拝啓、婚約者様。婚約破棄していただきありがとうございます〜破棄を破棄?ご冗談は顔だけにしてください〜

みおな

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崩壊への足音

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 お兄様が策を練って、国王陛下達が許可したのなら・・・

 ダリー伯爵家は終わりですわね。
まぁ夫人以外が壊滅的なら、潰す以外に選択肢はありませんわ。

 そんな黒い家を継ぎたい、親戚もいないでしょうし。

 一旦、領地を王家直轄に戻して、周辺の爵家へ任せる方向でしょうか。

 当事者達は・・・

 皆様揃って、平民ですわね。
まぁ、それで済めばよろしいですけど。

 パーティーで何かやらかしそうですわ。

「パーティーで何か起こすのですわね?」

 お兄様にお尋ねすると、とてもとても良い笑顔をされました。

 お兄様。
私たち家族は慣れていますし、ラナリス様はそんなお兄様を素敵だと思われるんでしょうけど、笑顔がとても黒いですわ。

「ミリムはユリウス殿のそばを離れるなよ。あの馬鹿には、確実に堕ちてもらう。ついでにダリー伯爵の三男も片付けるからな」

「何を計画されているのかはお聞きしても答えてくださらないのでしょうけど、ラナリス様に危害が及ばないようになさって下さいね」

「ああ。もちろん。大切な婚約者だからな」

 ハァ。大切なとおっしゃるなら、計画に巻き込まなければ良いのに。

 まぁ、きっとラナリス様もノリノリで参加されるとおっしゃったんだわ。

 聞いても答えませんから聞きませんけど、予測は出来ます。

 多分、ラナリス様をにするつもりなのでしょう。

 王女殿下に不埒な行為をしようとしたなら、平民落ちなどでは済みません。

 処刑か、良くて犯罪奴隷でしょう。

 それに相当する罪を犯すのですから、仕方のないことだとは思いますが、デルモンド侯爵夫妻と嫡男の方にとっては、あんなのでも家族です。

 できることなら、踏み止まって欲しいですわ。

「即位までにある程度、ゴミは片付けておきたいからな」

「お気持ちはわかりますけど、デルモンド侯爵様達のことも少し気遣ってあげて下さいませ」

「縛りつけてでも監禁しておけば良かったんだ。中途半端に自由にさせておくから、別のゴミと接点を持つことになったんだ。侯爵夫妻が悪いとは言わないが、ミリムとの婚約中にもっと息子のことを見ておくべきだったんだよ。アレは馬鹿だから、人の甘言に簡単に乗せられる」

 お兄様の含みのある発言に、首を傾げました。

「・・・もしかして、あの婚約破棄騒動は、他の誰かの差し金ですの?」

「まぁミリムは、ユリウスと高みの見物をしていると良い」

 お兄様は、それ以上は話してくれそうにありません。

 ため息が出ますわ。

 お兄様は加減というものを知りませんから、やり過ぎないと良いのですが。
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