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言いたいことは言いましたわ

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「「は?」」

 お兄様の言葉にダリー様もデルモンド様も、ポカンとされています。

「お兄様。それ、私が言ってみたかったですわ」

「ミリムは、ユリウスに一目惚れしたんだものな」

「い、嫌ですわ、お兄様。皆様の前で・・・」

 恥ずかしいではないですか。

 ユリウス様が嬉しそうに、私の肩を抱き寄せて下さいます。

「可愛い。出会ってから、どんどんミリムに惹かれて止まない」

「は、恥ずかしいですわ」

「そうだな、二人きりの時に伝えるとしよう」

 もう!ユリウス様ったら。
皆様、なんだか生温かい目をしていらっしゃるではないですか。

「いや、もっと伝えてやれよ。お前たちなんかミリムは歯牙にもかけていないとな」

「なっ!僕は、婚約者だったんだぞっ!」

「そ、そんな顔だけの男なんか!ミリム嬢、男は中身ですよ」

 ええ。そうですわね。

「ええ、ユリウス様は辺境伯閣下。容姿も中身も能力も、全てが一級品の男性ですわ。それに・・・ごめんなさいね?私、中身の醜さが顔に出ている男性は嫌いですの。その点では、デルモンド様とも婚約解消できて本当に良かったですわ」

「!」

「何より、女性を力で従わそうとする発想が下衆ですわ。無理矢理従わされることがどれだけ屈辱か、これからその身で理解されれば良いですわ」

 私の言葉に、ダリー様もデルモンド様も言葉が出ないようです。

 まさか令嬢の私から、こんな辛辣な言葉が出ると思わなかったみたいですわね。

 だって私、怒っていますもの。

 お兄様が前もって情報を掴んでいて、王家の影を貸してくださったから、私もラナリス様も無事でしたけど、もし情報を掴む前だったらと思うと、ゾッとします。

 あんな人に触れられたなら、ショックで気が触れて自害したくなりますわ。

 私が言いたいことを言ったのを確認して、お兄様が陛下に頷かれます。

「衛兵、罪人を牢へ」

「「はっ」」

 衛兵の方々が、二人を立たせて連れて行きます。

 ふぅ。これでとりあえずは終わりましたわね。

 デルモンド侯爵家の方々には辛いことになってしまいましたけど、本人の問題とはいえもっとどこかで矯正する機会があったのではないでしょうか。

 お兄様もおっしゃっていましたけど、監禁するくらいの覚悟が必要だったのだと思いますわ。

 これからあの二人は、薬で男性として機能しない様にされた上で、男娼として男の方の相手をすることになります。

 鉱山から逃げることはできません。
見張りも多くいますし、逃げれば団体責任とされて罰を受けますから、同じ罪人同士が見張っている様なものなのです。

 一生出ることの叶わない世界で、自分の罪と向き合っていただきたいですわ。
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