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ゲームの舞台の学園へ

もどきは所詮ホンモノには敵いません

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 あの後、現れた先生にクライブ様は連れて行かれました。
 ずいぶんと喚き散らしていましたけど。先生もさすがに第1王子殿下や公爵家令息に無礼な態度を取ったのを、見過ごすわけにはいかないのです。
 今回は反省文提出と、クライブ男爵家への注意となりました。

 ああいう方は懲りませんから、大きな問題を起こす前に、退学にした方がいいと思うんですが。

「プリシア様、あの方って・・・」

「多分、転生したばかりですね。しかし、は酷すぎですね」

 プリシア様が苦笑されています。
確かにアレは酷すぎでした。

 好感度を上げて、本人からの了承を得る前に、攻略対象の名を呼び捨てで呼んだらだめでしょう。

 天真爛漫と無作法は違います。
しかも、私がセシル様の婚約者だと何度も申し上げているのに、ゲームの知識にこだわるのですから、馬鹿としか言いようがありません。

「絶対、また何かしますわよね」

 ため息がもれます。せっかく楽しく学園生活を送れると思ったのに。

「大丈夫ですっ。アリス様は私が絶対守って見せますから」

「まぁ!嬉しいです。真のヒロインに守っていただけるなんて、私ってば悪役令嬢の風上にも置けませんわね?」

「もう!アリス様ってば」

 2人でクスクスと笑います。
ヒロインが電波系だったらどうしようとか悩んでたのが嘘みたいです。

 まぁ、もどきが電波系みたいなので頭が痛いですけど。
 それでも、攻略対象達はちゃんと婚約者を大切にしているみたいですし、真のヒロインも私の味方でいてくれるみたいです。

 そういえば、他の攻略対象はどうなっているのでしょうか?

 魔法省の長官子息に、騎士団長の子息。それから、ルイスお兄様。

 プリシア様の推しのエルンスト皇子が留学してくるのは、来週です。現在、滞在していただく王宮では、お迎えする準備が大変らしいです。

「他の攻略対象ってどうなってるんでしょうか?」

「魔法省の息子には、授業が始まったら会えますけど、騎士団長の息子には、騎士科の対抗試合の応援に行った時に会う設定でした」

「ルイスお兄様とは?」

「えっと・・・アリス様にその、い、いじめられているところを・・・」

 プリシア様のお声が段々小さくなって、聞き取りにくくなっていきます。

 ああ。アリス・ビスクランドは兄のことを大好きだから、ヒロインをいじめたのね。
 プリシア様、そんな気にしなくてもいいのに。

「ルイスお兄様は学年も違うから、とりあえずは魔法省長官子息と騎士団長子息の方を警戒しましょうか」

 アレが接触するかもしれませんからね。そういえば、彼らは婚約者いるのかしら?











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