転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜

みおな

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ゲームの舞台の学園へ

ルイスお兄様の恋愛事情

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「は?」

 思わず間抜けな声が出てしまいましたアリス・ビスクランド11歳です。

 王宮の庭園でエルンスト皇太子殿下の留学についての話し合いの最中、レイモンド王子からでた言葉に、私は固まってしまいました。

「え?ビスクランド嬢は知らなかったのかい?」

「知りませんでした・・・」

「そ、そうなんだ。いや、うん。わざわざ兄妹に自分の恋愛事情なんて話さないよね、うん」

 ゔっ。気を使われています。

「お気遣いいただきありがとうございます」

「アリス様のお兄様って、ルイス様ですわよね?私も王宮でお会いしたことありますわ」

「そ、そうなのですね。私は全然知りませんでした」

 リーシャ様にまで言われて、私は俯いてしまいました。
 セシル様が頭を撫でて、慰めてくださいます。

 ルイスお兄様は、私がこの世界に転生した時から、これでもかというくらい私のことを溺愛していました。
 いつも私にべったりだったお兄様。セシル様が婚約者になった時も、反対していました。

 いつからだったのでしょうか。お兄様が私と距離を取るようになったのは。

 婚約してしばらくは文句を言われていましたが、学園に通うようになった頃から何も言わなくなりました。忙しいのかと思いましたが、違ったようです。

 そういえば入学式の時も、制服姿を褒めて下さいましたが、一緒に行くとはおっしゃいませんでした。

 しかし、まさか王女殿下とお付き合いしているなんて!

 アナスタシア・フォレスト王女殿下。
レイモンド王子のお姉様で、2歳年上です。

 我がフォレスト王国は、男女の関係なく、第1子が王位を継ぐことになっています。
 ですから、アナスタシア王女殿下は正確には王太女殿下です。

 金の髪と瞳の、レイモンド王子とよく似た容姿のアナスタシア王女殿下と、ルイスお兄様が、婚約を前提のお付き合いをしている。そうレイモンド王子はおっしゃられたのです。

 まさか。そんなことになっていたとは全然気づきませんでした。

 しかし、婚約前提のお付き合いなのですね。さすがに、婚約したら教えていただけていたと思います。

「婚約前提のお付き合いなのですね」

「姉上の婚約者となると、いずれは王配となるからね。本人同士が絶対という気持ちになるまでは婚約はしないらしい。もちろん、それなりの教育は受けてもらっているし、扱いは婚約者なんだけどね」

「婚約の解消なんかしないために、ギリギリまで婚約しないスタンスらしい。アナスタシア王太女は慎重な性格だからね。ルイス殿のことも考えた結果だろう」

 セシル様がレイモンド王子の言葉を引き継いで、話してくれます。

 王配・・・
いや、私も王弟であるサードニクス公爵の息子である、セシル様と婚約してますけど。
 まさか、ルイスお兄様が王太女殿下とお付き合いしてるなんて。

 今日は帰ったら尋問ですわ。

 
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