婚約破棄を望むなら〜私の愛した人はあなたじゃありません〜

みおな

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第3章

旅立ちの日

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 それからの学園生活は、まぁ平凡なものだったと言えるだろう。

 時折、魔法の探求に暴走したブランが、妙な魔物を発生させたり、知識への探求に余念がないユサールが、新しい知識を得るため禁書庫の魔法書を読んで禁呪を発生しそうになったりしたが、概ね問題はなかった。

 ユサールにもブランにも、優秀かつ常識ある婚約者がいるので、婚約者にしっかりと叱られて反省させられていた。

 ああ。ちなみに、妙な魔物も禁呪の魔法も、運良く私が通りかかったので、さっくりと倒したり打ち消したりしておいた。

 いくら高位貴族の子息でも、禁呪や魔物発生は叱られるでは済まない。

 すでにサイラスが立太子しているが、彼は公私混同はしない人なので、間違いなく罰せられるだろう。

 本人たちにはいい薬になるだろうが、婚約者であるセディアとリティカがかわいそうだ。

 ちなみに私がそれをやったことは、バレていない。
 通りかかったところだったので、物陰から対処しておいた。

 ちなみにラグヌスは、相変わらず脳筋で、私は彼の中では女神で戦神のままだ。
 時折、みんなに隠れて戦術を教授し、手合わせをしてやると、ものすごく嬉しそうだ。

 うん。脳筋は扱いやすくていい。
面倒なことがあるとすれば、学園を卒業する年齢のハルトナイツが、私と共に国に帰ろうと思っているらしく学園に通っていることくらいだ。

 はっきり言って、迷惑である。
確かにハルトナイツのことは好きだし、婚約者にもなった。
 学園卒業後はレンブラント皇国に向かい、あちらの皇宮で皇太子妃教育を受けるつもりでもある。

 しかし、まるで見張られているようなのはごめんだ。
 私はどこかの誰かさんのように浮気をするつもりもないし、他の誰かを好きになる予定も今のところない。

 そう言ったら、眉を下げて情けなさそうな顔で「そんなつもりはないんだ」と弁解してきた。

 私を疑っているわけではなく、私が周囲に好かれているため、誰かに奪われてしまうのではないかと不安らしい。

 小さいとはいえ、皇国の皇太子殿下が何を情けないことを言っているんだか。

 それに、それって私が他の誰かに揺らぐって思ってるということと同じことだよね?
 自分の気持ちを信じてもらえてないってことに憮然とする。

 まぁ。ずっとハルトナイツの好き好きアピールを、政略的なものだと思ってた私が言うなって話だけどね。

 とにかく、そんなこんなで平穏な学園生活は続き、とうとう今日の卒業パーティーで終わりを迎えることとなるー




 

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