67 / 82
みんなの望み
しおりを挟む
スペンサー侯爵家とゾナトフ元男爵家からは、改めて謝罪をされました。
すでに勘当しているとはいえ、あそこまで愚かだったとはと、皆様お顔を顰められていました。
もちろん、謝罪はお受けしましたわ。
もうあそこまでいくと、子育ての失敗とかの問題ではないと思いますの。
本人の資質です。
そして、サイード様・・・サイードさんの仮面に、未熟な私が気付かなかった。そういうことですわ。
私は、次期侯爵なのですから、もっともっと、人を見る目を養わなければなりません。
「アリス。ここは夫婦の寝室だから、落ち着いた装飾の方がいいわ」
「夫婦の・・・」
私はマリンティア様と、新しい屋敷に置く家具などのお話をしております。
マリンティア様はサザンスィート王国へ嫁がれるのが半年後のため、急ピッチで婚姻準備が進められています。
私と、こんなことをしている余裕はないはずなのですが。
「マリンティア様はどんな家具をお持ちになりますの?」
「私のは、ジュリアンお兄・・・ジュリアン様のお母様とうちのお母様が盛り上がってしまって、私に口出しさせてくれないの。まぁ、向こうに行ってから、気に入らなければ少しずつ変えていくわ」
マリンティア様はそう言って、苦笑いをされます。
そうなのですね。
お二人の王妃様が主体では、誰も太刀打ちできませんわね。
「それに、サザンスィート王家に嫁ぐ花嫁の衣装は決まっているのよ。代々、王妃様が嫁がれた衣装を引き継ぐの。もちろん、修復されたり、サイズ直しをしたりはするけど」
「そうなのですね。マリンティア様の花嫁姿は素敵でしょうね」
「何言ってるの。アリスだって、絶対に可愛いわ。アリスの結婚式には絶対絶対絶対絶対絶対絶対、絶対に招待してね」
マリンティア様。
絶対が多すぎます。もちろん、ご招待はするつもりです。マリンティア様は私の大切な方ですから。
でも・・・
「結婚・・・ですか」
「なぁに?ベルスィート様のこと、好きになれそうにない?」
「い、いえ。精霊王様の番になれるなんて、光栄なことだと思います。それに、精霊様たちの加護をいただけたら、このレンブラント王国も豊かになりますし」
アエラスくんたちもみんな優しいですし、一緒にいられるのは楽しいです。
「違うわ、アリス。この国が豊かになるのは確かに王族やこの国の貴族として嬉しいことだけど、そんなことよりも、アリスが望まないのなら、断ったってかまわないのよ」
「マリンティア様」
「私たちが望んでるのは、アリス本人の幸せなの。アリスが望まないのなら、私たちどんなことでもするわ」
私本人の幸せ?
すでに勘当しているとはいえ、あそこまで愚かだったとはと、皆様お顔を顰められていました。
もちろん、謝罪はお受けしましたわ。
もうあそこまでいくと、子育ての失敗とかの問題ではないと思いますの。
本人の資質です。
そして、サイード様・・・サイードさんの仮面に、未熟な私が気付かなかった。そういうことですわ。
私は、次期侯爵なのですから、もっともっと、人を見る目を養わなければなりません。
「アリス。ここは夫婦の寝室だから、落ち着いた装飾の方がいいわ」
「夫婦の・・・」
私はマリンティア様と、新しい屋敷に置く家具などのお話をしております。
マリンティア様はサザンスィート王国へ嫁がれるのが半年後のため、急ピッチで婚姻準備が進められています。
私と、こんなことをしている余裕はないはずなのですが。
「マリンティア様はどんな家具をお持ちになりますの?」
「私のは、ジュリアンお兄・・・ジュリアン様のお母様とうちのお母様が盛り上がってしまって、私に口出しさせてくれないの。まぁ、向こうに行ってから、気に入らなければ少しずつ変えていくわ」
マリンティア様はそう言って、苦笑いをされます。
そうなのですね。
お二人の王妃様が主体では、誰も太刀打ちできませんわね。
「それに、サザンスィート王家に嫁ぐ花嫁の衣装は決まっているのよ。代々、王妃様が嫁がれた衣装を引き継ぐの。もちろん、修復されたり、サイズ直しをしたりはするけど」
「そうなのですね。マリンティア様の花嫁姿は素敵でしょうね」
「何言ってるの。アリスだって、絶対に可愛いわ。アリスの結婚式には絶対絶対絶対絶対絶対絶対、絶対に招待してね」
マリンティア様。
絶対が多すぎます。もちろん、ご招待はするつもりです。マリンティア様は私の大切な方ですから。
でも・・・
「結婚・・・ですか」
「なぁに?ベルスィート様のこと、好きになれそうにない?」
「い、いえ。精霊王様の番になれるなんて、光栄なことだと思います。それに、精霊様たちの加護をいただけたら、このレンブラント王国も豊かになりますし」
アエラスくんたちもみんな優しいですし、一緒にいられるのは楽しいです。
「違うわ、アリス。この国が豊かになるのは確かに王族やこの国の貴族として嬉しいことだけど、そんなことよりも、アリスが望まないのなら、断ったってかまわないのよ」
「マリンティア様」
「私たちが望んでるのは、アリス本人の幸せなの。アリスが望まないのなら、私たちどんなことでもするわ」
私本人の幸せ?
