転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜

みおな

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ゲームの舞台の学園へ

婚約者事情

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 正門に着きました。
セシル様にエスコートされて、馬車から降ります。

 離れた位置の人だかりにレイモンド第1王子と、元婚約者ダートン公爵子息の姿がありました。
 そういえば、あの2人は婚約者いるんでしょうか?

「セシル様」

「うん?どうかした?」

「第1王子殿下と公爵子息って、婚約者いるんですか?」

 いや、いてもいなくてもどっちでもいいですけどね。関わりたくはないですから。

「うん。どっちにもいるよ。どちらも侯爵家のご令嬢と婚約してる」

 そうなのですか。まぁ、当然ではありますけど。
 高位貴族や王族の方は、11歳で学園に入学するまでに、婚約者を決められるのが慣習です。

「侯爵家の方ですか」

ゲームでは、公爵子息の婚約者は私でしたけど、どなたでしょうか。王子ルートの時は確か・・・

「ルマンド侯爵家のリーシャ様でしょうか?」

「うん。そう。知り合い?」

「いえ。お顔は存じておりますけど。ゲームの知識ですわ」

 もちろん、周りに聞こえないように小声で話しています。ゲームだなんて、理解できないだろうとは思いますけど。

 元婚約者の方は誰なのでしょうか。
私への態度で、相当ダートン公爵様と公爵夫人様から叱られたらしいですから、あの傲慢な感じがなくなっているといいですよね。
 私には関係ありませんけど、婚約者になった侯爵令嬢様が嫌な思いをされるのは、私も嫌ですから。

「それで、ダートン公爵子息様の婚約者は?」

「アイシス侯爵令嬢だよ」

 アイシス侯爵令嬢・・・
頭の中で貴族図鑑をめくります。公爵子息であるセシル様と婚約したこともあって、高位貴族の方の顔は覚えようと努力しているんですよ?

 うちのお父様もお母様もお兄様も、私に甘いので「そんなの覚えなくてもいいよ。国王陛下の顔だけ覚えとけば?」なんて言われますけど、そんなわけないですよね?私、社交界に出れませんよ、そんな無知では。

「キャロライン様でしょうか?」

「うん。2歳年下だけど、彼には似合うんじゃないかな。守ってあげたくなるタイプらしいし」

「・・・そうなんですか。セシル様もそういう方がよろしかったのではないですか?」

「なんで?僕はアリスが良いに決まってるじゃない」

 ゔゔっ。守ってあげたくなるタイプがお好きなのかと、ちょっと嫌味っぽく言ったのに、あまり前のように言われてしまいました。
 セシル様は、私に甘すぎると思います。私より可愛い人、結構いると思います。ヒロインも見た目は可愛かったです。

 アリスも可愛いですけど。ゲーム内のアリスって儚げでもう手折れそうな感じだったんですけど、私が転生したせいか、最近儚げさがなくなった気がするんですよね。

 言いたいことをはっきり言ってるのが、顔に出てるのかしら?
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