転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜

みおな

文字の大きさ
上 下
19 / 88
ゲームの舞台の学園へ

乙女ゲームとは

しおりを挟む
 馬車で学園に向かう中、セシル様が乙女ゲームをついて聞いてこられました。

 うーん、説明が難しいです。
まず、第一によく覚えていないんです。
 レイモンド王子のルートを少しやって、早々に飽きたので。

「はっきりとは覚えてませんが、構わないですか?」

「うん、いいよ」

が悪役令嬢として登場する乙女ゲームは、『最後の恋をあなたと』と言います。ヒロインが攻略対象と親しくなって、婚約できたらハッピーエンドです。攻略対象には婚約者がいますけど、大抵の攻略対象は婚約破棄をしますね」

「なんなの、それ。浮気した挙句に婚約者を蔑ろにするって、どれだけ最低な男なの」

 セシル様が呆れたようにおっしゃいますけど、本当にその通りです。
 しかも、アリスに至っては冤罪で処刑までされるんです。

 でも、乙女ゲームって大体がそういう話なんですよね。
 自分が悪役令嬢の立場になったから思うけど、乙女ゲーム作った人って貴族世界のこと全然わかってないと思います。

 まず、高位貴族以外のご令嬢が、王族の婚約者になれることは99%ありません。
聖女とか、特別な存在だった場合はなれるかもですけど。

 それから、貴族の婚約は家と家の繋がりを作るもので、個人の感情で婚約を破棄するものではありません。
 どうしても、婚約者から降りたいなら、両家の長に話をして、穏便に解消してもらうものです。

「アリスはハロルド・ダートンルートの悪役令嬢です。私は、ハロルドルートはやっていないのですけど」

「悪役令嬢ってなんなの?」

「物語の主人公であるヒロインから見て、敵である攻略対象の婚約者ですね。ヒロインをいじめるとか言われますけど、大半は冤罪ですね。ヒロインって、貴族世界のしきたりとかわかってないんです。下の身分でありながら、高位貴族に馴れ馴れしく話しかけるし、婚約者のいる相手にもベタベタするので注意されるんですけど、それをいじめと言われますね」

「いや、それ当たり前のことだよね?」

 その当たり前が通らないのが乙女ゲームです。

「あと、誰が攻略対象なの?」

「レイモンド王子、ハロルド公爵令息、ルイス伯爵令息、あと、騎士団長子息、魔法省長官子息ですね」

「え?ルイスって、アリスの兄の?」

「そうです。お兄様ルートでもアリスが悪役令嬢です。もっとも、私の記憶にあるアリスは、ハロルドに何を言われても反論ひとつしないほどの大人しさでしたから、ヒロインからしたら冤罪しか手がなかったでしょうね」

 どう転んでも、悪役令嬢は断罪されるんです。だから、攻略対象と婚約したくなかったんです。
しおりを挟む
感想 59

あなたにおすすめの小説

王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?

いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、 たまたま付き人と、 「婚約者のことが好きなわけじゃないー 王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」 と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。 私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、 「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」 なんで執着するんてすか?? 策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー 基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。

【完結】婚約破棄され毒杯処分された悪役令嬢は影から王子の愛と後悔を見届ける

堀 和三盆
恋愛
「クアリフィカ・アートルム公爵令嬢! 貴様との婚約は破棄する」  王太子との結婚を半年後に控え、卒業パーティーで婚約を破棄されてしまったクアリフィカ。目の前でクアリフィカの婚約者に寄り添い、歪んだ嗤いを浮かべているのは異母妹のルシクラージュだ。  クアリフィカは既に王妃教育を終えているため、このタイミングでの婚約破棄は未来を奪われるも同然。こうなるとクアリフィカにとれる選択肢は多くない。  せめてこれまで努力してきた王妃教育の成果を見てもらいたくて。  キレイな姿を婚約者の記憶にとどめてほしくて。  クアリフィカは荒れ狂う感情をしっかりと覆い隠し、この場で最後の公務に臨む。  卒業パーティー会場に響き渡る悲鳴。  目にした惨状にバタバタと倒れるパーティー参加者達。  淑女の鑑とまで言われたクアリフィカの最期の姿は、良くも悪くも多くの者の記憶に刻まれることになる。  そうして――王太子とルシクラージュの、後悔と懺悔の日々が始まった。

【完結】婚約者様、王女様を優先するならお好きにどうぞ

曽根原ツタ
恋愛
オーガスタの婚約者が王女のことを優先するようになったのは――彼女の近衛騎士になってからだった。 婚約者はオーガスタとの約束を、王女の護衛を口実に何度も破った。 美しい王女に付きっきりな彼への不信感が募っていく中、とある夜会で逢瀬を交わすふたりを目撃したことで、遂に婚約解消を決意する。 そして、その夜会でたまたま王子に会った瞬間、前世の記憶を思い出し……? ――病弱な王女を優先したいなら、好きにすればいいですよ。私も好きにしますので。

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢

岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか? 「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」 「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」 マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。

木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。 彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。 こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。 だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。 そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。 そんな私に、解放される日がやって来た。 それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。 全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。 私は、自由を得たのである。 その自由を謳歌しながら、私は思っていた。 悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~

Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。 走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。

お言葉を返すようですが、私それ程暇人ではありませんので

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<あなた方を相手にするだけ、時間の無駄です> 【私に濡れ衣を着せるなんて、皆さん本当に暇人ですね】 今日も私は許婚に身に覚えの無い嫌がらせを彼の幼馴染に働いたと言われて叱責される。そして彼の腕の中には怯えたふりをする彼女の姿。しかも2人を取り巻く人々までもがこぞって私を悪者よばわりしてくる有様。私がいつどこで嫌がらせを?あなた方が思う程、私暇人ではありませんけど?

婚約破棄を望むなら〜私の愛した人はあなたじゃありません〜

みおな
恋愛
 王家主催のパーティーにて、私の婚約者がやらかした。 「お前との婚約を破棄する!!」  私はこの馬鹿何言っているんだと思いながらも、婚約破棄を受け入れてやった。  だって、私は何ひとつ困らない。 困るのは目の前でふんぞり返っている元婚約者なのだから。

処理中です...