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え?一緒に?え?

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「ユースティティア様と婚約したかったのです」

 ルーカス様の言葉に、胸の奥がドクン!と音を立てた。

 え?今の、何?

 私の様子に気付くことなく、ルーカス様は続ける。

「爵位に関しても、全く必要ありません。ユースティティア様に不自由をさせることは問題ですが、僕はこれでも才はある方だと自負しているんです。豪華絢爛な生活は無理ですが、苦労させたりはしません」

「あ、いえ。そんな心配はしていません」

「先の話になりますが、是非一緒に旅に参りましょう?僕はこの通りの見かけですが、ちゃんと剣も扱えます。魔法の方はほどほど程度なんですが、そちらも旅に出るまでには、もう少し精度を上げておきます」

 どうやらルーカス様は、剣も魔法も使える方らしい。

 それに・・・
私と一緒に旅に出てくれると言った。

 それは私に、温かい気持ちを与えてくれた。

 その日以来、私はルーカス様の訪れを心待ちにするようになった。

「ユースティティアは、ローイン公爵令息様のことが好きなのね」

「え、え、お母様?」

 お母様に微笑ましそうにそう言われて、私は戸惑ってしまった。

 え?好き?好きって・・・恋愛の好き?

 確かに、お優しい方だと思う。
爵位を与えてあげられない私なのに、私を求めて下さる。

 旅に出たいなんて言ったのに、嫌な顔も不満も言わずに、一緒に行きたいなんて言ってくれた。

 でも、私が人を好きになった?

 お母様は私の気持ちの葛藤なんて全く気にしない様子で、ニコニコされている。

「フロラリアもエモンド様と上手くいっているみたいだし、良かったわ。ただね・・・」

「どうされたのですか?」

「エモンド様がね、魔道具作成の件で子爵位を貰えるみたいなの。フロラリアが子爵夫人になると言ってるのよ」

「え、ええ?」

 ちょっと待って。
だってフロラリアとエモンド様には、ヴェルザンディ公爵家を継いでもらう予定で・・・

 それに私、旅に出るのを結構楽しみにしているのに。

 困るわ!
いえ、公爵家を継ぐのはかまわないけど、旅には行きたいのよ。

 国内だけじゃなく、他の国も見たいの。

 私が女神に戻った時のためにも、この世界のことを知っておきたいのよ。

「あ、あの、お母様・・・」

「ユースティティアは、旅に出たいんですって?」

「え、どうして・・・」

「ローイン様がね、ユースティティアにいろんな世界を見せてあげたいって。良いのよ。旦那様はまだまだ現役だし、元々ユースティティアは第二王子に嫁ぐ予定だったのだもの。だから旅に出てらっしゃい。そして旅から帰った時、嫌じゃなかったらうちを継いでくれれば嬉しいわ」

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