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馬鹿は何回言っても馬鹿な件③
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ジェニッタは暴行罪に不敬罪と身分詐称罪、アネッタは窃盗罪に身分詐称罪と虚偽罪をダグラスから言い渡される。
二人は床に座り込んで、呆然としていた。
騎士たちに縄で縛られてもされるがままだ。
一つ息を吐いたダグラスに視線を向けられ、ダミアンはピクリと体を震わせる。
「殿下。正確に言いますとすでに廃籍されて平民となられていますからダミアン殿と呼ばせてもらいます。本当は呼び捨てにしたいところですがね。ダミアン殿の望み通り我が娘との婚約はなくなり、そこの平民の娘との婚約が王命で成立しました。そこは理解していますね?」
「あ、いや、僕はルーナと・・・」
「ダミアン殿が望んで婚約破棄をしたんでしょう?そもそも王家と公爵家の契約である婚約を、当主の許可なく破棄するなど、許されないことですがね。ルーナの温情により、お望み通りそこの娘と結婚できますよ」
「・・・」
ダグラスの有無を言わせない物言いに、ダミアンの背中には冷たい汗が流れた。
ダミアン自身は、ルーナと婚約破棄などするつもりはなかったのだ。
それを告げて、ルーナが悲しそうな顔をするか、自分に縋り付いてくるのを楽しみに告げただけで。
それに、アネッタのことは可愛いと思うが、ただそれだけだ。
愛妾にはいいかもしれないが、ルーナと比べるべくもない。
ダミアンの頭の中では、マズいマズいマズいとエンドレスに流れていた。
しかも、先ほどからの話を聞いていると、ジェニッタもアネッタも平民だというではないか。
冗談ではない。
高貴な自分が平民と結婚することなど、絶対にあり得ない。
それになんだか罪状を告げられていた。つまりは犯罪者ということだ。
犯罪者など、愛妾にもしたくない。
だが王命と言っていた。
それに、父親である国王陛下からハッキリと「廃籍した。明日の朝、辺境伯のところへ送る」と言われたことが、珍しくダミアンの頭の中にギリギリ残っていた。
このままでは、明日の朝にアネッタとともに辺境伯領に向かわなければならない。
ダミアンは、母親の従弟であるラインハルト・ゼルビア辺境伯のことが苦手だった。
母もそうだが厳格過ぎて、何かにつけて叱られるので近寄りたくないのだ、
それに、婚約者になったばかりのルーナが、キラキラした瞳でラインハルトを見ていたことも気に食わなかった。
ここは、ルーナから自分との婚約を継続したいと訴えてもらおう。
娘の願いならヴァレリア公爵も頷くだろうし、父上たちにも口を聞いてくれるだろう。
そう考えたダミアンは、勢いよくルーナに向かって顔を上げた。
二人は床に座り込んで、呆然としていた。
騎士たちに縄で縛られてもされるがままだ。
一つ息を吐いたダグラスに視線を向けられ、ダミアンはピクリと体を震わせる。
「殿下。正確に言いますとすでに廃籍されて平民となられていますからダミアン殿と呼ばせてもらいます。本当は呼び捨てにしたいところですがね。ダミアン殿の望み通り我が娘との婚約はなくなり、そこの平民の娘との婚約が王命で成立しました。そこは理解していますね?」
「あ、いや、僕はルーナと・・・」
「ダミアン殿が望んで婚約破棄をしたんでしょう?そもそも王家と公爵家の契約である婚約を、当主の許可なく破棄するなど、許されないことですがね。ルーナの温情により、お望み通りそこの娘と結婚できますよ」
「・・・」
ダグラスの有無を言わせない物言いに、ダミアンの背中には冷たい汗が流れた。
ダミアン自身は、ルーナと婚約破棄などするつもりはなかったのだ。
それを告げて、ルーナが悲しそうな顔をするか、自分に縋り付いてくるのを楽しみに告げただけで。
それに、アネッタのことは可愛いと思うが、ただそれだけだ。
愛妾にはいいかもしれないが、ルーナと比べるべくもない。
ダミアンの頭の中では、マズいマズいマズいとエンドレスに流れていた。
しかも、先ほどからの話を聞いていると、ジェニッタもアネッタも平民だというではないか。
冗談ではない。
高貴な自分が平民と結婚することなど、絶対にあり得ない。
それになんだか罪状を告げられていた。つまりは犯罪者ということだ。
犯罪者など、愛妾にもしたくない。
だが王命と言っていた。
それに、父親である国王陛下からハッキリと「廃籍した。明日の朝、辺境伯のところへ送る」と言われたことが、珍しくダミアンの頭の中にギリギリ残っていた。
このままでは、明日の朝にアネッタとともに辺境伯領に向かわなければならない。
ダミアンは、母親の従弟であるラインハルト・ゼルビア辺境伯のことが苦手だった。
母もそうだが厳格過ぎて、何かにつけて叱られるので近寄りたくないのだ、
それに、婚約者になったばかりのルーナが、キラキラした瞳でラインハルトを見ていたことも気に食わなかった。
ここは、ルーナから自分との婚約を継続したいと訴えてもらおう。
娘の願いならヴァレリア公爵も頷くだろうし、父上たちにも口を聞いてくれるだろう。
そう考えたダミアンは、勢いよくルーナに向かって顔を上げた。
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