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告白

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「適度な・・・距離感」

「ええ。陛下からのお願いもありますから、クリス様のことはサポートするつもりですけど、別にお昼ご飯まで毎日ご一緒する必要はありませんよね?レディアン様・・・先生はクリス様の護衛でしょうから、ご一緒するのは当たり前ですけど、そこに私が加わると、周囲から妬まれるのです」

 なんか俯かれてるクリス様にこんなことを言っているのを見られたら、本当に悪役令嬢だと言われそうだけど。

 私は確かにクリス様もクリストファー殿下も嫌いではないけど、だからといってそのことで周囲から嫌われるのはごめんだ。

 私は、今世では浮気される心配のない相手と結婚して幸せになりたいし、子供や孫の顔も見たいし、一般的な寿命まで長生きしたい。

 悪役令嬢呼ばわりされて、良縁を逃したくはないのよ。

 一応、両親や国王陛下は今のところ味方みたいだけど、悪評が広がって断罪とかされても困るわ。

 クリス様はまだ俯かれている。
斜め後ろに立つレディアン様が、一歩前に出た。

「クリストファー様。勝ち目はなくても少しでも意識していただくためにこの際、はっきりとお気持ちを言った方が良いと思われます」

「勝ち目がないって、お前・・・」

「事実です。どう見ても意識してもらえていません」

 何の話だろう。
小首を傾げていると、クリス様が意を決したように顔を上げた。

「エリザベート様・・・いや、エリザベート・クライスラー公爵令嬢。クリストファー・ヴァルフリーデは貴女のことが好きです。僕との婚約を考えていただけないでしょうか」

「・・・・・・え?」

 私の空耳、いや聞き間違いかしら?

 クリス様、いえクリストファー殿下が私のことを好きだって言ったように聞こえたけど。

 うーん。私も自意識過剰ね。いくらエリザベートが綺麗だからって、そんな展開あるわけないじゃない。

 もし、そんな展開があったとしても、その気持ちは勘違いよ。

 呪いのことを知った仲間意識というか、なんていうか、そう。吊り橋効果ってやつだと思うわ。

「ほら、全く意識されてないじゃないですか。言わないで察してもらおうなんて図々しいんですよ」

「お前は不敬という言葉をもっと理解しろ。第一、女装姿で告白なんかおかしいだろうが」

「それで尻込みしてて、距離を取られた挙句に、他に婚約者が出来たら意味ないでしょう。女装ばっかしてて女々しくなったんじゃないですか」

 レディアン様がものすごく辛辣なんだけど。
 何この主従関係。

 というか、え?
本気で私を好きだと言ってるの?
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