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第2章

ディスられている気がする

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「どういう意味?正統派の悪役令嬢って」

 なんだか軽くディスられている気がするわ。
睨んでみせると、リアーネはゴメンゴメンと手を合わせた。

「だって、転生チートってやつでしょ?前世のライトノベルでもよくあったじゃない。悪役令嬢が実は転生者で、転生チートと前世の記憶を使ってザマァするっていうやつ」

「記憶はともかく、魔力が多いのは元からよ。そのせいでサイードと婚約することになったんだから」

「そうだったわね。でも、じゃあ元々のヴィヴィにも魔法の探知とかできたわけ?」

「さあ?ヴィヴィがそのつもりになったならできたかもね。もっともゲームの中のヴィヴィはそんなことには興味を持たなかったみたいだけど。私は、断罪を回避するために色々やったもの」

 そうなのだ。
ヴィヴィが元々魔力が多かったというのもあって、私は魔法の勉強を隠れてやったのだ。
 その甲斐あって、ブランの発明する魔法も、相手がどんな魔法を使えるのかも、理解るようになった。

 ヴィヴィの地頭が良かったことに感謝しかないわ。

「もしかして、攻略対象たちがヴィヴィに懐いてるのって?」

「懐いてるかどうかは別として、多少接触はしたわよ。婚約者たちが断罪されないようにね」

「なるほどね。で?サイードだけは何もしてないってわけ?」

「だって、転生した時にはサイードはもうヒロインと出会っていたもの。別段好きでもない政略結婚相手に、そんな努力する気にならなかったってだけよ」

 それでも推しだったなら頑張っただろうけど、私の推しはハルトナイツだし。

 ヴィヴィに転生してからは、ヴィヴィ目線でしかサイードのことを見てないから、婚約者わたしに向き合おうともせずに、ヒロインに傾倒している男などどうでもいいとしか思えなかった。

 リアーネがサイードのことを好きなら、少しくらい矯正しといた方が良かったかな。
 あれ?でも、矯正して興味持たれても困るから、あのままでもよかった?

「ヒロインがアゼルを攻略できるかどうかはわからないけど、どうする?そろそろ第1王子陣営も動き出すと思うし、何か手を打たないと」

「そうよね。相手は平民だし。それでなくても優秀なヴィヴィを王子妃に欲しいわよね」

「そうよ!サイードとうまくいったとして、リアーネは王子妃になるの?そしたら、オスカール侯爵家の後継はどうするの?」

 本当ならアゼルが婿入りする予定なのだ。別に、サイードが婿入りしても能力的にはアゼルと大差ないか?

 まぁ、王家の方は第3王子がいるから大丈夫だと思うが。そのあたりの対策も必要となりそうだ。

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