気弱令嬢の悪役令嬢化計画

みおな

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引き取り拒否と疑問

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 自分も兄二人も、妹アイリーン至上主義だと明言するエリーゼに、なんて言えばいいのか分からない。

 いや。冷遇されるよりはいいけどね。

「ああ。それから先ほどミノフスキー公爵令嬢と言ったが、現在の君は貴族籍を抜かれているから、平民のサブリナ、だな」

「・・・え?な、何をおっしゃっていますの?わたくしはミノフスキー公爵家の娘で・・・」

「そのミノフスキー公爵が、王家の決定に異を唱え、他国の令嬢に迷惑をかけるような者は、ミノフスキー公爵家には必要ないと言っていた。公爵も次期公爵である君の兄も、そのまま捨て置いてくださいと言っていたが、そうなるとこの国に迷惑がかかるかもしれないからな。我が国へ連れ戻って、修道院へと入れる」

「嘘っ・・・そんなことお父様が、お兄様がおっしゃるなんてっ!そんな、そんなの・・・」

 なんだろう。
確かに私を子供呼ばわりして下に見て、エリーゼに手をあげようとした令嬢だけど。

 王太子妃になるには、ちょっと問題ある令嬢だなって思ったけど。

 親や兄に切り捨てられて絶望している様子を見てると、小説の中のアイリーンを思い出す。

 正しい行いじゃない。
それは分かってる。

 家を継ぐ息子を、使用人を、領民を守らなければならない公爵の立場も分かっている。

 でも、家族くらいは味方になって、守って欲しいっていうのは、我儘?

 公爵令嬢が、他国の令嬢に文句言ったくらいで、娘を見捨てるの?

 貴族としてそれは正しいのかもしれないけど、前世の記憶のある私にしたら、罪の割に罰が重すぎるというか。

 みんなそれを、正しいことだと思ってる。

 アイリーンがランディに冤罪で処刑だと言われた時、両親は、兄たちは、エリーゼは、それを『正しいこと』だと納得したのかな。

 誰も、アイリーンは悪くない、そんなことはするわけがない、と声を上げなかったのかな。

 たかが文句を言っただけで修道院に送られるなら、聖女であるエリーゼを害しようとしたなら処刑されて当たり前だったのかな。

「アイリーン?どうしたの?気分が悪い?」

「・・・」

 私はいつのまにか泣いていたみたいで、エリーゼが慌ててハンカチで涙を拭いてくれる。

 でも、ポロポロポロポロと涙は止まらなくて、カイン様を始め、アスランもイグニスもエリーゼも、そしてサブリナまでもが戸惑ったように私を見ていた。

「私が・・・もし私がその方に『あなたなんか王太子殿下に選ばれるわけない』と言ったなら、お父様は私を修道院に入れるのでしょうか」

「まっ、まさか!父上がそんなことをするわけがない。罰を受けなければならないなら、降爵をお願いするだろう。そもそも、その程度で修道院など・・・」

「なら・・・どうしてその方の罰を重いと誰も思わないのですか?」
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