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愚か者たちのその後③

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「いやっ!やめてよ!私はなのよっ!」

 の少女の言葉に、周囲の男たちは大声で笑った。

「いつまで貴族気取りだ?ここに送られた時点で、お前は貴族でも平民でもない。ただのなんだよ」

「ち、違うわっ!こ、これはお姉様が私に意地悪して・・・」

「はっ。意地悪で採石場ここに送る人間なんざいねぇよ。ここは入れば死体になっても出ることができない場所なんだから」

 死体になっても出れないという言葉に、アネッタは顔を真っ青にさせる。

「そんなっ・・・!そんなの嘘よっ!お母様はっ?ダミアン様はどこっ?」

「ダミアン?ああ!俺、看守から聞いたぜ。様が、罪人としてここに送られてくるって」

「へぇ。何をやらかしたんだ?その王太子様とやらは」

「罪人の女と懇意になって、婚約者に冤罪をかけたとか何とか。その罪人がコイツなんじゃないか?」

 周囲の男たちの言葉に、アネッタはブルブルと震える。

 そんなつもりはなかった。

 そんなこと知らなかった。

 何度そう言っても、お父様も誰も許してくれなかった。

 ううん。お父様じゃない。
公爵様と呼べって、騎士の人たちが言ってた。

 猿轡をかまされて、ミノムシみたいにぐるぐる巻きにされて採石場ここに連れてこられた。

 ボロい布切れの、上からかぶるだけの服。
 靴もなくて、石だらけの土の上を一歩踏み出すだけで足が痛くてしゃがみ込む。

 誰も歩けとは言わない。
だからその場に座り込んだ。

 周りの人は黙々と、両手で石を抱えて歩いている。

 その日の夜、アネッタには食事が与えられなかった。

 働いていないのだから当然だ。

 アネッタがどれだけ叫んでも、周囲は全くの無視。

 採石場ここの人間は、入ったばかりの罪人が喚き散らすことに慣れていた。

 三日も食事を摂れなければ、おとなしくなる。

 案の定、アネッタも二日目の夜には大人しくなった。

 人間、水を飲んでいればすぐに死ぬことはないが、栄養を摂れなければ弱って死ぬ。

 採石場では、貴族のような豪華な食事が出るわけではないが、一般的な平民が取るような食事は出る。

 酒などの嗜好品はないが、キチンと働けば一日二食のそこそこの食事が取れるため、長くいる罪人たちは真面目に働く。

 どうせ死ぬまで、いや死んでもここから出ることは叶わない。

 それなら、やることさえちゃんとやれば僅かなを持てる。

 それは人によって、食事であり、睡眠であり、いつもと変わらない日常であり、性の発散である。

 二日目の夜、食事の対価にアネッタは男たちに組み敷かれた。
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