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続く叱責
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「私も、ジョージアナ伯爵の意見に賛成だわ」
マリンティア様がそうおっしゃられ、隣に座られたジュリアン王太子殿下も頷かれます。
ターナー様は、南にある修道院に行かれました。
マリンティア様と王宮でお茶をいただきながら、お父様に叱責されたことをお話したら、お二人も同意見だと。
「ねぇ、アリス。私はアリスが好きよ。貴女は優しくて、思いやりがあるわ。でも、思いやりがあるのと、自分の言動に責任を持たないのは、全く別のものよ?今のままだと、アリスは本当に大切なものを全て失ってしまうわよ」
「僕もそう思う。君の優しさは美徳だ。君のおかげで、僕はマリンティアと婚約できた。そのことは感謝している。だけど、誰にでもいい顔をすることは、良いことじゃない。時には厳しく対応することは、貴族として当然のことだ。僕は、カインのことを精霊王だからではなく、友人としてとても大事に思っているから・・・はっきり言って今の君はカインに相応しくないと思える」
今、この場所にはアエラスくんがいます。
マリンティア様には見えませんが、ジュリアン王太子殿下にはアエラスくんの姿が見えているはず。
精霊様たちは、精霊王様であるカイン様の番である私を大切にしてくださっています。
だからこそ、ターナー様の発言もカイン様にご報告されたのでしょう。
私への発言がカイン様に伝わることをご承知の上で、殿下ははっきりと私を否定されました。
アエラスくんたち精霊様が、私を否定しないのは、カイン様の番だからです。
精霊様たちにとって、精霊王様であるカイン様は絶対無二のお方。
だから、私には好意を示して下さるのです。
そして、精霊様たちには、善悪の区別はないのだそうです。
あるのは好きか嫌いか。
ですから、番をいじめたターナー様は嫌いという判断になったのだそうです。
私は・・・
幼い頃から、お母様を亡くしていたこともあってとてもお父様に甘やかされて育ちました。
我儘など言わなくても、私の望みは叶えて下さいました。
一人娘である私はジョージアナ伯爵家を継ぐものとして、伴侶となる方に婿に来ていただく。
そのことで、私は、ずっと生まれ育った伯爵家から出ることもなく、私を幼い頃から大切にしてくれるお父様や使用人たちと離れることもない。
そんな、傲慢な甘えがあったのでしょう。
マリンティア様とお友達になれたことも、決して私が優れていたからではなく、同じ年頃のご令嬢がいなかっただけ。
そう言いながら、マリンティア様に大切に扱われることに甘えがあったのです。
誰も私を『否定』しなかったから?
いいえ。否定されればウジウジとするばかりで、何も変わろうとしなかったから、私は・・・
私は大切なものを失うのでしょう。
マリンティア様がそうおっしゃられ、隣に座られたジュリアン王太子殿下も頷かれます。
ターナー様は、南にある修道院に行かれました。
マリンティア様と王宮でお茶をいただきながら、お父様に叱責されたことをお話したら、お二人も同意見だと。
「ねぇ、アリス。私はアリスが好きよ。貴女は優しくて、思いやりがあるわ。でも、思いやりがあるのと、自分の言動に責任を持たないのは、全く別のものよ?今のままだと、アリスは本当に大切なものを全て失ってしまうわよ」
「僕もそう思う。君の優しさは美徳だ。君のおかげで、僕はマリンティアと婚約できた。そのことは感謝している。だけど、誰にでもいい顔をすることは、良いことじゃない。時には厳しく対応することは、貴族として当然のことだ。僕は、カインのことを精霊王だからではなく、友人としてとても大事に思っているから・・・はっきり言って今の君はカインに相応しくないと思える」
今、この場所にはアエラスくんがいます。
マリンティア様には見えませんが、ジュリアン王太子殿下にはアエラスくんの姿が見えているはず。
精霊様たちは、精霊王様であるカイン様の番である私を大切にしてくださっています。
だからこそ、ターナー様の発言もカイン様にご報告されたのでしょう。
私への発言がカイン様に伝わることをご承知の上で、殿下ははっきりと私を否定されました。
アエラスくんたち精霊様が、私を否定しないのは、カイン様の番だからです。
精霊様たちにとって、精霊王様であるカイン様は絶対無二のお方。
だから、私には好意を示して下さるのです。
そして、精霊様たちには、善悪の区別はないのだそうです。
あるのは好きか嫌いか。
ですから、番をいじめたターナー様は嫌いという判断になったのだそうです。
私は・・・
幼い頃から、お母様を亡くしていたこともあってとてもお父様に甘やかされて育ちました。
我儘など言わなくても、私の望みは叶えて下さいました。
一人娘である私はジョージアナ伯爵家を継ぐものとして、伴侶となる方に婿に来ていただく。
そのことで、私は、ずっと生まれ育った伯爵家から出ることもなく、私を幼い頃から大切にしてくれるお父様や使用人たちと離れることもない。
そんな、傲慢な甘えがあったのでしょう。
マリンティア様とお友達になれたことも、決して私が優れていたからではなく、同じ年頃のご令嬢がいなかっただけ。
そう言いながら、マリンティア様に大切に扱われることに甘えがあったのです。
誰も私を『否定』しなかったから?
いいえ。否定されればウジウジとするばかりで、何も変わろうとしなかったから、私は・・・
私は大切なものを失うのでしょう。
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