64 / 88
ヒロインの攻略対象
超シークレットと光の聖女
しおりを挟む
「はじめまして。プリシア・ダウニーと申します。ダウニー男爵家の娘です。よろしくお願いします」
週明けの学園で、ケルドラード様とプリシア様の顔合わせをいたしました。
「ああ。よろしく頼む」
私はケルドラード様を攻略したことがありません。だから、どんなイベントがあり、何をどういう選択をすれば彼を攻略できるのか全くわからないのです。
ですが、プリシア様はコンプリートしたとおっしゃっていましたし、この世界が乙女ゲームそのものでないことを考えると、これからプリシア様を知ってくだされば好きになって貰えるのではと思います。
プリシア様は、とても素敵な方です。
それは、前世の中学生のお嬢さんである時から。
だから、私はいつもプリシア様に支えられているのです。
「ダウニー嬢とビスクランド嬢は魔法科なのか」
「はい。ケルドラード様は騎士科ですか?」
「ああ。俺には魔力はないからな」
ケルドラード皇国の人間は、魔力を持ち合わせていないようです。
それゆえに、魔力持ちが多く、魔法の研究が進んでいるフォレスト王国に留学して来られたのでしょう。
「他のみんなも魔力があるのか?」
「僕とセシル、姉上にはそこそこの魔力がありますが、魔法科に入るほどではありませんね。魔法科は魔法の鑑定で選ばれた人間のみが入るクラスですから」
そうなのです。
基本、高位貴族には魔力があります。
前回のアリスは風の魔力がありましたが、他の皆様と同じように微々たるものでした。ですから、貴族科だったのです。
前回のセシル様のことは知りませんが、レイモンド様はずっと騎士科だったはずです。
今回も、セシル様もレイモンド様も騎士科です。
「そうなのか。一度、魔法を見せてもらうことは可能だろうか」
「僕やセシル、ジェイド殿の魔法なら構いませんよ」
「ダウニー嬢は光の聖女だと聞いたが、どのような魔法が使えるんだ?」
「まだ授業が始まったばかりですから。基本は癒しの力だと言われていますが。慣れましたらお見せしますね」
どうやら、ケルドラード様は光の聖女の力に興味があるみたいです。
魔法のないケルドラード皇国としては、光の聖女を手に入れたいのかもしれません。
プリシア様個人に興味を持って下さるなら応援したいですが、光の聖女が欲しいだけなら応援できませんね。
そして、セシル様が私を抱きしめて離して下さいませんわ。
どうやら、魔法に興味があるケルドラード様が、私に興味を持つのではないかと心配されているようです。
ケルドラード様もそれを理解しているのか、私のことには触れてきませんわ。
もしかしたら、レイモンド様が警告されていたのかもしれませんね。
週明けの学園で、ケルドラード様とプリシア様の顔合わせをいたしました。
「ああ。よろしく頼む」
私はケルドラード様を攻略したことがありません。だから、どんなイベントがあり、何をどういう選択をすれば彼を攻略できるのか全くわからないのです。
ですが、プリシア様はコンプリートしたとおっしゃっていましたし、この世界が乙女ゲームそのものでないことを考えると、これからプリシア様を知ってくだされば好きになって貰えるのではと思います。
プリシア様は、とても素敵な方です。
それは、前世の中学生のお嬢さんである時から。
だから、私はいつもプリシア様に支えられているのです。
「ダウニー嬢とビスクランド嬢は魔法科なのか」
「はい。ケルドラード様は騎士科ですか?」
「ああ。俺には魔力はないからな」
ケルドラード皇国の人間は、魔力を持ち合わせていないようです。
それゆえに、魔力持ちが多く、魔法の研究が進んでいるフォレスト王国に留学して来られたのでしょう。
「他のみんなも魔力があるのか?」
「僕とセシル、姉上にはそこそこの魔力がありますが、魔法科に入るほどではありませんね。魔法科は魔法の鑑定で選ばれた人間のみが入るクラスですから」
そうなのです。
基本、高位貴族には魔力があります。
前回のアリスは風の魔力がありましたが、他の皆様と同じように微々たるものでした。ですから、貴族科だったのです。
前回のセシル様のことは知りませんが、レイモンド様はずっと騎士科だったはずです。
今回も、セシル様もレイモンド様も騎士科です。
「そうなのか。一度、魔法を見せてもらうことは可能だろうか」
「僕やセシル、ジェイド殿の魔法なら構いませんよ」
「ダウニー嬢は光の聖女だと聞いたが、どのような魔法が使えるんだ?」
「まだ授業が始まったばかりですから。基本は癒しの力だと言われていますが。慣れましたらお見せしますね」
どうやら、ケルドラード様は光の聖女の力に興味があるみたいです。
魔法のないケルドラード皇国としては、光の聖女を手に入れたいのかもしれません。
プリシア様個人に興味を持って下さるなら応援したいですが、光の聖女が欲しいだけなら応援できませんね。
そして、セシル様が私を抱きしめて離して下さいませんわ。
どうやら、魔法に興味があるケルドラード様が、私に興味を持つのではないかと心配されているようです。
ケルドラード様もそれを理解しているのか、私のことには触れてきませんわ。
もしかしたら、レイモンド様が警告されていたのかもしれませんね。
145
お気に入りに追加
1,378
あなたにおすすめの小説

