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みおな

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正しい婚約解消のススメ

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「婚約は無事に解消出来た」

 その日、伯爵家にお戻りになったお父様に呼び出され、そう告げられました。

 そう・・・
解消出来たのですね。

「スペンサー侯爵との話し合いに、第一王子殿下が現れた。アリス、何か言ったのかい?」

「は?第一王子殿下・・・ですか?」

 貴族の婚約が家同士の契約とはいえ、伯爵家への入婿の婚約解消に、どうして王家が・・・

 マリンティア様とお話したのは、今日のことです。
 だからマリンティア様が何かおっしゃったわけではないはず。

「まぁ、別にそれは構わないのだが、殿下と侯爵家からのお言葉で、サイード君本人に慰謝料を請求することになった」

「まぁ!」

「アリスの本意ではないかもしれんが、この婚約は一応政略的なものだ。それを、解消してからならともかく、婚約を結んでいる状態で不貞を行った。まだ成人前だからスペンサー侯爵家の管理責任も問ってくれて良いと侯爵には言われた」

「そうなのですね」

 やはり、マリンティア様のおっしゃった通り、お父様と侯爵様はちゃんとした判断をされたようです。

 私はいずれ、この伯爵家を継ぐのです。
このようにちゃんとした判断ができるように、しっかりしなければなりません。

「アリスは不本意だろうが・・・」

「いいえ、お父様。私も今日、マリンティア王女殿下から叱咤されたのです。たとえ好きだったとしても、そのように甘い判断をしているのでは、将来伯爵として立っていけないと。お父様。私はまだまだ未熟ですが、これから少しずつ頑張ります。ですから呆れないで見守って下さいませ」

「いや、レジーナが亡くなってから、たまにしか一緒にいられないからとお前を甘やかせていたのは私だ。将来、お前が伯爵家を継ぐのだから、貴族としてキチンと判断出来る様に、毅然とした振る舞いをできるように教えるべきだった。すまない、アリス」

 私は、お父様の謝罪に首を横に振りました。

 甘い考えなのは、私の責任。
伯爵令嬢なのに、毅然とした態度を取れないのも、私の責任。

 もしかしたらサイード様は、私の甘さを見抜いていて、私なら何も責めずに許してくれる、そう思われたのかもしれません。

「我が家からサイード君個人と、スペンサー侯爵家に管理不行き届きの旨の慰謝料を請求する。サイード君の不貞相手の調査は、スペンサー侯爵家がされていた。男爵家の令嬢だそうだ」

 そう。
ナターシャ様っておっしゃったかしら。男爵家の方なのね。
 なら、サイード様は男爵家に婿入りなさるのかしら?
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