私の妹は確かに聖女ですけど、私は女神本人ですわよ?

みおな

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婚約者候補との顔合わせ

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「ローイン公爵家とエモンド侯爵家とはお会いします。他の貴族家への対処は、お任せしますね」

 聖女とその姉、そしてヴェルザンディ公爵家に縁付きたいという気持ちは分かる。

 だけど婚約者がいながら、婚約を申し込んで来て、駄目だったら婚約者とそのままやっていけば良いと思ってるのがイラッとする。

 政略結婚が主な貴族家として、間違いではないのかもしれない。

 有利な条件の方にと考えることも、間違いではないのだろう。

 でも、そういうのが嫌いだ。

「か・・・かしこまりました」

 国王陛下がビクビクしながら、頷いている。
 あら?別に国に責任は問わないわよ?

「それから、公爵家と侯爵家との顔合わせは一度にしましょう。政略結婚が当たり前の貴族世界ではありますが、私も両親もフロラリアにそれを求めるつもりはありません。フロラリアには想いあった相手と結ばれて欲しいと考えていますから」

「わ、分かりました。すぐにあちらに連絡します。場所は王宮にしましょう。ユースティティア様のお都合の良い日時はありますでしょうか?」

「いえ、日時はお任せします。フロラリア、いいわね?」

 フロラリアは私の隣で、何か言いたそうな顔をしていたけど、私の言葉に渋々と頷いた。

 その後、王妃様はすぐに顔合わせの準備を整えて、あの日から一週間後の今日、顔合わせとなった。

 ローイン公爵夫妻とエモンド侯爵夫妻は緊張した面持ちで固まっている。

 それはそうだろう。
いくら公爵家侯爵家とはいえ、国王陛下王妃様の前で、お見合いをするとは思わなかったのだろう。

「ヴェルザンディ公爵家が娘、ユースティティアです」

「フロラリア・ヴェルザンディです」

「ローイン公爵家次男ルーカスと申します」

「エモンド侯爵家三男セオドアです。お会いできて光栄です」

 ルーカス・ローイン公爵令息様は、銀髪に水色の瞳をされた私と同じ十六歳。

 セオドア・エモンド侯爵令息様は、赤い短髪に赤い瞳をされたこれまた私と同い年。

 つまりは二人とも、ジュリアーノ様が学園の年度末パーティーでやらかした婚約破棄騒動の時に、あの場にいたということである。

 私も二人のことは知っている。

 一応は、第二王子殿下の婚約者だったために、親しく話したことはないけれど。

 二人とも、どこかの誰かと違って、成績が優秀だったのでクラスも同じだった。

 ちなみに王立学園のクラス分けは成績順で、第二王子殿下はBクラスだった。

 あれは身分で忖度されたのだと思う。
 さすがに王族を、成績では最低ランクのCクラスには入れられなかったのだろう。
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