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それが罰なんですか?

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 伯爵夫人は何度も頭を下げながら、ご令嬢と伯爵を連れて去って行きました。

 爵位の譲渡などは、後でキチンとご報告いただくことになっています。

 私はユリウス様と、それから家族と共に屋敷へと戻ります。

 メリアや他の侍女の手で婚礼衣装を脱ぎ、楽なドレスへと着替えました。

「ミリムは素晴らしいな」

 扉を開けると、壁にもたれてユリウス様が立っていました。

「あら、ユリウス様」

「みんな居間でくつろいでもらっている。エスコートしよう」

「ありがとうございます。それで、私がどうかいたしまして?」

「いや、あの伯爵令嬢の件だ。あのように治めてしまうとは思わなかった」

 ユリウス様は感心したようにおっしゃって下さいますけど、あれは夫人が覚悟を決められていたからで、私の采配ではありませんわ。

 ご令嬢も、お母様が修道院へ行けとおっしゃったことで、私の話を聞く気になったのだと思います。

「あれは、夫人がちゃんとした方だったからですわ。もちろん、改善されない場合は仕方ありませんので修道院に行っていただきますけど、あの様子なら大丈夫ではないでしょうか」

 帰る様子のバーバラ様は、しゅんとされていて、随分と堪えていらっしゃるようでしたし。

「そうだな。そうあって欲しいな」

 ふふっ。ユリウス様はお優しい方ですわね。

 居間では、家族とラナリス様セシリア様セルフィー殿下が待っていました。

「皆様、お待たせしたしました」

「お姉様っ。まだ怒っていらっしゃる?ごめんなさい。あの方が、お姉様のことを悪くおっしゃるから、許せなくて、それで・・・」

「セシリアは悪くないのよ。私がムカついたから、伯爵家を潰しても良いのよって言ってしまって」

 駆け寄ってきたセシリア様とラナリス様が、一生懸命に私に弁解なさいます。

 私は別に、おふたりに怒ってはいませんのに。

 でも、ちょうどいいですわ。

「私、ラナリス様にお聞きしたいことがありましたの」

「え、なにっ?」

「デルモンド侯爵子息様のお仕置き、どうなりました?」

 そうなのです。
すっかり忘れていましたけど、元婚約者様のことをラナリス様にお任せしたままだったのです。

 どうでもいいといえばどうでもいいのですが、思い出したので聞いてみようと思いましたの。

「あ、あ~、えーと、聞きたい?」

「そうですわね、差し障りなければ」

 それとも言いづらい何かがあるのでしょうか?

「デルモンド侯爵とも話をして、三ヶ月後後までに自分の婿入り先を探して来ること、という罰にしたの。三ヶ月経ったら、婿入り先が決まってようと決まってなかろうと、侯爵家から廃籍するって」

 なんですか?それ。
 

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