乙女ゲームが始まってるらしいです〜私はあなたと恋をする〜

みおな

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やっぱり来ると思った

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「プリンかショートケーキ・・・分かった。次は準備しておく」

 何故かハルト様がそう呟き、エミリオ殿下たちはリリーに何が好きかと尋ねていた。

 無視されてたけど。

 あとで、リリーはチーズケーキとフルーツタルトが好きだと教えといてあげよう。

 攻略対象たちがリリーを誘ってくれたから、ハルト様とのランチという至福の時を過ごすことができたんだし。

 そして、午後の授業を終え帰り支度を始めた頃、やっぱり来た。

「ブロッサム様たち、ちょっとよろしくて?」

 公爵家のご令嬢を筆頭に六人のご令嬢たちが私とリリーの前に立っている。

 やっぱなぁ。来ると思ってたんだわ。

 食堂でめっちゃ視線感じたもん。

 見てたのならリリーが嫌がってたのもわかるはずだけど、多分彼女たちにはそんなの関係ないんだろうなぁ。

「なんでしょうか?」

「貴女たち、ランチを殿下たちと特別室で取られたって本当かしら?ちょっと図々しいのではなくて?」

「私たちが望・・・モゴモゴ・・むぐ・・・」

 慌ててリリーの口を塞ぐ。

 気持ちはわかる。わかるけど、それ言っちゃ駄目なやつ。

 火に油注ぐやつだから!

「えーと、すみません~。私たちもぉ、遠慮しようと思ってたんですけど、えーと、なんか学園生活に問題がないか聞き取り調査?みたいなのしてたみたいでぇ。だからぁ、えーと、そのうち皆様も呼ばれるかもしれないですよぉ?」

「え?わ、私たちもランチを?」

「わかんないですけどぉ。とにかく私たちは呼ばれただけなんで。詳しいことは殿下たちにお聞きください。ではっ!」

 ここは逃げるが勝ちだわ。

 とりあえず口から出まかせで、適当なこと言ったけど、あとは殿下たちに丸投げしよう。

 そもそもリリーなんて行きたくなかったのに、エルガルドが無理強いしたんだし、あっちが責任取るべきよね。

 何とかご令嬢方を丸め込んでもらわないと。

「ぷはぁ。リラぁ」

「あ、ごめん。口塞いでたの忘れてた」

「なんで止めたの?あんな嘘ついてバレたらまた言いがかり付けてくるよ?」

「まぁそうなんだけど。あの場で私たちが望んだわけじゃないって言ったら、余計にヒートアップするよ?殿下たちが臨機応変に対応してくれるかどうかはわからないけど、してくれなかったら今度誘われた時に、そのことで断りやすいじゃない」

 多分だけど、エミリオ殿下は彼女たちをうまく丸め込むと思う。

 腹黒らしいエルガルドもいることだし、なんとかする気がする。

 私としては・・・

 至福の時間だったけど、次もいるとは限らないし、リリーがイライラするから次はなくても良いかな。



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