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王家の秘密

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 お父様たちが、アスランの暴挙を防げなかったことを言及してくれている。

 レディアン様という、おそらくは王家の手の方が手引きしたことをご存知ないから、単に押送ミスだと思っているんだろう。

 事情があることは分かったから、そこを私が話してしまうわけにはいかない。

 国王陛下はチラリとクリストファー殿下を見て、ため息を吐かれた。

 両親にしたら、何故表舞台にほとんど出てこなかったクリストファー殿下が、王家としての謝罪のためとはいえここにいるのか不思議なのだろう。

 クリス様が我が家を訪れたことがなかったから、両親はクリス様としてのクリストファー殿下を知らない。

 イザベリーナは学園で会ってるけど、髪の長さや服装で、似てるけど違う?と感じているのかもしれない。

「まずは、王家にかけられた呪いについて話さねばならない」

「呪い・・・ですか?」

「ああ。第一王子、つまりクリストファーが誕生した時、王妃・・・この場合クリストファーの母親の前王妃だが、彼女の親族から呪いをかけられた」

 は?前王妃様の親族って。
身内から呪い?というか、この世界に呪いってあるの?

 お父様たちも同じ疑問を持ったようだ。

「呪いとは?しかも自分たちの親族である元王妃様に何故?」

「知っての通り、元王妃、クリストファーの母親は、他国から嫁いできた。国と国の友好のための政略結婚だ。だが私がクリストファーを授かった直後に側妃を迎えてしまった。正妃とも話し合い、納得の上のことだったのだが、親族はそう思わない。祝いに来た時に側妃を迎える話を聞いて、王妃に詰め寄った。側妃を拒むか、離縁して国に戻って来るようにと。しかし戻るにも、ヴァルフリーデ王国の血を引いたクリストファーを連れて帰るわけにはいかない。彼らはクリストファーを邪魔だと判断したのだ。そして呪詛をかけた。ヴァルフリーデ王国の男児は十五歳まで生きられない、という呪いをな」

 ええ?
そりゃ確かに、他国の血を引いた男児を連れて戻ることは難しいと思うけど、それならヴァルフリーデ王国に置いていけば良い。

 何も呪いをかけなくても。
しかも、そんな呪い本当にあるの?

 日本でも昔は、陰陽師とか藁人形とか呪いはあったらしいけど。

「正妃は・・・側妃になった彼女にかけられようとした呪いを、身を挺して庇ったのだ。そのせいで、身罷ることになった」

 それじゃあ、正妃様は親族に殺された・・・ってこと?

 確かに元王妃様の国とは、今は交友していない。

 でも、人殺しじゃない!そりゃあ、呪いなんて、追及しようがなかったのかもしれないけど。

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