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ヒロインの攻略対象
超シークレットと光の聖女
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「はじめまして。プリシア・ダウニーと申します。ダウニー男爵家の娘です。よろしくお願いします」
週明けの学園で、ケルドラード様とプリシア様の顔合わせをいたしました。
「ああ。よろしく頼む」
私はケルドラード様を攻略したことがありません。だから、どんなイベントがあり、何をどういう選択をすれば彼を攻略できるのか全くわからないのです。
ですが、プリシア様はコンプリートしたとおっしゃっていましたし、この世界が乙女ゲームそのものでないことを考えると、これからプリシア様を知ってくだされば好きになって貰えるのではと思います。
プリシア様は、とても素敵な方です。
それは、前世の中学生のお嬢さんである時から。
だから、私はいつもプリシア様に支えられているのです。
「ダウニー嬢とビスクランド嬢は魔法科なのか」
「はい。ケルドラード様は騎士科ですか?」
「ああ。俺には魔力はないからな」
ケルドラード皇国の人間は、魔力を持ち合わせていないようです。
それゆえに、魔力持ちが多く、魔法の研究が進んでいるフォレスト王国に留学して来られたのでしょう。
「他のみんなも魔力があるのか?」
「僕とセシル、姉上にはそこそこの魔力がありますが、魔法科に入るほどではありませんね。魔法科は魔法の鑑定で選ばれた人間のみが入るクラスですから」
そうなのです。
基本、高位貴族には魔力があります。
前回のアリスは風の魔力がありましたが、他の皆様と同じように微々たるものでした。ですから、貴族科だったのです。
前回のセシル様のことは知りませんが、レイモンド様はずっと騎士科だったはずです。
今回も、セシル様もレイモンド様も騎士科です。
「そうなのか。一度、魔法を見せてもらうことは可能だろうか」
「僕やセシル、ジェイド殿の魔法なら構いませんよ」
「ダウニー嬢は光の聖女だと聞いたが、どのような魔法が使えるんだ?」
「まだ授業が始まったばかりですから。基本は癒しの力だと言われていますが。慣れましたらお見せしますね」
どうやら、ケルドラード様は光の聖女の力に興味があるみたいです。
魔法のないケルドラード皇国としては、光の聖女を手に入れたいのかもしれません。
プリシア様個人に興味を持って下さるなら応援したいですが、光の聖女が欲しいだけなら応援できませんね。
そして、セシル様が私を抱きしめて離して下さいませんわ。
どうやら、魔法に興味があるケルドラード様が、私に興味を持つのではないかと心配されているようです。
ケルドラード様もそれを理解しているのか、私のことには触れてきませんわ。
もしかしたら、レイモンド様が警告されていたのかもしれませんね。
週明けの学園で、ケルドラード様とプリシア様の顔合わせをいたしました。
「ああ。よろしく頼む」
私はケルドラード様を攻略したことがありません。だから、どんなイベントがあり、何をどういう選択をすれば彼を攻略できるのか全くわからないのです。
ですが、プリシア様はコンプリートしたとおっしゃっていましたし、この世界が乙女ゲームそのものでないことを考えると、これからプリシア様を知ってくだされば好きになって貰えるのではと思います。
プリシア様は、とても素敵な方です。
それは、前世の中学生のお嬢さんである時から。
だから、私はいつもプリシア様に支えられているのです。
「ダウニー嬢とビスクランド嬢は魔法科なのか」
「はい。ケルドラード様は騎士科ですか?」
「ああ。俺には魔力はないからな」
ケルドラード皇国の人間は、魔力を持ち合わせていないようです。
それゆえに、魔力持ちが多く、魔法の研究が進んでいるフォレスト王国に留学して来られたのでしょう。
「他のみんなも魔力があるのか?」
「僕とセシル、姉上にはそこそこの魔力がありますが、魔法科に入るほどではありませんね。魔法科は魔法の鑑定で選ばれた人間のみが入るクラスですから」
そうなのです。
基本、高位貴族には魔力があります。
前回のアリスは風の魔力がありましたが、他の皆様と同じように微々たるものでした。ですから、貴族科だったのです。
前回のセシル様のことは知りませんが、レイモンド様はずっと騎士科だったはずです。
今回も、セシル様もレイモンド様も騎士科です。
「そうなのか。一度、魔法を見せてもらうことは可能だろうか」
「僕やセシル、ジェイド殿の魔法なら構いませんよ」
「ダウニー嬢は光の聖女だと聞いたが、どのような魔法が使えるんだ?」
「まだ授業が始まったばかりですから。基本は癒しの力だと言われていますが。慣れましたらお見せしますね」
どうやら、ケルドラード様は光の聖女の力に興味があるみたいです。
魔法のないケルドラード皇国としては、光の聖女を手に入れたいのかもしれません。
プリシア様個人に興味を持って下さるなら応援したいですが、光の聖女が欲しいだけなら応援できませんね。
そして、セシル様が私を抱きしめて離して下さいませんわ。
どうやら、魔法に興味があるケルドラード様が、私に興味を持つのではないかと心配されているようです。
ケルドラード様もそれを理解しているのか、私のことには触れてきませんわ。
もしかしたら、レイモンド様が警告されていたのかもしれませんね。
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