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全く全然ちっとも!
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「ブルーじゃなくて、赤にして」
レーナが出して来たロイヤルブルーのドレスは、回想シーンでアレーシアが着ていたドレス、だと思う。
「え?ブルーになさらないのですか?」
「うん。あ、でもちょっと待って」
回想シーンだから、はっきりとは分からないけど、候補のご令嬢たちは王太子殿下の瞳の色であるブルーと、髪色である金色をドレスに取り入れてると思う。
だからこそ、どう見ても王太子殿下の色じゃない赤にしたい。
でも一人だけ違う色だと逆に目立つ?
もっと曖昧な色の方が無難かな。
「やっぱりパープルにする」
赤は目立ちすぎるから紫にしよう。
青いドレスのご令嬢の中で紫なら、悪目立ちし過ぎないだろうし。
というわけで、藤紫色っていうのかな、青でないことは分かるけど悪目立ちもしない微妙なラインを攻めた。
「おはようございます、お父様、お母様、お兄様」
そして、着替えて食堂に入って来た私を見て、両親アンド兄が固まった。
この両親とアレーシアより二歳年上の兄は、アニメでも出て来る。
筆頭公爵家の当主で、宰相もしている父親は銀髪に銀の瞳のアレクサンドル。
社交界の薔薇と呼ばれている美女で、金髪に菫色の瞳の公爵夫人のジュリエッタ。
銀髪に菫色の瞳で、アニメの中で氷の貴公子とか呼ばれている兄のアラン。
「お、おはよう、アレーシア。今日は王宮で開かれるお茶会に行くのではなかったかい?」
「はい、お父様」
「なら、どうしてその色のドレスなの?こないだ設えたロイヤルブルーのドレスの方がいいのではなくて?」
「いいえ、お母様。私はこのドレスで参ります」
父親も母親も、理解っていた。
アレーシアが、王太子の婚約者候補の筆頭であることは。
一応この時点では、王太子は両親からしても愛娘の婚約者に相応しい相手だった。
だから、お茶会という名の集団お見合いだけど、ほぼほぼ出来レースなのだ。
だからこそ、お茶会の招待状が届いた時点で、両親はすぐに王太子の瞳の色であるロイヤルブルーのドレスを作ったのだ。
「アレーシアは王太子殿下の婚約者になりたいんじゃないの?」
「はい、お兄様。全く全然ちっとも、そんなことは望んでいません」
私の発言に、両親も兄も何なら壁際に控えている侍女侍従も、全員がピシリと固まった。
「ア、アレーシア?」
「出来ることなら体調不良だとでも言って、お茶会を欠席したいくらいです。でも、そんなことをしたらお父様たちにご迷惑をおかけすることになるので、目立たず、でも殿下の婚約者を望んではいないアピールのこの色にいたしました」
シン!と静まり返った食堂で、私の妙にハキハキとした声だけが響いていた。
レーナが出して来たロイヤルブルーのドレスは、回想シーンでアレーシアが着ていたドレス、だと思う。
「え?ブルーになさらないのですか?」
「うん。あ、でもちょっと待って」
回想シーンだから、はっきりとは分からないけど、候補のご令嬢たちは王太子殿下の瞳の色であるブルーと、髪色である金色をドレスに取り入れてると思う。
だからこそ、どう見ても王太子殿下の色じゃない赤にしたい。
でも一人だけ違う色だと逆に目立つ?
もっと曖昧な色の方が無難かな。
「やっぱりパープルにする」
赤は目立ちすぎるから紫にしよう。
青いドレスのご令嬢の中で紫なら、悪目立ちし過ぎないだろうし。
というわけで、藤紫色っていうのかな、青でないことは分かるけど悪目立ちもしない微妙なラインを攻めた。
「おはようございます、お父様、お母様、お兄様」
そして、着替えて食堂に入って来た私を見て、両親アンド兄が固まった。
この両親とアレーシアより二歳年上の兄は、アニメでも出て来る。
筆頭公爵家の当主で、宰相もしている父親は銀髪に銀の瞳のアレクサンドル。
社交界の薔薇と呼ばれている美女で、金髪に菫色の瞳の公爵夫人のジュリエッタ。
銀髪に菫色の瞳で、アニメの中で氷の貴公子とか呼ばれている兄のアラン。
「お、おはよう、アレーシア。今日は王宮で開かれるお茶会に行くのではなかったかい?」
「はい、お父様」
「なら、どうしてその色のドレスなの?こないだ設えたロイヤルブルーのドレスの方がいいのではなくて?」
「いいえ、お母様。私はこのドレスで参ります」
父親も母親も、理解っていた。
アレーシアが、王太子の婚約者候補の筆頭であることは。
一応この時点では、王太子は両親からしても愛娘の婚約者に相応しい相手だった。
だから、お茶会という名の集団お見合いだけど、ほぼほぼ出来レースなのだ。
だからこそ、お茶会の招待状が届いた時点で、両親はすぐに王太子の瞳の色であるロイヤルブルーのドレスを作ったのだ。
「アレーシアは王太子殿下の婚約者になりたいんじゃないの?」
「はい、お兄様。全く全然ちっとも、そんなことは望んでいません」
私の発言に、両親も兄も何なら壁際に控えている侍女侍従も、全員がピシリと固まった。
「ア、アレーシア?」
「出来ることなら体調不良だとでも言って、お茶会を欠席したいくらいです。でも、そんなことをしたらお父様たちにご迷惑をおかけすることになるので、目立たず、でも殿下の婚約者を望んではいないアピールのこの色にいたしました」
シン!と静まり返った食堂で、私の妙にハキハキとした声だけが響いていた。
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