にお土産にするのです」
聞いた話だと、シュー生地にパンケーキ?みたいなのを挟んでいて、バター風味とメープルシロップのクリームが入っているとか。
メープルシロップってことは、ホットケーキみたいなものかな?
この世界、結構美味しいお菓子が多い。
基本は焼き菓子だけど。
やっぱりお茶会とかするからなんだろうな。プチケーキとか、見目の良いものがたくさんある。
私は街に行く許可がおりないから、お店に行くのは今日が初めてである。
前々から行きたがっていたのを知ってるエミリーが、今1番の人気店とかを色々と教えてくれた。
よく出来た侍女である。
ちなみにエミリー、実は婚約者がいた。
同じ王宮に勤める文官の、伯爵家の4男で、エミリーの2歳年上。
なので、結婚式や妊娠の時以外は、私にずっと仕えてくれるって言ってくれた。
嬉しいから、今日のお菓子はエミリーのと、その婚約者の分も買って帰ろうと思う。
魔法具の作成も出来たことで、アル兄様と一緒に、教会へ赴いたのだ。
理由は簡単。
いつまでもしつこく絡まれたくないからだ。
教会の聖水晶に触れると、水色の髪をした人魚さんと緑色の妖精さんが現れた。どちらも下位精霊である。
私の魔力が35で、風魔法と水魔法のみだと知ると、ロイ叔父様は目に見えて落胆していた。
あまりに呆然としている叔父様を横目に、アル兄様が「2つの属性持ちなんて、すごいね」と褒めてくれた。
そして、叔父様を放置で私を連れて教会を後にした。
アレはよほど期待していたんだろうなぁ。だけど、聖水晶で示されたことを間違いだとは思えないからー
この2年間、何度も何度も鑑定に来るように言ってたもんなぁ。
あんまりしつこいものだから、お父様たちが何か理由があるのかと聞いてたっけ。
あの時は、叔父様は理由なんてないと言ってたけど、本当のところは何だったんだろう。
「シエル?どうかした?疲れちゃった?抱っこしようか?」
「大丈夫です。叔父様があまりにぼーっとされていたので、どうしたのかなと思っていただけですから。それと、兄様。私はもう7歳です。抱っこはやめてください」
「いや、いくつになってもシエルが疲れたなら抱き上げるよ?それに、教皇様のことは気にしなくて良いよ」
いくつになっても抱き上げるのは、おかしいよ?いや私、疲れないからどっちでも良いと言えばいいんだけど。
「それより、兄様。帰りにお菓子買って帰りましょう?エミリーに聞いたのです」
「ああ、良いよ。どんなお菓子なの?」
「最近、隣国から入ってきて、すごい有名だそうです。シュー生地のお菓子なのだそうです。お父様とお母様にお土産にするのです」
聞いた話だと、シュー生地にパンケーキ?みたいなのを挟んでいて、バター風味とメープルシロップのクリームが入っているとか。
メープルシロップってことは、ホットケーキみたいなものかな?
この世界、結構美味しいお菓子が多い。
基本は焼き菓子だけど。
やっぱりお茶会とかするからなんだろうな。プチケーキとか、見目の良いものがたくさんある。
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ちなみにエミリー、実は婚約者がいた。
同じ王宮に勤める文官の、伯爵家の4男で、エミリーの2歳年上。
なので、結婚式や妊娠の時以外は、私にずっと仕えてくれるって言ってくれた。
嬉しいから、今日のお菓子はエミリーのと、その婚約者の分も買って帰ろうと思う。
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