26 / 88
第2章
何かが違う《ヒロイン視点》
しおりを挟む
「大丈夫ですか?」
私に突き飛ばされたにも関わらず、手を差し伸べてくるヴィヴィに目を見開いた。
え?悪役令嬢の、ヴィヴィ・ヴァレリア公爵令嬢よね?
乙女ゲーム『秘密の恋~あなたの愛に溺れて~』は、私が前世で大好きでプレイしていたスマホゲームなの。
前世。
そう、私は日本人としての記憶を持っている。
女子高生だった私は、多分事故で死んだのだと思う。そのあたりの記憶は全然ないから絶対とは言えないけど、病気とかしてなかったし。
そして、前世で流行っていたライトノベルの定番である、乙女ゲームの世界への転生をしたみたい。
びっくりしたわ。目が覚めたら、髪と目がピンク色なんだもの。
そんなの、漫画やアニメの世界にしかないわよね。
でも、鏡に映ったビジュアルには見覚えがあった。
私が大好きだった乙女ゲームのヒロインそっくりだったんだもの。
乙女ゲーム『秘恋』の攻略対象は5人。
第2王子のサイード。宰相次男のユサール。騎士団長次男のラグヌス。魔術師団長次男のブラン。公爵家次男のアゼル。
私の一推しは、アゼル。ヒロインよりも1歳年上で、すっごく優しくて、ヒロインを甘やかせてくれるの。
乙女ゲームだから、当然悪役令嬢と呼ばれるライバルがいるの。
アゼルルートの悪役令嬢は、彼の妹のヴィヴィ。
銀色の髪と瞳の、すっごい綺麗な、お人形みたいな女の子。
ヒロインは可愛い系だけど、ヴィヴィは綺麗系なのよね。
アゼルにも婚約者はいるんだけど、何故か、サイード王子の婚約者で第2王子ルートの悪役令嬢のヴィヴィは、公爵家令息ルートでも悪役令嬢なの。
このゲームの舞台は王立学園なんだけど、舞台に上がる前に、街での攻略対象との出会いイベントがあるの。
それぞれと出会う場所は違っていて、サイードは小物屋。ユサールは本屋。ラグヌスは食堂。ブランは噴水広場。アゼルは公園なの。
それぞれ、絡まれてるヒロインを助けてくれたり、探し物をしている攻略対象をヒロインが助けたりするんだけど。
何でか、サイードとしか出会えなかったの!
アゼル推しだけど、一応全員に会おうと本屋にも噴水にも行ったのに、どうして攻略対象たちと会えないの?
それに、サイードがすっごいマメに会いにくるんだけど?
何かおかしくない?確かゲームでは、出会いイベントのあとは、入学式まで会うことなかったはずなんだけど?
入学式で再会して、それが運命だと感じて2人の距離は縮まっていくはずなのに。
すっごい押せ押せで来るサイードにちょっとうんざりだった。だって、サイードが来るからアゼルと会えないのかもしれないんだもの。
でも、別にサイードも嫌いじゃない。そう思いながら、やっと入学式を迎えたの。
これで、アゼルと会える!
私に突き飛ばされたにも関わらず、手を差し伸べてくるヴィヴィに目を見開いた。
え?悪役令嬢の、ヴィヴィ・ヴァレリア公爵令嬢よね?
乙女ゲーム『秘密の恋~あなたの愛に溺れて~』は、私が前世で大好きでプレイしていたスマホゲームなの。
前世。
そう、私は日本人としての記憶を持っている。
女子高生だった私は、多分事故で死んだのだと思う。そのあたりの記憶は全然ないから絶対とは言えないけど、病気とかしてなかったし。
そして、前世で流行っていたライトノベルの定番である、乙女ゲームの世界への転生をしたみたい。
びっくりしたわ。目が覚めたら、髪と目がピンク色なんだもの。
そんなの、漫画やアニメの世界にしかないわよね。
でも、鏡に映ったビジュアルには見覚えがあった。
私が大好きだった乙女ゲームのヒロインそっくりだったんだもの。
乙女ゲーム『秘恋』の攻略対象は5人。
第2王子のサイード。宰相次男のユサール。騎士団長次男のラグヌス。魔術師団長次男のブラン。公爵家次男のアゼル。
私の一推しは、アゼル。ヒロインよりも1歳年上で、すっごく優しくて、ヒロインを甘やかせてくれるの。
乙女ゲームだから、当然悪役令嬢と呼ばれるライバルがいるの。
アゼルルートの悪役令嬢は、彼の妹のヴィヴィ。
銀色の髪と瞳の、すっごい綺麗な、お人形みたいな女の子。
ヒロインは可愛い系だけど、ヴィヴィは綺麗系なのよね。
アゼルにも婚約者はいるんだけど、何故か、サイード王子の婚約者で第2王子ルートの悪役令嬢のヴィヴィは、公爵家令息ルートでも悪役令嬢なの。
このゲームの舞台は王立学園なんだけど、舞台に上がる前に、街での攻略対象との出会いイベントがあるの。
それぞれと出会う場所は違っていて、サイードは小物屋。ユサールは本屋。ラグヌスは食堂。ブランは噴水広場。アゼルは公園なの。
それぞれ、絡まれてるヒロインを助けてくれたり、探し物をしている攻略対象をヒロインが助けたりするんだけど。
何でか、サイードとしか出会えなかったの!
