決めたのはあなたでしょう?

みおな

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学園に戻ります

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 今日から学園に戻ります。
特例でのお休みでしたから、いつまでも休んでいるわけにはいきません。

 とお話しましたら、カイン様がとても不機嫌になってしまわれました。

 さすがに、カイン様が学園に通うのは無理ですわ。

 クリスティアン殿下と同い年くらいに見えますもの。

 あのままサイードさんたちが学園に残っていらしたら、通わないという選択もあったそうなのですが、学園にはお友達もいますし、いずれ家を継ぐのなら、人脈作りは大切です。

「カイン様。たった三年ですわ」

「三年間も休暇以外の昼間は、アリス嬢と一緒にいられないのか」

「私は家を継ぎますから、人脈作りは大切なのです。それでも、学園が終われば同じ屋敷にいるのですから。ね?」

 普通の婚約者は週末や休暇の時でないと、中々時間が取れません。

 カイン様とは同じ屋敷に住んでいるのですから、他の婚約者の方々よりは会えると思うのです。

 同じ学園生でも、学年ごとに建屋が違いますけど、もうサイードさんたちもいないことですし、食堂など共同の場にも赴くようにいたしましょう。

「アリス。それならカイン殿に送り迎えをしてもらいなさい」

「え?お父様?そんなのカイン様のご迷惑ですわ」

「いや。お前にはカイン様がいるというアピールにもなる。お願いしなさい」

 アピールですか?
意味がよくわかりません。

 そんな気持ちが、顔に出ていたのでしょう。お父様はため息を吐かれました。

「アリス。お前とスペンサー侯爵家の婚約は解消された。下位貴族は知らんが、高位貴族には知れ渡っている。次男や三男という入婿希望の子息たちは、お前との接触を図ろうとするだろう」

「そう・・・なのですね?」

 私は学園に入る前にサイードさんと婚約していましたから、他のご子息と交流することはありませんでした。

 ですが、確かにたとえ公爵家といえど、長子でない限りは、功績を上げて騎士爵を得るか、どこかに婿に入る必要があります。

 私は、カイン様とは婚約していませんから、そういう申し込みをして来られる方もいらっしゃるかもしれません。

「カイン様。お願いしてもよろしいですか?」

「もちろんだ。こちらからお願いしたいくらいだ」

 私は、カイン様と婚約はしていませんが、婚約するとしたらカイン様が良いと思っています。

 友達からなんて面倒なことを言う私を、私がカイン様への気持ちに向き合えるまで、待ってくださっているんですもの。

 カイン様と婚約できないのなら他の方との縁も結ばなければいけませんが、カイン様が私を裏切ることはない、それは信じています。

 ですから、他の方にカイン様の存在をアピールする機会になるのなら、お願いしたいですわ。





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