冤罪で殺された聖女、生まれ変わって自由に生きる

みおな

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目覚めたらまた聖女でした

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 ゆっくりとゆっくりと水面に浮かび上がって行くような、そんな感覚で目覚めました。

 え?目覚め?

 私はあのじめじめした地下の処刑場で、首を落とされて死んだはずです。

 いえ。
実際に落とされた時を見たわけでも感じたわけでもありませんが、死んだのだと思ったのですが・・・

 もしかして処刑が取りやめになったのでしょうか?

 私は、柔らかいベッドから起き上がり・・・

 え?柔らかい?
祈りの間の隣に備え付けられた寝室にあるベッドは、とても固いベッドです。

 最初は、王宮内に寝室が準備されたのですが、王太子殿下が祈りの間で寝泊まりしたいと言っていると陛下に進言し、柔らかいベッドでは眠れないと言っていると固いベッドに替えられたのです。

 それなのに、こんな柔らかなベッドだなんて・・・
 ここは王宮内なのでしょうか。

 起き上がった私は、ふと自分の手に目を落としました。

 ガリガリに痩せて、骨が浮き出たような手。

 貧民街の孤児と変わらないような手。

 そんな見慣れた手が、そこにはありませんでした。

 確かに細いですが、ガリガリというのではなく、真っ白で白魚のような傷ひとつない手。

 爪も綺麗なピンク色で、整えられています。

 誰の手ですか?これは。

 私は見慣れぬ部屋に、ドレッサーがあるのを見てベッドからおりました。

 ベッドもレースの天蓋付きのベッドでした。

 床に敷かれた絨毯は毛足が長くふかふかで、私が祈りの間で寝ていたベッドより、この床の方が寝心地が良さそうです。

 ゆっくりと真っ白なドレッサーに近付くと、そこに映っていたのは・・・

 誰ですか?これは。

 ピンク色の髪は艶々で、腰のあたりまで緩く三つ編みをされています。

 ピンク色の瞳は、大きくパッチリとしていて長いまつ毛に覆われています。

 肌は透けるように白く、艶やかな白磁のよう。

 容易く折れそうなのに、ガリガリとは違い華奢という言葉が相応しい体躯。

 いえ。誰ですか?これは。

 ピンク色の髪も瞳も、なのに、どう見てもルディアとは思えません。

 言うなればルディアという種族の、最上位種という感じです。

 全くもって意味が分かりません。

 処刑されたと思って目覚めたら、自分の最上位種になっているとか、全くもって意味が分かりません。

 しかも、聖女としての力を感じます。

 どういうことか、お伺いしてもよろしいですか?神様。

 聖女が死ねば、新たな聖女が生まれるのですよね?

 何故、死んだはずの私の精神が新たな聖女に宿っているのですか?
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