29
お気に入りに追加
4,520
あなたにおすすめの小説
愛のゆくえ【完結】
春の小径
恋愛
私、あなたが好きでした
ですが、告白した私にあなたは言いました
「妹にしか思えない」
私は幼馴染みと婚約しました
それなのに、あなたはなぜ今になって私にプロポーズするのですか?
☆12時30分より1時間更新
(6月1日0時30分 完結)
こう言う話はサクッと完結してから読みたいですよね?
……違う?
とりあえず13日後ではなく13時間で完結させてみました。
他社でも公開
根暗令嬢の華麗なる転身
しろねこ。
恋愛
「来なきゃよかったな」
ミューズは茶会が嫌いだった。
茶会デビューを果たしたものの、人から不細工と言われたショックから笑顔になれず、しまいには根暗令嬢と陰で呼ばれるようになった。
公爵家の次女に産まれ、キレイな母と実直な父、優しい姉に囲まれ幸せに暮らしていた。
何不自由なく、暮らしていた。
家族からも愛されて育った。
それを壊したのは悪意ある言葉。
「あんな不細工な令嬢見たことない」
それなのに今回の茶会だけは断れなかった。
父から絶対に参加してほしいという言われた茶会は特別で、第一王子と第二王子が来るものだ。
婚約者選びのものとして。
国王直々の声掛けに娘思いの父も断れず…
応援して頂けると嬉しいです(*´ω`*)
ハピエン大好き、完全自己満、ご都合主義の作者による作品です。
同名主人公にてアナザーワールド的に別な作品も書いています。
立場や環境が違えども、幸せになって欲しいという思いで作品を書いています。
一部リンクしてるところもあり、他作品を見て頂ければよりキャラへの理解が深まって楽しいかと思います。
描写的なものに不安があるため、お気をつけ下さい。
ゆるりとお楽しみください。
こちら小説家になろうさん、カクヨムさんにも投稿させてもらっています。
「あなたの好きなひとを盗るつもりなんてなかった。どうか許して」と親友に謝られたけど、その男性は私の好きなひとではありません。まあいっか。
石河 翠
恋愛
真面目が取り柄のハリエットには、同い年の従姉妹エミリーがいる。母親同士の仲が悪く、二人は何かにつけ比較されてきた。
ある日招待されたお茶会にて、ハリエットは突然エミリーから謝られる。なんとエミリーは、ハリエットの好きなひとを盗ってしまったのだという。エミリーの母親は、ハリエットを出し抜けてご機嫌の様子。
ところが、紹介された男性はハリエットの好きなひととは全くの別人。しかもエミリーは勘違いしているわけではないらしい。そこでハリエットは伯母の誤解を解かないまま、エミリーの結婚式への出席を希望し……。
母親の束縛から逃れて初恋を叶えるしたたかなヒロインと恋人を溺愛する腹黒ヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:23852097)をお借りしております。
(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)
青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。
だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。
けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。
「なぜですか?」
「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」
イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの?
これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない)
因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。
【完結】私の婚約者は、いつも誰かの想い人
キムラましゅろう
恋愛
私の婚約者はとても素敵な人。
だから彼に想いを寄せる女性は沢山いるけど、私はべつに気にしない。
だって婚約者は私なのだから。
いつも通りのご都合主義、ノーリアリティなお話です。
不知の誤字脱字病に罹患しております。ごめんあそばせ。(泣)
小説家になろうさんにも時差投稿します。
もう愛は冷めているのですが?
希猫 ゆうみ
恋愛
「真実の愛を見つけたから駆け落ちするよ。さよなら」
伯爵令嬢エスターは結婚式当日、婚約者のルシアンに無残にも捨てられてしまう。
3年後。
父を亡くしたエスターは令嬢ながらウィンダム伯領の領地経営を任されていた。
ある日、金髪碧眼の美形司祭マクミランがエスターを訪ねてきて言った。
「ルシアン・アトウッドの居場所を教えてください」
「え……?」
国王の命令によりエスターの元婚約者を探しているとのこと。
忘れたはずの愛しさに突き動かされ、マクミラン司祭と共にルシアンを探すエスター。
しかしルシアンとの再会で心優しいエスターの愛はついに冷め切り、完全に凍り付く。
「助けてくれエスター!僕を愛しているから探してくれたんだろう!?」
「いいえ。あなたへの愛はもう冷めています」
やがて悲しみはエスターを真実の愛へと導いていく……
◇ ◇ ◇
完結いたしました!ありがとうございました!
誤字報告のご協力にも心から感謝申し上げます。
【完結】あなたを忘れたい
やまぐちこはる
恋愛
子爵令嬢ナミリアは愛し合う婚約者ディルーストと結婚する日を待ち侘びていた。
そんな時、不幸が訪れる。
■□■
【毎日更新】毎日8時と18時更新です。
【完結保証】最終話まで書き終えています。
最後までお付き合い頂けたらうれしいです(_ _)
許婚と親友は両片思いだったので2人の仲を取り持つことにしました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
<2人の仲を応援するので、どうか私を嫌わないでください>
私には子供のころから決められた許嫁がいた。ある日、久しぶりに再会した親友を紹介した私は次第に2人がお互いを好きになっていく様子に気が付いた。どちらも私にとっては大切な存在。2人から邪魔者と思われ、嫌われたくはないので、私は全力で許嫁と親友の仲を取り持つ事を心に決めた。すると彼の評判が悪くなっていき、それまで冷たかった彼の態度が軟化してきて話は意外な展開に・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる