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結婚披露パーティーですわ(一応)
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私とユリウス様の結婚披露パーティーは、お昼過ぎから行われることになりました。
成人しておりますから夜会でも良かったのですが、そうなるとセシリア様が出席できなくなってしまうのです。
絶対に出るのだと・・・泣かれてしまいまして、あのお兄様も泣くセシリア様には勝てなかったようですわ。
私は、ユリウス様のお色の紺碧色のドレス。
ユリウス様は、銀色のウエストコートにトラウザー姿です。
ユリウス様のエスコートで、皆様にご挨拶して回ります。
え?計画は大丈夫なのか、ですか?
ええ。実は、ダリー伯爵家の皆様にはパーティーの開始時間を三時間遅く連絡してありますの。
せっかくの結婚披露だというのもありますけど、あの方々が見えたら皆様パーティーを楽しむところではなくなるでしょう?
王家主催のパーティーは、華やかですし、食べ物も豪華ですわ。
下位貴族の方々には、それを楽しみにされている方もいらっしゃいますからね。
「ミリム様、おめでとうございます。驚きましたわ」
「ありがとうございます。グラナード辺境伯領は遠いので、お会いする機会は少なくなると思いますけど、お手紙を出しますわ」
「グラナード、おめでとう!やったな!美人で賢くて、可愛い嫁さんで」
「ああ。そのことに関してだけは、デルモンド侯爵子息に感謝するよ」
一通りご挨拶を終えたところで、お兄様達と合流いたしました。
「ミリム、改めておめでとう。そのドレス、よく似合ってるわ」
「ラナリス様、ありがとうございます。あの、私詳細は聞いていないのですけど、くれぐれも無茶はなさらないで下さいね?」
「大丈夫!それよりも、ミリムはダリー伯爵の三男に気をつけて。あの男の狙いはミリムなんだから」
そのおっしゃりようだと、デルモンド侯爵子息に婚約破棄を焚き付けたのは、ダリー伯爵のご子息みたいですわね。
あの方は、良くも悪くも単純な方のようですから、騙すのも簡単だったのでしょう。
ですが、いくら騙されたからといって、婚約者との交流をしなかったのも、あの場で婚約破棄を口にしたのも、全てデルモンド様の責任。
しかも、唆されてこの後に犯罪行為に及ぶのなら、許せるものではありませんわ。
「私がユリウス様と結婚したことは知りませんの?」
「ああ。婚約までで情報を止めてある」
お兄様の返答に、ため息がもれます。
これは、囮なのはラナリス様だけでなく私も、という気がしますわ。
デルモンド様がラナリス様を私だと思って迫っているうちに、ダリー伯爵のご子息が私を狙うのではないでしょうか?
お兄様が、それに気付かないわけがありません。
全てが終わった後に、お説教ですわ。
成人しておりますから夜会でも良かったのですが、そうなるとセシリア様が出席できなくなってしまうのです。
絶対に出るのだと・・・泣かれてしまいまして、あのお兄様も泣くセシリア様には勝てなかったようですわ。
私は、ユリウス様のお色の紺碧色のドレス。
ユリウス様は、銀色のウエストコートにトラウザー姿です。
ユリウス様のエスコートで、皆様にご挨拶して回ります。
え?計画は大丈夫なのか、ですか?
ええ。実は、ダリー伯爵家の皆様にはパーティーの開始時間を三時間遅く連絡してありますの。
せっかくの結婚披露だというのもありますけど、あの方々が見えたら皆様パーティーを楽しむところではなくなるでしょう?
王家主催のパーティーは、華やかですし、食べ物も豪華ですわ。
下位貴族の方々には、それを楽しみにされている方もいらっしゃいますからね。
「ミリム様、おめでとうございます。驚きましたわ」
「ありがとうございます。グラナード辺境伯領は遠いので、お会いする機会は少なくなると思いますけど、お手紙を出しますわ」
「グラナード、おめでとう!やったな!美人で賢くて、可愛い嫁さんで」
「ああ。そのことに関してだけは、デルモンド侯爵子息に感謝するよ」
一通りご挨拶を終えたところで、お兄様達と合流いたしました。
「ミリム、改めておめでとう。そのドレス、よく似合ってるわ」
「ラナリス様、ありがとうございます。あの、私詳細は聞いていないのですけど、くれぐれも無茶はなさらないで下さいね?」
「大丈夫!それよりも、ミリムはダリー伯爵の三男に気をつけて。あの男の狙いはミリムなんだから」
そのおっしゃりようだと、デルモンド侯爵子息に婚約破棄を焚き付けたのは、ダリー伯爵のご子息みたいですわね。
あの方は、良くも悪くも単純な方のようですから、騙すのも簡単だったのでしょう。
ですが、いくら騙されたからといって、婚約者との交流をしなかったのも、あの場で婚約破棄を口にしたのも、全てデルモンド様の責任。
しかも、唆されてこの後に犯罪行為に及ぶのなら、許せるものではありませんわ。
「私がユリウス様と結婚したことは知りませんの?」
「ああ。婚約までで情報を止めてある」
お兄様の返答に、ため息がもれます。
これは、囮なのはラナリス様だけでなく私も、という気がしますわ。
デルモンド様がラナリス様を私だと思って迫っているうちに、ダリー伯爵のご子息が私を狙うのではないでしょうか?
お兄様が、それに気付かないわけがありません。
全てが終わった後に、お説教ですわ。
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