婚約者から婚約破棄をされて喜んだのに、どうも様子がおかしい
棗
恋愛
婚約者には初恋の人がいる。
王太子リエトの婚約者ベルティーナ=アンナローロ公爵令嬢は、呼び出された先で婚約破棄を告げられた。婚約者の隣には、家族や婚約者が常に可愛いと口にする従妹がいて。次の婚約者は従妹になると。
待ちに待った婚約破棄を喜んでいると思われる訳にもいかず、冷静に、でも笑顔は忘れずに二人の幸せを願ってあっさりと従者と部屋を出た。
婚約破棄をされた件で父に勘当されるか、何処かの貴族の後妻にされるか待っていても一向に婚約破棄の話をされない。また、婚約破棄をしたのに何故か王太子から呼び出しの声が掛かる。
従者を連れてさっさと家を出たいべルティーナと従者のせいで拗らせまくったリエトの話。
※なろうさんにも公開しています。
※短編→長編に変更しました(2023.7.19)

【完結】今世も裏切られるのはごめんなので、最愛のあなたはもう要らない
曽根原ツタ
恋愛
隣国との戦時中に国王が病死し、王位継承権を持つ男子がひとりもいなかったため、若い王女エトワールは女王となった。だが──
「俺は彼女を愛している。彼女は俺の子を身篭った」
戦場から帰還した愛する夫の隣には、別の女性が立っていた。さらに彼は、王座を奪うために女王暗殺を企てる。
そして。夫に剣で胸を貫かれて死んだエトワールが次に目が覚めたとき、彼と出会った日に戻っていて……?
──二度目の人生、私を裏切ったあなたを絶対に愛しません。
★小説家になろうさまでも公開中

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~
Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。
走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。
【完結】もう結構ですわ!
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
恋愛
どこぞの物語のように、夜会で婚約破棄を告げられる。結構ですわ、お受けしますと返答し、私シャルリーヌ・リン・ル・フォールは微笑み返した。
愚かな王子を擁するヴァロワ王家は、あっという間に追い詰められていく。逆に、ル・フォール公国は独立し、豊かさを享受し始めた。シャルリーヌは、豊かな国と愛する人、両方を手に入れられるのか!
ハッピーエンド確定
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/11/29……完結
2024/09/12……小説家になろう 異世界日間連載 7位 恋愛日間連載 11位
2024/09/12……エブリスタ、恋愛ファンタジー 1位
2024/09/12……カクヨム恋愛日間 4位、週間 65位
2024/09/12……アルファポリス、女性向けHOT 42位
2024/09/11……連載開始

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

【完結】婚約破棄され毒杯処分された悪役令嬢は影から王子の愛と後悔を見届ける
堀 和三盆
恋愛
「クアリフィカ・アートルム公爵令嬢! 貴様との婚約は破棄する」
王太子との結婚を半年後に控え、卒業パーティーで婚約を破棄されてしまったクアリフィカ。目の前でクアリフィカの婚約者に寄り添い、歪んだ嗤いを浮かべているのは異母妹のルシクラージュだ。
クアリフィカは既に王妃教育を終えているため、このタイミングでの婚約破棄は未来を奪われるも同然。こうなるとクアリフィカにとれる選択肢は多くない。
せめてこれまで努力してきた王妃教育の成果を見てもらいたくて。
キレイな姿を婚約者の記憶にとどめてほしくて。
クアリフィカは荒れ狂う感情をしっかりと覆い隠し、この場で最後の公務に臨む。
卒業パーティー会場に響き渡る悲鳴。
目にした惨状にバタバタと倒れるパーティー参加者達。
淑女の鑑とまで言われたクアリフィカの最期の姿は、良くも悪くも多くの者の記憶に刻まれることになる。
そうして――王太子とルシクラージュの、後悔と懺悔の日々が始まった。

完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる