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ヒロインの攻略対象
イベントは必要不可欠です
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プリシア様に週末にお出かけをする話をしてから、2日後ー
セシル様といつも通りにお茶を楽しんでいます。
「それで、エルンスト様は?」
「あの後、レイモンドにまで言われて、週末は一緒に出かけると頷いたよ。本当に、世話の焼ける・・・」
随分と、ダートン様やレイモンド様にも言われたみたいですわ。
出会ったばかりですから、お気持ちを認めたくないのも分かりますけど、そう呑気に構えてはいられませんのよ。
フォレスト王国内の貴族なら、陛下や王妃様にお願いして、どうにか抑えられますけど、他国全てを抑え切ることはできませんもの。
それに、そんな優柔不断な方に、大切なプリシア様をお任せできませんわ。
「プリシア様にお伺いしたところ、どうやらデートイベントみたいですの」
「イベント?」
「乙女ゲームでは、攻略対象の好感度を上げるためのイベントというものが存在するのですわ。エルンスト様は超シークレットなので、イベントも限られているらしいんですけど、このデートイベントが成功すれば一気に好感度が上がるらしくて」
よく分からないという顔をされましたわ。
私は乙女ゲームはほとんどやってないのですけど、プリシア様はコンプリートされたとおっしゃっていましたから。
うん?それってセシル様も攻略されたってことですわよね?
「どうかした?」
「いえ。乙女ゲームの世界で、セシル様もヒロインに攻略されたのだと思いまして」
なんだかモヤモヤします。
ゲーム内のセシル様と、目の前のセシル様が違うことは分かっているのですが。
「え?僕も攻略されてるの?」
「プリシア様はコンプリートされたとおっしゃっていましたから」
「そうなんだね。まぁ、あくまでもゲームの中の話だしね。現実世界では、僕とダウニー嬢はどちらかといえばライバルかな」
ライバル・・・ですか?
何を競われているのでしょうか?気になります。
「まぁ、それはさておき、そのイベントとやらは何が起きるの?」
「ゲームでは、男性陣と女性陣は別々に街に出かけますの。そして、ばったり会ったところで、絡まれるそうですわ。それをエルンスト様は酷く罵りながら倒すらしいんですが、怪我を負ってしまわれますの。その怪我を癒しながら、プリシア様がエルンスト様にお説教なさるそうです」
「へぇ。助けたのに説教されるんだ」
「ええ。わざわざ喧嘩をふっかける必要はないだろうって。皇太子ならもっと上手に立ち回れと。女性蔑視の国で育ったエルンスト様は、女性に叱られることが新鮮で、それ以降プリシア様のことが頭から離れなくなるらしいです」
多分、カルチャーショックだったんでしょうね。
それで好感度マックスになれば、それ以降は下がらないというんですから、ある意味わかりやすい方なのでしょう。
実際は男女共に出かけますし、ゲーム通りのイベントが起こるかどうかはわかりませんが、エルンスト様には男を見せていただきたいですわね。
セシル様といつも通りにお茶を楽しんでいます。
「それで、エルンスト様は?」
「あの後、レイモンドにまで言われて、週末は一緒に出かけると頷いたよ。本当に、世話の焼ける・・・」
随分と、ダートン様やレイモンド様にも言われたみたいですわ。
出会ったばかりですから、お気持ちを認めたくないのも分かりますけど、そう呑気に構えてはいられませんのよ。
フォレスト王国内の貴族なら、陛下や王妃様にお願いして、どうにか抑えられますけど、他国全てを抑え切ることはできませんもの。
それに、そんな優柔不断な方に、大切なプリシア様をお任せできませんわ。
「プリシア様にお伺いしたところ、どうやらデートイベントみたいですの」
「イベント?」
「乙女ゲームでは、攻略対象の好感度を上げるためのイベントというものが存在するのですわ。エルンスト様は超シークレットなので、イベントも限られているらしいんですけど、このデートイベントが成功すれば一気に好感度が上がるらしくて」
よく分からないという顔をされましたわ。
私は乙女ゲームはほとんどやってないのですけど、プリシア様はコンプリートされたとおっしゃっていましたから。
うん?それってセシル様も攻略されたってことですわよね?
「どうかした?」
「いえ。乙女ゲームの世界で、セシル様もヒロインに攻略されたのだと思いまして」
なんだかモヤモヤします。
ゲーム内のセシル様と、目の前のセシル様が違うことは分かっているのですが。
「え?僕も攻略されてるの?」
「プリシア様はコンプリートされたとおっしゃっていましたから」
「そうなんだね。まぁ、あくまでもゲームの中の話だしね。現実世界では、僕とダウニー嬢はどちらかといえばライバルかな」
ライバル・・・ですか?
何を競われているのでしょうか?気になります。
「まぁ、それはさておき、そのイベントとやらは何が起きるの?」
「ゲームでは、男性陣と女性陣は別々に街に出かけますの。そして、ばったり会ったところで、絡まれるそうですわ。それをエルンスト様は酷く罵りながら倒すらしいんですが、怪我を負ってしまわれますの。その怪我を癒しながら、プリシア様がエルンスト様にお説教なさるそうです」
「へぇ。助けたのに説教されるんだ」
「ええ。わざわざ喧嘩をふっかける必要はないだろうって。皇太子ならもっと上手に立ち回れと。女性蔑視の国で育ったエルンスト様は、女性に叱られることが新鮮で、それ以降プリシア様のことが頭から離れなくなるらしいです」
多分、カルチャーショックだったんでしょうね。
それで好感度マックスになれば、それ以降は下がらないというんですから、ある意味わかりやすい方なのでしょう。
実際は男女共に出かけますし、ゲーム通りのイベントが起こるかどうかはわかりませんが、エルンスト様には男を見せていただきたいですわね。
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