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不穏な知らせ
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「・・・」
届いた手紙を持ったまま、呆然と立ち尽くしてしまいます。
明日、帰国するという時に、お父様から手紙が届いたのです。
「アリス、大丈夫?」
「マリンティア様・・・」
言葉が継げませんわ。
手紙の内容があまりにも・・・
そこに書かれていたのは、元婚約者であるサイード・スペンサー様と親しくされていたナターシャ・ゾナトフ様が、ゾナトフ男爵家から放逐され、男爵家は王家に爵位と領地をお返ししたこと。
サイード様もスペンサー侯爵家から、勘当されたこと。
そして、サイード様が何度も我が家に私に会いに訪れていることが、書かれていました。
私は、ナターシャ様とは面識がありません。
あの裏庭でお姿をお見かけしただけで、会話を交わしたことも、サイード様からご紹介いただいたこともありません。
ですが、私との婚約解消が原因の慰謝料のせいで、男爵家は爵位を返上されたのでしょうか。
サイード様は男爵家へ婿入りする予定だったのでしょう。婿入り先がなくなったことで、サイード様は武勲を上げて一代限りの騎士爵を得るか、平民になるかしかありません。
まぁ、真実の愛のお相手ですし、ご一緒にいられるならどちらでも構わないのでしょう。
ですが何故、我が家にいらっしゃるのかしら?
ああ。平民になられるなら、慰謝料の減額とかを求められているのかもしれませんね。
ですが、慰謝料は家と家の契約破棄に関するものですから、私ではなくお父様にお話していただかないと困りますわ。
「本当、あの男ってロクでもないわね」
「きっと、平民になられるから慰謝料の減額とかを求められるつもりなのですわね。でも、私に言われても困りますし、お父様にお任せしますわ」
「大丈夫よ。どうもクリス兄様が何やら自分に任せろとか手紙を送って来たわ」
マリンティア様のおっしゃることに、驚いてしまいます。
クリス兄様ということは、第一王子殿下のクリスティアン様のことですわよね。
クリスティアン殿下は、私より四歳年上ですから、私はほとんどお会いしたことがありません。
王宮でマリンティア様とお会いしていても、殿下はもう学園を卒業されて公務をされていらっしゃるので、すれ違うことすらありませんわ。
確か、公爵家のご令嬢と婚約されていて、ケルヴィン殿下とどちらかが立太子される時に、ご婚姻されるとの噂です。
第一王子殿下は王妃様似で、公爵令嬢様と並ぶと、美男美女でとてもお似合いだと聞いたことがあります。
しかし、殿下に任せろとはどういうことなのでしょうか。
届いた手紙を持ったまま、呆然と立ち尽くしてしまいます。
明日、帰国するという時に、お父様から手紙が届いたのです。
「アリス、大丈夫?」
「マリンティア様・・・」
言葉が継げませんわ。
手紙の内容があまりにも・・・
そこに書かれていたのは、元婚約者であるサイード・スペンサー様と親しくされていたナターシャ・ゾナトフ様が、ゾナトフ男爵家から放逐され、男爵家は王家に爵位と領地をお返ししたこと。
サイード様もスペンサー侯爵家から、勘当されたこと。
そして、サイード様が何度も我が家に私に会いに訪れていることが、書かれていました。
私は、ナターシャ様とは面識がありません。
あの裏庭でお姿をお見かけしただけで、会話を交わしたことも、サイード様からご紹介いただいたこともありません。
ですが、私との婚約解消が原因の慰謝料のせいで、男爵家は爵位を返上されたのでしょうか。
サイード様は男爵家へ婿入りする予定だったのでしょう。婿入り先がなくなったことで、サイード様は武勲を上げて一代限りの騎士爵を得るか、平民になるかしかありません。
まぁ、真実の愛のお相手ですし、ご一緒にいられるならどちらでも構わないのでしょう。
ですが何故、我が家にいらっしゃるのかしら?
ああ。平民になられるなら、慰謝料の減額とかを求められているのかもしれませんね。
ですが、慰謝料は家と家の契約破棄に関するものですから、私ではなくお父様にお話していただかないと困りますわ。
「本当、あの男ってロクでもないわね」
「きっと、平民になられるから慰謝料の減額とかを求められるつもりなのですわね。でも、私に言われても困りますし、お父様にお任せしますわ」
「大丈夫よ。どうもクリス兄様が何やら自分に任せろとか手紙を送って来たわ」
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クリス兄様ということは、第一王子殿下のクリスティアン様のことですわよね。
クリスティアン殿下は、私より四歳年上ですから、私はほとんどお会いしたことがありません。
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しかし、殿下に任せろとはどういうことなのでしょうか。
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