9 / 88
第1章
宰相子息の攻略
しおりを挟む
アゼルに頼んで、宰相の次男であるユサール・シュルファスの動向を探ってもらった。
ちなみにシスコン兄は、何故ユサールのことを知りたがるのかと聞いてきたので、一応婚約者の側近候補だから、婚約者が馬鹿なことをした場合に証拠集めをする駒にしたいのだと伝えた。
駒というのが気に入ったのか、アゼルは嬉々としてユサールのことを調べてきた。
うん。ちなみにアゼルも駒だけどね。もっとも、他の攻略対象と違って、家族としての情もあるけど。
乙女ゲームでは、王子ルートと公爵子息ルートの悪役令嬢は私なんだけど、その他のルートでは別に悪役令嬢がいる。
それはそうだ。関係のない宰相子息たちの断罪にまで巻き込まれてたまるか。
ちなみに、ユサールのルートの悪役令嬢は、セディア・レディアン侯爵令嬢。
鳶色の髪と瞳の、成績優秀で読書が大好きなご令嬢。
ユサールは魔法も剣術もイマイチで、勉強にしか取り柄がないから、自分よりも優秀なセディア令嬢を疎ましく思っているのよね。
悔しいなら、もっともっと勉強すればいいのに。
彼の兄のユベールもあまり剣術や魔法には特化してないみたいだけど、ずっと努力して鍛錬しているってキャラ設定には書いてた。
ユベールの婚約者はアネモネ公爵家のご令嬢のフレデリカで、彼女もとても優秀な方らしいから、シュルファス家は安泰よね。
とにかく、優秀で勤勉な兄と婚約者に劣等感を抱いているユサールには、せめて得意分野の勉強を頑張る方向にシフトしてもらうつもり。
いじけるのは勝手だけど、ヒロインに「ユサール様は頑張ってます」とか言われて傾倒した挙句、セディア令嬢を断罪なんかさせてたまるか。
私はユサールがいつもいるという、王宮の図書室へと向かった。
ちなみに王宮の図書室は、ちゃんと申請すれば、貴族なら利用できる。
ユサールも学園に入学してからは、学園の図書室を利用していたけど。ユサールとセディア令嬢との交流は基本図書室だった。
まぁ、ユサールはヒロインに攻略されてからは、図書室に行かなくなるんだけど。
ユサールは馬鹿なのかな。
セディア令嬢は、ユサールが頑張っていないなんて言ったことないのに。むしろ黙ってずっと見守ってた。
大体、結果が付いてきてないんだから、頑張ってると認められるわけがない。
貴族は結果が全てなんだから。
頑張ってたけど、領の経営うまくいかなかったよ~とかで済むわけがない。領民の生活は領主にかかっていることが公爵家の子息なのにわかってないのかな?
ヒロインに攻略されて、ざまあされる運命にしてやってもいいけど、どうもセディア令嬢はユサールのこと好きっぽいのよね。
だって、今も王宮の図書室で、ユサールとは離れた位置からずっとユサールのことを見つめている。
恋する乙女の味方ではいないとね。
ちなみにシスコン兄は、何故ユサールのことを知りたがるのかと聞いてきたので、一応婚約者の側近候補だから、婚約者が馬鹿なことをした場合に証拠集めをする駒にしたいのだと伝えた。
駒というのが気に入ったのか、アゼルは嬉々としてユサールのことを調べてきた。
うん。ちなみにアゼルも駒だけどね。もっとも、他の攻略対象と違って、家族としての情もあるけど。
乙女ゲームでは、王子ルートと公爵子息ルートの悪役令嬢は私なんだけど、その他のルートでは別に悪役令嬢がいる。
それはそうだ。関係のない宰相子息たちの断罪にまで巻き込まれてたまるか。
ちなみに、ユサールのルートの悪役令嬢は、セディア・レディアン侯爵令嬢。
鳶色の髪と瞳の、成績優秀で読書が大好きなご令嬢。
ユサールは魔法も剣術もイマイチで、勉強にしか取り柄がないから、自分よりも優秀なセディア令嬢を疎ましく思っているのよね。
悔しいなら、もっともっと勉強すればいいのに。
彼の兄のユベールもあまり剣術や魔法には特化してないみたいだけど、ずっと努力して鍛錬しているってキャラ設定には書いてた。
ユベールの婚約者はアネモネ公爵家のご令嬢のフレデリカで、彼女もとても優秀な方らしいから、シュルファス家は安泰よね。
とにかく、優秀で勤勉な兄と婚約者に劣等感を抱いているユサールには、せめて得意分野の勉強を頑張る方向にシフトしてもらうつもり。
いじけるのは勝手だけど、ヒロインに「ユサール様は頑張ってます」とか言われて傾倒した挙句、セディア令嬢を断罪なんかさせてたまるか。
私はユサールがいつもいるという、王宮の図書室へと向かった。
ちなみに王宮の図書室は、ちゃんと申請すれば、貴族なら利用できる。
ユサールも学園に入学してからは、学園の図書室を利用していたけど。ユサールとセディア令嬢との交流は基本図書室だった。
まぁ、ユサールはヒロインに攻略されてからは、図書室に行かなくなるんだけど。
ユサールは馬鹿なのかな。
セディア令嬢は、ユサールが頑張っていないなんて言ったことないのに。むしろ黙ってずっと見守ってた。
大体、結果が付いてきてないんだから、頑張ってると認められるわけがない。
貴族は結果が全てなんだから。
頑張ってたけど、領の経営うまくいかなかったよ~とかで済むわけがない。領民の生活は領主にかかっていることが公爵家の子息なのにわかってないのかな?
ヒロインに攻略されて、ざまあされる運命にしてやってもいいけど、どうもセディア令嬢はユサールのこと好きっぽいのよね。
だって、今も王宮の図書室で、ユサールとは離れた位置からずっとユサールのことを見つめている。
恋する乙女の味方ではいないとね。
90
お気に入りに追加
1,210
あなたにおすすめの小説