アゼル推しだけど、一応全員に会おうと本屋にも噴水にも行ったのに、どうして攻略対象たちと会えないの?
それに、サイードがすっごいマメに会いにくるんだけど?
何かおかしくない?確かゲームでは、出会いイベントのあとは、入学式まで会うことなかったはずなんだけど?
入学式で再会して、それが運命だと感じて2人の距離は縮まっていくはずなのに。
すっごい押せ押せで来るサイードにちょっとうんざりだった。だって、サイードが来るからアゼルと会えないのかもしれないんだもの。
でも、別にサイードも嫌いじゃない。そう思いながら、やっと入学式を迎えたの。
これで、アゼルと会える!
23
お気に入りに追加
1,092
あなたにおすすめの小説
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
【完結】気付けばいつも傍に貴方がいる
kana
恋愛
ベルティアーナ・ウォール公爵令嬢はレフタルド王国のラシード第一王子の婚約者候補だった。
いつも令嬢を隣に侍らす王子から『声も聞きたくない、顔も見たくない』と拒絶されるが、これ幸いと大喜びで婚約者候補を辞退した。
実はこれは二回目人生だ。
回帰前のベルティアーナは第一王子の婚約者で、大人しく控えめ。常に貼り付けた笑みを浮かべて人の言いなりだった。
彼女は王太子になった第一王子の妃になってからも、弟のウィルダー以外の誰からも気にかけてもらえることなく公務と執務をするだけの都合のいいお飾りの妃だった。
そして白い結婚のまま約一年後に自ら命を絶った。
その理由と原因を知った人物が自分の命と引き換えにやり直しを望んだ結果、ベルティアーナの置かれていた環境が変わりることで彼女の性格までいい意味で変わることに⋯⋯
そんな彼女は家族全員で海を隔てた他国に移住する。
※ 投稿する前に確認していますが誤字脱字の多い作者ですがよろしくお願いいたします。
※ 設定ゆるゆるです。
あなたを忘れる魔法があれば
七瀬美緒
恋愛
乙女ゲームの攻略対象の婚約者として転生した私、ディアナ・クリストハルト。
ただ、ゲームの舞台は他国の為、ゲームには婚約者がいるという事でしか登場しない名前のないモブ。
私は、ゲームの強制力により、好きになった方を奪われるしかないのでしょうか――?
これは、「あなたを忘れる魔法があれば」をテーマに書いてみたものです――が、何か違うような??
R15、残酷描写ありは保険。乙女ゲーム要素も空気に近いです。
※小説家になろう、カクヨムにも掲載してます
婚約者に愛する人が出来たので、身を引く事にしました
Blue
恋愛
幼い頃から家族ぐるみで仲が良かったサーラとトンマーゾ。彼が学園に通うようになってしばらくして、彼から告白されて婚約者になった。サーラも彼を好きだと自覚してからは、穏やかに付き合いを続けていたのだが、そんな幸せは壊れてしまう事になる。
愛されなかった公爵令嬢のやり直し
ましゅぺちーの
恋愛
オルレリアン王国の公爵令嬢セシリアは、誰からも愛されていなかった。
母は幼い頃に亡くなり、父である公爵には無視され、王宮の使用人達には憐れみの眼差しを向けられる。
婚約者であった王太子と結婚するが夫となった王太子には冷遇されていた。
そんなある日、セシリアは王太子が寵愛する愛妾を害したと疑われてしまう。
どうせ処刑されるならと、セシリアは王宮のバルコニーから身を投げる。
死ぬ寸前のセシリアは思う。
「一度でいいから誰かに愛されたかった。」と。
目が覚めた時、セシリアは12歳の頃に時間が巻き戻っていた。
セシリアは決意する。
「自分の幸せは自分でつかみ取る!」
幸せになるために奔走するセシリア。
だがそれと同時に父である公爵の、婚約者である王太子の、王太子の愛妾であった男爵令嬢の、驚くべき真実が次々と明らかになっていく。
小説家になろう様にも投稿しています。
タイトル変更しました!大幅改稿のため、一部非公開にしております。
光の王太子殿下は愛したい
葵川真衣
恋愛
王太子アドレーには、婚約者がいる。公爵令嬢のクリスティンだ。
わがままな婚約者に、アドレーは元々関心をもっていなかった。
だが、彼女はあるときを境に変わる。
アドレーはそんなクリスティンに惹かれていくのだった。しかし彼女は変わりはじめたときから、よそよそしい。
どうやら、他の少女にアドレーが惹かれると思い込んでいるようである。
目移りなどしないのに。
果たしてアドレーは、乙女ゲームの悪役令嬢に転生している婚約者を、振り向かせることができるのか……!?
ラブラブを望む王太子と、未来を恐れる悪役令嬢の攻防のラブ(?)コメディ。
☆完結しました。ありがとうございました。番外編等、不定期更新です。
王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です
婚約破棄の『めでたしめでたし』物語
サイトウさん
恋愛
必ず『その後は、国は栄え、2人は平和に暮らしました。めでたし、めでたし』で終わる乙女ゲームの世界に転生した主人公。
この物語は本当に『めでたしめでたし』で終わるのか!?
プロローグ、前編、中篇、後編の4話構成です。
貴族社会の恋愛話の為、恋愛要素は薄めです。ご期待している方はご注意下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる