決めたのはあなたでしょう?

みおな

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みんなの望み

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 スペンサー侯爵家とゾナトフ元男爵家からは、改めて謝罪をされました。

 すでに勘当しているとはいえ、あそこまで愚かだったとはと、皆様お顔を顰められていました。

 もちろん、謝罪はお受けしましたわ。
もうあそこまでいくと、子育ての失敗とかの問題ではないと思いますの。

 本人の資質です。
そして、サイード様・・・サイードさんの仮面に、未熟な私が気付かなかった。そういうことですわ。

 私は、次期侯爵なのですから、もっともっと、人を見る目を養わなければなりません。

「アリス。ここは夫婦の寝室だから、落ち着いた装飾の方がいいわ」

「夫婦の・・・」

 私はマリンティア様と、新しい屋敷に置く家具などのお話をしております。

 マリンティア様はサザンスィート王国へ嫁がれるのが半年後のため、急ピッチで婚姻準備が進められています。

 私と、こんなことをしている余裕はないはずなのですが。

「マリンティア様はどんな家具をお持ちになりますの?」

「私のは、ジュリアンお兄・・・ジュリアン様のお母様とうちのお母様が盛り上がってしまって、私に口出しさせてくれないの。まぁ、向こうに行ってから、気に入らなければ少しずつ変えていくわ」

 マリンティア様はそう言って、苦笑いをされます。

 そうなのですね。
お二人の王妃様が主体では、誰も太刀打ちできませんわね。

「それに、サザンスィート王家に嫁ぐ花嫁の衣装は決まっているのよ。代々、王妃様が嫁がれた衣装を引き継ぐの。もちろん、修復されたり、サイズ直しをしたりはするけど」

「そうなのですね。マリンティア様の花嫁姿は素敵でしょうね」

「何言ってるの。アリスだって、絶対に可愛いわ。アリスの結婚式には絶対絶対絶対絶対絶対絶対、絶対に招待してね」

 マリンティア様。
絶対が多すぎます。もちろん、ご招待はするつもりです。マリンティア様は私の大切な方ですから。

 でも・・・

「結婚・・・ですか」

「なぁに?ベルスィート様のこと、好きになれそうにない?」

「い、いえ。精霊王様の番になれるなんて、光栄なことだと思います。それに、精霊様たちの加護をいただけたら、このレンブラント王国も豊かになりますし」

 アエラスくんたちもみんな優しいですし、一緒にいられるのは楽しいです。

「違うわ、アリス。この国が豊かになるのは確かに王族やこの国の貴族として嬉しいことだけど、そんなことよりも、アリスが望まないのなら、断ったってかまわないのよ」

「マリンティア様」

「私たちが望んでるのは、アリス本人の幸せなの。アリスが望まないのなら、私たちどんなことでもするわ」

 私本人の幸せ?




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