村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。

【完結】今世も裏切られるのはごめんなので、最愛のあなたはもう要らない
曽根原ツタ
恋愛
隣国との戦時中に国王が病死し、王位継承権を持つ男子がひとりもいなかったため、若い王女エトワールは女王となった。だが──
「俺は彼女を愛している。彼女は俺の子を身篭った」
戦場から帰還した愛する夫の隣には、別の女性が立っていた。さらに彼は、王座を奪うために女王暗殺を企てる。
そして。夫に剣で胸を貫かれて死んだエトワールが次に目が覚めたとき、彼と出会った日に戻っていて……?
──二度目の人生、私を裏切ったあなたを絶対に愛しません。
★小説家になろうさまでも公開中

【完結】婚約者様、王女様を優先するならお好きにどうぞ
曽根原ツタ
恋愛
オーガスタの婚約者が王女のことを優先するようになったのは――彼女の近衛騎士になってからだった。
婚約者はオーガスタとの約束を、王女の護衛を口実に何度も破った。
美しい王女に付きっきりな彼への不信感が募っていく中、とある夜会で逢瀬を交わすふたりを目撃したことで、遂に婚約解消を決意する。
そして、その夜会でたまたま王子に会った瞬間、前世の記憶を思い出し……?
――病弱な王女を優先したいなら、好きにすればいいですよ。私も好きにしますので。

【完結】断罪された悪役令嬢は、全てを捨てる事にした
miniko
恋愛
悪役令嬢に生まれ変わったのだと気付いた時、私は既に王太子の婚約者になった後だった。
婚約回避は手遅れだったが、思いの外、彼と円満な関係を築く。
(ゲーム通りになるとは限らないのかも)
・・・とか思ってたら、学園入学後に状況は激変。
周囲に疎まれる様になり、まんまと卒業パーティーで断罪&婚約破棄のテンプレ展開。
馬鹿馬鹿しい。こんな国、こっちから捨ててやろう。
冤罪を晴らして、意気揚々と単身で出国しようとするのだが、ある人物に捕まって・・・。
強制力と言う名の運命に翻弄される私は、幸せになれるのか!?
※感想欄はネタバレあり/なし の振り分けをしていません。本編より先にお読みになる場合はご注意ください。

愛せないですか。それなら別れましょう
黒木 楓
恋愛
「俺はお前を愛せないが、王妃にはしてやろう」
婚約者バラド王子の発言に、 侯爵令嬢フロンは唖然としてしまう。
バラド王子は、フロンよりも平民のラミカを愛している。
そしてフロンはこれから王妃となり、側妃となるラミカに従わなければならない。
王子の命令を聞き、フロンは我慢の限界がきた。
「愛せないですか。それなら別れましょう」
この時バラド王子は、ラミカの本性を知らなかった。

願いの代償
らがまふぃん
恋愛
誰も彼もが軽視する。婚約者に家族までも。
公爵家に生まれ、王太子の婚約者となっても、誰からも認められることのないメルナーゼ・カーマイン。
唐突に思う。
どうして頑張っているのか。
どうして生きていたいのか。
もう、いいのではないだろうか。
メルナーゼが生を諦めたとき、世界の運命が決まった。
*ご都合主義です。わかりづらいなどありましたらすみません。笑って読んでくださいませ。本編15話で完結です。番外編を数話、気まぐれに投稿します。よろしくお願いいたします。
※ありがたいことにHOTランキング入りいたしました。たくさんの方の目に触れる機会に感謝です。本編は終了しましたが、番外編も投稿予定ですので、気長にお付き合いくださると嬉しいです。たくさんのお気に入り登録、しおり、エール、いいねをありがとうございます。R7.1/31

婚約解消したら後悔しました
せいめ
恋愛
別に好きな人ができた私は、幼い頃からの婚約者と婚約解消した。
婚約解消したことで、ずっと後悔し続ける令息の話。
ご都合主義です。ゆるい設定です。
誤字脱字お許しください。

愛のない貴方からの婚約破棄は受け入れますが、その不貞の代償は大きいですよ?
日々埋没。
恋愛
公爵令嬢アズールサは隣国の男爵令嬢による嘘のイジメ被害告発のせいで、婚約者の王太子から婚約破棄を告げられる。
「どうぞご自由に。私なら傲慢な殿下にも王太子妃の地位にも未練はございませんので」
しかし愛のない政略結婚でこれまで冷遇されてきたアズールサは二つ返事で了承し、晴れて邪魔な婚約者を男爵令嬢に押し付けることに成功する。
「――ああそうそう、殿下が入れ込んでいるそちらの彼女って実は〇〇ですよ? まあ独り言ですが」
嘘つき男爵令嬢に騙された王太子は取り返しのつかない最期を迎えることになり……。
※この作品は過去に公開したことのある作品に修正を加えたものです。
またこの作品とは別に、他サイトでも本作を元にしたリメイク作を別のペンネー厶で公開していますがそのことをあらかじめご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる