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前章
ごくごく平凡な毎日
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私の名前は、瀬尾あかり。
年齢37歳。性別は女。未婚。容姿は10人並み。職業は一般事務員。
これといって特記することもない、ごくごく平凡な人間である。
唯一、他と違うことがあるとするなら、私の趣味がラノベを書くこと、だろう。
子供の頃から本を読むことが好きで、純文学から、推理小説、ライトノベルまで、幅広く読み漁った。
そして、現代社会というものは便利なもので、スマホで本が読める時代になった。
しかも、作家ではない、一般の人間が書いた作品が読めるサイトというものがいくつも派生していた。
新しい話を読むのは、とても楽しい。
私にとっては、書いているのが一般人だろうと、著名な作家だろうと、関係ない。
面白くて、楽しくて、そしてそのうち自分自身も、物語を書くようになった。
学生時代は、読書感想文も得意な方だったから、書くことを苦には思わなかった。
仕事から帰ったら、スマホ片手に黙々と小説を書き続ける。
ジャンルは悪役令嬢とか乙女ゲームとか、今流行りのラノベである。
誰かが読んで、感想をくれることが嬉しくて、楽しくて仕方なかった。
だから、とっくに結婚適齢期も過ぎて、恋人もいなくても、寂しいと思わずにいれた。
出来ることなら、物書きとして生活できるようになれば良いなぁ、なんて夢もあって。
会社では、行き遅れのお局と思われてはいるんだろうけど、まぁみんな大人だから、それを口に出したりはしない。
居心地がいいわけじゃないけど、高校を卒業してからずっと勤めてる会社なので、勝手もわかるし、今更転職とか面倒だから、出来ることならこのまま勤めていられたらなって思ってる。
だから、今日もー
いつも通りに定時にタイムカードを押して、若い後輩たちが花キンとかで着飾って帰って行くのに手を振って、いつものスーパーへと向かった。
明日は休みだから、朝寝坊できる。
今夜は、ゆっくりラノベの執筆をするとして、夕飯は簡単なものにしよう。
というか、いつも簡単な出来合いのものだけど。
37歳だというのに、私はあまり料理をしない。出来ないわけじゃないけど(料理本とか見ながらなら)めんどくさい。
別に、おかずなんてなくても白米だけで苦にならないという、貧乏性のせいかもしれない。
なので、これまたいつも通りに出来合いの惣菜を買って、スーパーを出た。
スーパーの中で、カートがぶつかったとか何とか言ってきた、おっさんがいて、ちょっとムカっとしたけど、そういうのはどこにでもいるので「すみません」と謝っておいた。
だから、まさかー
その男が、スーパーを出た私の後ろから、激しく体当たりして来るとは思わなかった。
左の腰のあたりに燃えるような熱を感じて、私はそのまま地面へと倒れた。
周囲の人の悲鳴と、なんかおっさんが言ってるのが聞こえたけど、脳が理解する前に、私は押し寄せる眠気に目を瞑った。
最後に思ったのは、買ったばかりの卵が割れたなぁってことだったー
年齢37歳。性別は女。未婚。容姿は10人並み。職業は一般事務員。
これといって特記することもない、ごくごく平凡な人間である。
唯一、他と違うことがあるとするなら、私の趣味がラノベを書くこと、だろう。
子供の頃から本を読むことが好きで、純文学から、推理小説、ライトノベルまで、幅広く読み漁った。
そして、現代社会というものは便利なもので、スマホで本が読める時代になった。
しかも、作家ではない、一般の人間が書いた作品が読めるサイトというものがいくつも派生していた。
新しい話を読むのは、とても楽しい。
私にとっては、書いているのが一般人だろうと、著名な作家だろうと、関係ない。
面白くて、楽しくて、そしてそのうち自分自身も、物語を書くようになった。
学生時代は、読書感想文も得意な方だったから、書くことを苦には思わなかった。
仕事から帰ったら、スマホ片手に黙々と小説を書き続ける。
ジャンルは悪役令嬢とか乙女ゲームとか、今流行りのラノベである。
誰かが読んで、感想をくれることが嬉しくて、楽しくて仕方なかった。
だから、とっくに結婚適齢期も過ぎて、恋人もいなくても、寂しいと思わずにいれた。
出来ることなら、物書きとして生活できるようになれば良いなぁ、なんて夢もあって。
会社では、行き遅れのお局と思われてはいるんだろうけど、まぁみんな大人だから、それを口に出したりはしない。
居心地がいいわけじゃないけど、高校を卒業してからずっと勤めてる会社なので、勝手もわかるし、今更転職とか面倒だから、出来ることならこのまま勤めていられたらなって思ってる。
だから、今日もー
いつも通りに定時にタイムカードを押して、若い後輩たちが花キンとかで着飾って帰って行くのに手を振って、いつものスーパーへと向かった。
明日は休みだから、朝寝坊できる。
今夜は、ゆっくりラノベの執筆をするとして、夕飯は簡単なものにしよう。
というか、いつも簡単な出来合いのものだけど。
37歳だというのに、私はあまり料理をしない。出来ないわけじゃないけど(料理本とか見ながらなら)めんどくさい。
別に、おかずなんてなくても白米だけで苦にならないという、貧乏性のせいかもしれない。
なので、これまたいつも通りに出来合いの惣菜を買って、スーパーを出た。
スーパーの中で、カートがぶつかったとか何とか言ってきた、おっさんがいて、ちょっとムカっとしたけど、そういうのはどこにでもいるので「すみません」と謝っておいた。
だから、まさかー
その男が、スーパーを出た私の後ろから、激しく体当たりして来るとは思わなかった。
左の腰のあたりに燃えるような熱を感じて、私はそのまま地面へと倒れた。
周囲の人の悲鳴と、なんかおっさんが言ってるのが聞こえたけど、脳が理解する前に、私は押し寄せる眠気に目を瞑った。
最後に思ったのは、買ったばかりの卵が割れたなぁってことだったー
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