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え?イベント発生?やっぱりヒロインなの?
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何故かクリス様に懐かれ、そこにこれまた何故かイザベリーナまで一緒にまとわりつくようになって二ヶ月が過ぎたある日。
私やクラスの令嬢と話しているクリス様の元に、騎士団長の子息が現れた。
あれ?
これって、騎士団長子息ルートの出会いイベントじゃないの?
クラスの令嬢たちは、まぁエリザベートを筆頭に、アーロン殿下と仲良くしているヒロインに冷たくあたっていた。
それを通りかかった騎士団長子息の、ええと名前なんて言ったっけ。
とにかくその子息が、令嬢たちからヒロインを庇うのよ。
今の騎士団長は確かダンブル侯爵だったから、そこの次男の・・・そうそうアスランだ。
アスランは、赤い髪に赤い瞳の、なんていうか、乙女ゲームで定番の脳筋なのよね。
剣の腕は騎士団長の子息らしく優れてるんだけど、どうして騎士って脳筋設定なのかしらね。
頭を使わないと、騎士として働くのも大変だと思うんだけど。
下っ端ならともかく、団長や副団長はお馬鹿じゃ務まらないと思うわ。
まぁ、それはともかく、正義感は一人前のアスランは、令嬢たちにキツい言葉を投げかけて、ヒロインをその場から連れ出すんだけど・・・
「寄ってたかって一人のご令嬢に何をしてるんだ!」
「・・・何って、クリス様から本をお借りしているんですけど?」
「は?ご令嬢から本を取り上げようとしているんじゃないか?君、はっきり言って構わない。俺が守るから正直に話してくれ」
アスランは完全に私を悪役として、話を進めていく。
ちょっと失礼じゃない?
確かにゲーム内ではエリザベートは悪役令嬢ポジだったけど?
「・・・邪魔です」
「うん?そんなに怯えなくても大丈夫だ」
ポツリと呟いたクリス様の声が聞こえなかったのか、アスランは私とクリス様の間に割り込むように、彼女に近づく。
背の高いアスランからは見えないんだろうけど・・・
俯いているクリス様は、私より少し背が高いので、その表情は私にはよく見えていた。
あー。
アスラン、ご愁傷様。
「聞こえませんでしたか?邪魔です。私とエリザベート様の貴重な時間を邪魔するなんて。その目も耳も頭も、お飾りですか?そもそもエリザベート様の話を・・・」
「あ、あに・・・クリス嬢!」
アーロン殿下が慌てたように駆け寄って来る。
その後ろで、イザベリーナが息を切らしたように、大きく深呼吸しているのが見えた。
あら?
もしかしてイザベリーナが呼んできたのかしら?
「アスラン!何をしている!」
「は?いや、このご令嬢がクライスラー公爵令嬢にいじめられていたようだったから・・・」
「そっ、そんなわけあるわけないだろう!お前はさっさとこの場から立ち去れ!」
アーロン殿下の必死な様子に、アスランは全く状況を理解していないのか、私を睨みつけて来た。
ハァ。私、責任取れないわよ。
私やクラスの令嬢と話しているクリス様の元に、騎士団長の子息が現れた。
あれ?
これって、騎士団長子息ルートの出会いイベントじゃないの?
クラスの令嬢たちは、まぁエリザベートを筆頭に、アーロン殿下と仲良くしているヒロインに冷たくあたっていた。
それを通りかかった騎士団長子息の、ええと名前なんて言ったっけ。
とにかくその子息が、令嬢たちからヒロインを庇うのよ。
今の騎士団長は確かダンブル侯爵だったから、そこの次男の・・・そうそうアスランだ。
アスランは、赤い髪に赤い瞳の、なんていうか、乙女ゲームで定番の脳筋なのよね。
剣の腕は騎士団長の子息らしく優れてるんだけど、どうして騎士って脳筋設定なのかしらね。
頭を使わないと、騎士として働くのも大変だと思うんだけど。
下っ端ならともかく、団長や副団長はお馬鹿じゃ務まらないと思うわ。
まぁ、それはともかく、正義感は一人前のアスランは、令嬢たちにキツい言葉を投げかけて、ヒロインをその場から連れ出すんだけど・・・
「寄ってたかって一人のご令嬢に何をしてるんだ!」
「・・・何って、クリス様から本をお借りしているんですけど?」
「は?ご令嬢から本を取り上げようとしているんじゃないか?君、はっきり言って構わない。俺が守るから正直に話してくれ」
アスランは完全に私を悪役として、話を進めていく。
ちょっと失礼じゃない?
確かにゲーム内ではエリザベートは悪役令嬢ポジだったけど?
「・・・邪魔です」
「うん?そんなに怯えなくても大丈夫だ」
ポツリと呟いたクリス様の声が聞こえなかったのか、アスランは私とクリス様の間に割り込むように、彼女に近づく。
背の高いアスランからは見えないんだろうけど・・・
俯いているクリス様は、私より少し背が高いので、その表情は私にはよく見えていた。
あー。
アスラン、ご愁傷様。
「聞こえませんでしたか?邪魔です。私とエリザベート様の貴重な時間を邪魔するなんて。その目も耳も頭も、お飾りですか?そもそもエリザベート様の話を・・・」
「あ、あに・・・クリス嬢!」
アーロン殿下が慌てたように駆け寄って来る。
その後ろで、イザベリーナが息を切らしたように、大きく深呼吸しているのが見えた。
あら?
もしかしてイザベリーナが呼んできたのかしら?
「アスラン!何をしている!」
「は?いや、このご令嬢がクライスラー公爵令嬢にいじめられていたようだったから・・・」
「そっ、そんなわけあるわけないだろう!お前はさっさとこの場から立ち去れ!」
アーロン殿下の必死な様子に、アスランは全く状況を理解していないのか、私を睨みつけて来た。
ハァ。私、責任取れないわよ。
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