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人となりを知ってから

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「まぁ!魔道具の研究を?」

 セオドア・エモンド侯爵令息様は、魔道具の研究をしているという。

 意外。
剣術馬鹿って見た目なのに。

 顔合わせという名のお茶会が始まり、私たちは四人でお互いのことを話していた。

 ちなみにお父様たちや公爵たちは、国王陛下と王妃様と少し離れたテーブルでお茶会中。

 全員がこちらが気になるのか、チラチラ見てるし、意識がこちらに向いているのが丸わかりだ。

 気持ちは分かるけど。

 この顔合わせが上手くいかないと、私たちの婚約者になれそうな令息はいない。

 陛下たちは、私もフロラリアもこの国に留めておきたいわけで、彼らが駄目な場合は婚約者のいる令息との顔合わせをさせるしかなくなる。

 でも、私がそういうのを特に嫌いなことを知っているので、それは出来ない。

 となると、他国からこの国に婿入りして来てくれる人間を探すことになる。

 まぁ、それは杞憂に終わりそう。

 意外なことに。
本当に意外なことに、フロラリアがエモンド侯爵令息と気が合うようなのだ。

 話しながら、ちょっと頬を染めたりしてるし、何より私にしか興味を示さないフロラリアが、エモンド侯爵令息に話しかけている。

 まぁ今まで、私たちの周囲にいた異性は、公爵家の使用人や王家や教会の人たち、そしてあの第二王子くらいだったから仕方ないといえば仕方なかったけど。

「妹さんが心配ですか?」

 ルーカス・ローイン公爵令息様に問われ、ふふっと笑ってしまう。

「妹離れ出来てないのは、私の方なのかもしれませんね。心配というか、妹は私にべったりだったので」

「今まで周囲は、大人の方々ばかりでしたから、同じ年頃の令息と話す機会などなかったでしょう。心配なのも当然ですよ」

「ええ。でも、何故機会がなかったのをご存知なの?」

 もしかして、ローイン様もフロラリアをお好きなのかしら?

 もしそうなら、私の相手をさせて申し訳ないわ。

「誤解のないように申し上げておきますが、僕はユースティティア様にもっと僕のことを知っていただきたいし、ユースティティア様のことをもっと知りたいです」

「え・・・」

 どうしよう。不覚だわ。
胸がドキドキしてしまう。

「え、あ・・・すみません。で、でも本心ですから」

「・・・ありがとうございます」

「そ、それで、妹さんの周囲に今まで年頃の令息がいなかったのは、第二王子殿下が牽制してたんですよ」

「「・・・は?」」

 私たちの会話を聞いていたのか、私とフロラリアの声が重なった。

 牽制?
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