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原因報告と対処

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 ルーカス様とエモンド様が調査をしてくださっている間、私とフロラリアは東側にあるカフェで待つことにした。

 疫病のせいで、開けていてもお客さんは来ないようだけど、原因が分かって対処が終われば、また元の通りの賑わいに戻ると思う。

「思ってたより美味しいわ。ハーブティーがメインなのね」

「貴族がいないので、きっと紅茶なんか飲まないんでしょうね」

 フロラリアも頷きながら、カップを口に運ぶ。

「このハーブ、毒消しの効果があるみたい。そういえば、軽症だった人たちって女性と、体力のある男性が多かったわね。何か関係があるかもしれないわ」

「聞いてみましょうか?あの、すみません」

「はい、はい。なんでしょうか?」

 お店の店主らしき女性が、急いでやって来てくれた。

「このハーブティーって、西側の方々も飲まれているんですか?」

「え、ええ。もしかして、このハーブに何か問題が?でも、私も毎日飲んでるんですよ?」

「いえ、そうではなくて、逆です。このハーブティーを飲んでいた方が軽症なのではないかと思って。どんな方が飲まれて、どんな方が飲まれなかったか分かりますか?」

「え?でもただの自家製ハーブですよ?確かにこの街のご婦人方は好んで飲んでくれていましたけど。子供は美味しくないと言って飲みたがらなかったですね。あと、ご年配の方や男性も、果実水やお茶を飲まれてましたね」

 ん?お茶や果実水?
もしかして水がいけないんじゃ・・・

「そのお茶とかに使うお水って・・・」

「ユースティティア様っ!原因が理解りましたっ!」

「ルーカス様。水、ですか?」

「すでにお気付きとは、さすがです!どうやら井戸の水が汚染されているようです。しかし、それなら何故、全員がかかっていないのでしょうか?」

 ルーカス様とエモンド様が調査から戻って来たので、調査結果を聞いていると、店主の女性が顔を青くしていた。

「あ、あの・・・皆様は、一体・・・」

「あ、ただの旅行者なんですが、たまたま東側で疫病のことをお聞きしまして。職業柄、解決できればと」

「職業、ですか?」

「ええ。妹は聖女なのです。大丈夫ですよ。西側の人たちも回復していますから、明日には元気になります。原因の方も、この後対処しておきますから」

 私の言葉に、女性は涙を浮かべてフロラリアに何度も何度も頭を下げた。

「聖女様っ!ありがとうございます!ありがとうございます!」

「いえ。聖女の務めですから。それにここのハーブのおかげで、被害が抑えられたのだと思います」

 そう言うフロラリアの姿は、聖女として相応しい姿だった。
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