悪役令嬢?寝言は寝て言え〜全員揃って一昨日来やがれ〜

みおな

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だが、断る!

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 あれ?みんな固まっちゃったんだけど・・・

 もしかして、アレーシアってば「殿下と婚約したい」とか発言してた?

 アレーシアの願いを叶えるために、動いてくれてたりする?

 もしそうなら、ごめんよ~

 この世界が、ラノベのストーリー通りに進まないとしても、私あの王太子の婚約者になんかなりたくないんだよ。

「アレーシア?ええと、あのな、王家からアレーシアに是非に王太子殿下の婚約者になって欲しいって言われていて・・・」

「そうなんですね。でも、お断りします」

 確かに王家は国のトップだけど、お父様だって筆頭公爵で、宰相なわけだし、婚約の打診を断ること、出来るよね?

 他に候補がいないなら、断りにくいかもだけど、いないわけじゃないよね?

 というか学園に入学すれば、聖女であるヒロインに惹かれる可能性のあるヤツの婚約者になんかなりたくないんだけど。

 いっそ、今からヒロイン探せば?

 平民だけど、どっかの養女にすれば良くない?

 だって、ラノベの中で王太子が言ってたじゃない。

 アレーシアのに、ヒロインをフロライン公爵家の娘にすれば良いって。

 ものすごい良い案みたいに、あのすっとこどっこい言いやがったんだよね。

 どれだけアレーシアが傷ついたか。

 あー。思い出したら、またムカついて来た。

 絶対、あんな男と婚約なんかごめんだわ。

 アレーシアとして目覚めるのが、せめて一ヶ月以上前だったなら、絶対にヒロインを探し出して、王太子と顔合わせさせたのに!

 この時点ではまだヒロインは聖女じゃないけど、そもそも聖女だから惹かれたんじゃないよね?

 聖女を王家として手放したくないだけなら、アレーシアを断罪して婚約破棄する必要はない。

 結局は、ヒロインが好みだったってだけでしょ。

「ア、アレーシア?」

 戸惑った様子の両親と兄に、ここは必殺のあの一言を。

「私は、お父様かお兄様のお嫁さんになりたいです。お父様には女神様なお母様がいるから、私はお兄様のお嫁さんになるのです!」

「「「!」」」

 パパのお嫁さんになる。お兄ちゃんのお嫁さんになる。

 それを言われて、嬉しくない男家族はいないと思う。

 十歳にもなって本気でそれを言ってたら、ファザコンブラコンで問題だと思うけどね。

 案の定、お父様もお兄様も、何ならお母様や周囲の使用人たちも、微笑ましいものを見るような視線に変わった。

「旦那様。アランのお嫁さんはともかくとして、可愛いアレーシアがこうまで言うのです。お茶会はしましょう。体調を崩したとして、わたくしだけご参りますわ」

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