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馬鹿な側近候補たち
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どうやらジェラートは、目の前で転んだ令嬢を見捨てるに見捨てられずに手を差し出した、らしい。
何故なら、似非ヒロインが立ち上がると、すぐに手を離し周囲に視線を向けて離れた位置にいた側近候補たちに彼女を任せたから。
確かに、目の前で転んだ令嬢を放置するのは紳士としていかがなものかと思うし、この場合はジェラートの到着時に待っていてすぐに側に仕えなかった側近候補二人のミスよね。
似非ヒロインは、立ち去るジェラートに何か言いたそうにしてたけど、側近候補の二人には可愛らしい笑顔を見せていた。
おおっ。
ヒロインぽい。偽物だけど。
しかし、ああも変わるんだなぁ。
伯父様の教育も、厳しいのかしら?
「イアン様、伯父様・・・ラズウェル公爵閣下の教育って熾烈ですの?」
いや、伯母様の場合、鞭持ってビシバシってイメージがね、いやまぁ見たわけじゃないけど。
でも、伯父様って優しそうな見た目なのよね。
伯母様は綺麗系だから、黙ってればキツそうに見えるけど。
ま。優しいだけの人が公爵様なんてやってられないわよね。
「閣下はお優しいと思うよ?ああ、でも、ちゃんと理解するまで延々に問答は続くかな。殿下なんて、泣きながら謝罪するまでどうしてシアに冤罪をかけようとしたのかって責められてたよ」
「・・・」
それはなんとも・・・
ま、自分が間違ってたことを理解するのは大事なことだよ。
次に同じ間違いを犯さなきゃいいんだし、次代の国王陛下になる人間として、真っ当になることは良いことだよ、うん。
というわけで、ジェラートは大丈夫そうだと安心していた。
そもそも本当のヒロインは、中身みくりちゃんのシェリルなわけで、その彼女がヒロインしようとしなければ大丈夫かなって。
うん。
私が甘かったわ。
「「聞いているのか!アレーシア・フロライン!」」
「・・・誰の名前を呼び捨てているのかしら?」
あまりの腹立たしさに、声が一段階低くなる。
目の前に立つ、二人の令息を睨みつけた。
赤い短髪で、がっしりとした体格のスレッガー・カシアス。
カシアス侯爵家の次男で、カシアス侯爵様は騎士団長だ。
肩より長めの白髪を襟足で束ねているのは、アルフ・キッシンガム。
セブンスターク王国の教会の長、教皇様の次男だ。
二人とも、ラノベの中ではジェラートの側近だった。
幼馴染枠で、いつだってジェラートとシェリルのそばにいた。
今回は、まだ候補止まりみたいだけど。
ジェラートが似非ヒロインに騙されないなら良いかと思っていたけど、まさか引っかかる馬鹿がいるとは。
いや、引っかかっても良いけどさ。彼らは次男だし。
だけどね?私に関わって来るなら話は別なんだよ?
何故なら、似非ヒロインが立ち上がると、すぐに手を離し周囲に視線を向けて離れた位置にいた側近候補たちに彼女を任せたから。
確かに、目の前で転んだ令嬢を放置するのは紳士としていかがなものかと思うし、この場合はジェラートの到着時に待っていてすぐに側に仕えなかった側近候補二人のミスよね。
似非ヒロインは、立ち去るジェラートに何か言いたそうにしてたけど、側近候補の二人には可愛らしい笑顔を見せていた。
おおっ。
ヒロインぽい。偽物だけど。
しかし、ああも変わるんだなぁ。
伯父様の教育も、厳しいのかしら?
「イアン様、伯父様・・・ラズウェル公爵閣下の教育って熾烈ですの?」
いや、伯母様の場合、鞭持ってビシバシってイメージがね、いやまぁ見たわけじゃないけど。
でも、伯父様って優しそうな見た目なのよね。
伯母様は綺麗系だから、黙ってればキツそうに見えるけど。
ま。優しいだけの人が公爵様なんてやってられないわよね。
「閣下はお優しいと思うよ?ああ、でも、ちゃんと理解するまで延々に問答は続くかな。殿下なんて、泣きながら謝罪するまでどうしてシアに冤罪をかけようとしたのかって責められてたよ」
「・・・」
それはなんとも・・・
ま、自分が間違ってたことを理解するのは大事なことだよ。
次に同じ間違いを犯さなきゃいいんだし、次代の国王陛下になる人間として、真っ当になることは良いことだよ、うん。
というわけで、ジェラートは大丈夫そうだと安心していた。
そもそも本当のヒロインは、中身みくりちゃんのシェリルなわけで、その彼女がヒロインしようとしなければ大丈夫かなって。
うん。
私が甘かったわ。
「「聞いているのか!アレーシア・フロライン!」」
「・・・誰の名前を呼び捨てているのかしら?」
あまりの腹立たしさに、声が一段階低くなる。
目の前に立つ、二人の令息を睨みつけた。
赤い短髪で、がっしりとした体格のスレッガー・カシアス。
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今回は、まだ候補止まりみたいだけど。
ジェラートが似非ヒロインに騙されないなら良いかと思っていたけど、まさか引っかかる馬鹿がいるとは。
いや、引っかかっても良いけどさ。彼らは次男だし。
だけどね?私に関わって来るなら話は別なんだよ?
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