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ゲームの舞台の学園へ

罠《プリシア視点》

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 王家主催のパーティー当日ー

 クライブ様はビスクランド様にエスコートされて、パーティー会場に現れました。

 金のドレスを着た彼女に、会場がざわつきましたが、クライブ様はそれを好意的なものと勘違いしたようです。

 本当に、愚かな方。

 金色は王家の証。
王子殿下も、王太女殿下も、そして王弟殿下のお子様であるサードニクス様も、金の瞳をされていることに気づかないの?

 だから、決して誰も金の衣装は纏わない。それを纏えるのは、王族のみ。

 貴女はすでに、この国の禁忌を犯しているのよ?

 そのドレスを贈ったのは、ビスクランド様だけど、貴女がその色の意味を理解していたなら、パーティーへは別のドレスで出ることもできたのに。
 現に、届いたドレスを見た男爵は貴女を止めたはず。

 クライブ様はご存知かしら?
何度止めても聞かずにパーティー会場へ向かった貴女が家を出た後に、クライブ男爵家に訪れたビスクランド伯爵様に貴女のお父様が平身低頭で謝ったことを。

 貴女はもう男爵令嬢ですらないのよ?
クライブ男爵は貴女を男爵家から抜くことで、何とかお家のとり潰しを許して貰ったの。

 クライブ様。いえ、もうクライブさんとお呼びするべきかしら。

 確かにあなたは転生したばかりで、貴族の決まり事に詳しくないのかもしれない。
 でも、父親であるクライブ男爵の言葉にちゃんと従っていれば、こんな結末は来なかったのよ?

 そして、何よりも、アリス様を貶めようとしたことは、絶対に許せない。

 貴族とか、平民とか、転生者とか、何ひとつ関係ない。
 人として、してはいけないことをあなたはしたの。
 そして、その罪は償わなければならない。

 あなたがしたことで、間違われ襲われそうになったご令嬢は、まだ学園には出てこれないそうよ。

 そのことに、アリス様はずっとお心を痛めてる。
 自分が行っていれば、ご令嬢が襲われることはなかったのではないかと。
 ずっとご自分を責めていらっしゃる。

 本当に。
アリス様は聖女に相応しい方。そのアリス様を害そうなんて、決して許せるものではないわ。

 今日、このパーティーに招待されているのは伯爵家以上の身分の者ばかり。
 貴族としての教養もないあなたのことを、どんな目で見ているか、気づいている?

 そして、今日のパーティーを開いたのは国王陛下。あなたのしたことはすでに国王陛下にまで知られているの。
 このパーティーは、貴女を断罪するために開かれた。あなたはアリス様を断罪するためだと思っているみたいだけど。

 あなたを断罪するために、ビスクランド様は王太女殿下でなくあなたをエスコートしたの。
 さあ、断罪の幕を開けましょう。
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