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相応しい罰を

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「ダリー伯爵令息、ギリムだったか。正直に答えよ」

 ここでようやく国王陛下が口を開いた。
 多分、お兄様と打ち合わせ済みだったのでしょうね。

「はっ、はい」

「アデライン子爵のご令嬢ミリム嬢と、恋仲で体の関係もあったというのは事実か?」

「はいっ!僕・・・私たちは愛し合っていて、その、婚約前に良くないとは分かっていましたが、何度も体を重ねておりました」

 国王陛下がお優しい表情をされているから、多分ダリー様はこれで大丈夫だと思われたのね。

 実際、婚姻までは純潔でいるのが望ましいけど、婚姻が決定的な場合は閨を共にすることもあると聞きます。

 ただし下位貴族は、ですけど。

 私は確かに子爵令嬢だったけれど、お兄様が王家に入られることもあり、婚約するのも王家の許可が必要なのです。

 もちろん、どれだけ好きな相手でも婚姻までは純潔であることは暗黙の了解ですわ。

「そうか。ダリー伯爵令息、国王である儂に虚偽の発言をした罪で貴族籍剥奪。そこの元デルモンド侯爵令息と共に、男娼館にて犯罪奴隷とする」

 陛下が宣言されたのは、ダリー様とデルモンド様に相応しい罰でした。

 性犯罪を犯した者たちは犯罪奴隷とされ、犯罪者たちが働く鉱山にある娼館にの男娼として収容されます。

 無理矢理行為を行われるということを、身をもって知れということですわ。

「なっ・・・!お、お待ちください!ぼっ、僕は虚偽の発言など致しておりません!か、彼女が否定しているのは恥ずかしがっているだけで・・・」

「ミリム嬢は、次期国王であるヒルトの妹。つまりはいずれ王妹となる。そのために、彼女の婚約には王家の承認が必要の上、婚姻までは純潔であることが求められる。そして、彼女は間違いなく純潔であったと報告が届いている」

「そ、その、その報告後に、僕と愛を語り合ったのです!」

「ちょっ、ちょっと待て!ミリムは僕の婚約者でっ!」

 デルモンド様。面倒ですから、お話に参戦しないでくださいませ。

「全くもって、話を理解しないな。ヒルト、説明してやってくれ」

 ほら、陛下も面倒くさくなったみたいで、お兄様に丸投げしてしまったではないですか。

「かしこまりました。では、犯罪者二人の、そもそもの間違いから訂正しよう」

「「間違い?」」

「僕の妹、ミリムは現在アデライン子爵家の令嬢ではない。ミリムは、デルモンド侯爵元子息との婚約が白紙撤回された一ヶ月後に、グラナード辺境伯ユリウス閣下と婚姻している」

 それ、私が言ってみたかったですわ。
「私は人妻ですのよ」って。

 

 
 
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