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5歳

9ページ目:鑑定、不可能?

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 教皇様であるロイ叔父様が、私の魔力を調べるために持って来られたのは、やはり水晶だった。

 ただ予想と違うのは、水晶球でなく、大きな水晶の・・・鏡?
 ええと、水晶だよね?それともただの鏡なの?

「これを覗き込んで下さいね」

 覗き込む。ってことは、やっぱり鏡?
私は、叔父様が私に向けて置いた鏡もどきを覗き込んだ。

 映っていた私の顔が、に変わって行く。

「おおっ。これは、火の上位精霊様」

 水晶に映っていたのは真っ赤なトカゲ・・・というかドラゴン?
 しかし、その輪郭は、少しするとぼやけてきた。

「おや?火属性ではないのかな?」

 次に現れたのは、透き通った水色の髪をした・・・人魚?
 上半身はナイスバディなお姉さんだけど、下半身は鱗に覆われている。

 そして、その姿はまた揺らいで、次に羽の生えた緑色の小さな妖精?が現れた。

 その後は、アニメで見たゴーレム?みたいなのや、金色に輝く綺麗なお姉さんや、逆に真っ黒のイケメンお兄さんが現れては消えて行く。

 なにこれ?
お父様もお母様も叔父様も、なんだか固まってるし。

 えーと、えーと、これってやっぱり転生チートとかいうやつだったりする?
 マズくない?常識を逸したチートはヤバいよ。

 私の頭の中で、某芸人さんが「ヤバいよ、ヤバいよ~」と繰り返している。

 神様、仏様。
もっと使える転生チートが欲しい、なんて言ってごめんなさい!
 もう言いません。言いませんから、普通なの、普通なのにして下さいっ!!

 なんて必死に願っていたら、まるでプツン!と音を立ててテレビが消えるように、映っていたモノが消え、水晶は元の透明な物へと戻った。

「あれ?」

「どうしたの?ロイ。さっきのは一体・・・」

「ごめん、姉上。僕もこんなことは初めてで・・・やっぱり今度、教会にある聖水晶で鑑定させてもらえないかな?」

「おじさま。せいすいしょうというのは、なんですか?」

 叔父様の反応から考えて、どうやらアレは誤作動らしい。
 というか、判断できないから、改めて鑑定し直そうってことだよね。

「聖水晶というのはね、教会に置かれている水晶で、神であったお方がその身を水晶に変えたと言われている物なんだ。この水晶は、それの欠片なんだけど・・・こんな現象は初めて見た。だけど、欠片ということで、絶対正確だというわけじゃないんだ」

「せいかくじゃないのですか?」

「本来は、教会で鑑定するんだよ。もう少し大人になってからね。子供の頃は魔力が安定しないんだ。君はまだ幼いし、王族だからね、何かあっても困るからということで、僕が赴いたんだけど」

 ふむふむ。なるほど?
つまりは、私を溺愛するお父様やお母様、兄様が私を外に出させないように叔父様を呼びつけたってことね。





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