7 / 23
更生施設
しおりを挟む
「ユースティティア様、本当によろしいのですか?」
第一王子・・・お名前をクリストファーという、が私に改めて尋ねてくる。
私はこくりと頷いた。
「私は確かに女神ですが、ジュリアーノ様と婚約していたユースティティアは人間です。ですから、ヴェルザンディ公爵令嬢として、婚約破棄と暴言に対する責任はジュリアーノ様に取っていただくつもりですが、王家にその罪を問うつもりはありません」
それに、研修途中で離脱はできないだろうから、この国をどうにかしたら生き辛くなっちゃうじゃない。
私は人としての生を満喫してから女神として生きるつもりなのよ。
「ユースティティア様の恩情に感謝いたします」
国王陛下、王妃様、第一王子殿下は深々と頭を下げた。
「それで、ジュリアーノ第二王子殿下のことはどうするつもりですか?」
ここで初めて、お父様が口を開いた。
私が『女神』としてでなく『公爵令嬢』として対応すると言ったからだろう。
公爵令嬢としてなら、ヴェルザンディ公爵家当主であるお父様が対応するのが当たり前だからだ。
「廃籍は当然だが、アレを炭鉱や漁港の荷積みに送っても、役に立たないどころか周囲に迷惑をかけてしまう。隣国にある更生施設に送るつもりだ」
「ああ。あそこへ・・・まぁ、妥当ですな」
国王陛下の言葉に、お父様やお母様が頷き、王妃様と第一王子殿下が複雑な顔をされている。
ジュリアーノ様はお口は達者だけど、我慢とか出来ない根性なしだから、確かに炭鉱とかに送っても何の役にも立たないでしょうね。
政略結婚を自分の感情で台無しにしたことは罪だけど、私は別にジュリアーノ様に死んで欲しいとは思っていない。
やっぱりここは女神として、更生を願うのが一般的だと思うの。
「隣国に更生施設があるのですか?」
「ここマクシミリアン王国にも一応はありますが、厳しさが天と地ほどの差があるのです。隣国の更生施設は、常に監視が付きますし、炭鉱や荷下ろしと比べても、とても厳しい場所です。あそこは更生施設という名の監獄なのですよ」
「監獄・・・」
そんな厳しい場所に送って、ジュリアーノ様は耐えられるのかしら?
「耐えれる耐えられないではないのです。更生施設に行くのが嫌なら、毒杯を与えます。ですが、ユースティティア様はジュリアーノに反省させることを望まれているとお見受けいたします」
「そう・・・ですね。死んで終わりでは駄目な気がします」
「ならば、施設に行くのが一番かと」
更生したと判断されれば、施設を出ることも可能らしい。
ただ、出た人はほんのひと握りらしいけど。
第一王子・・・お名前をクリストファーという、が私に改めて尋ねてくる。
私はこくりと頷いた。
「私は確かに女神ですが、ジュリアーノ様と婚約していたユースティティアは人間です。ですから、ヴェルザンディ公爵令嬢として、婚約破棄と暴言に対する責任はジュリアーノ様に取っていただくつもりですが、王家にその罪を問うつもりはありません」
それに、研修途中で離脱はできないだろうから、この国をどうにかしたら生き辛くなっちゃうじゃない。
私は人としての生を満喫してから女神として生きるつもりなのよ。
「ユースティティア様の恩情に感謝いたします」
国王陛下、王妃様、第一王子殿下は深々と頭を下げた。
「それで、ジュリアーノ第二王子殿下のことはどうするつもりですか?」
ここで初めて、お父様が口を開いた。
私が『女神』としてでなく『公爵令嬢』として対応すると言ったからだろう。
公爵令嬢としてなら、ヴェルザンディ公爵家当主であるお父様が対応するのが当たり前だからだ。
「廃籍は当然だが、アレを炭鉱や漁港の荷積みに送っても、役に立たないどころか周囲に迷惑をかけてしまう。隣国にある更生施設に送るつもりだ」
「ああ。あそこへ・・・まぁ、妥当ですな」
国王陛下の言葉に、お父様やお母様が頷き、王妃様と第一王子殿下が複雑な顔をされている。
ジュリアーノ様はお口は達者だけど、我慢とか出来ない根性なしだから、確かに炭鉱とかに送っても何の役にも立たないでしょうね。
政略結婚を自分の感情で台無しにしたことは罪だけど、私は別にジュリアーノ様に死んで欲しいとは思っていない。
やっぱりここは女神として、更生を願うのが一般的だと思うの。
「隣国に更生施設があるのですか?」
「ここマクシミリアン王国にも一応はありますが、厳しさが天と地ほどの差があるのです。隣国の更生施設は、常に監視が付きますし、炭鉱や荷下ろしと比べても、とても厳しい場所です。あそこは更生施設という名の監獄なのですよ」
「監獄・・・」
そんな厳しい場所に送って、ジュリアーノ様は耐えられるのかしら?
「耐えれる耐えられないではないのです。更生施設に行くのが嫌なら、毒杯を与えます。ですが、ユースティティア様はジュリアーノに反省させることを望まれているとお見受けいたします」
「そう・・・ですね。死んで終わりでは駄目な気がします」
「ならば、施設に行くのが一番かと」
更生したと判断されれば、施設を出ることも可能らしい。
ただ、出た人はほんのひと握りらしいけど。
167
お気に入りに追加
800
あなたにおすすめの小説

(完)聖女様は頑張らない
青空一夏
ファンタジー
私は大聖女様だった。歴史上最強の聖女だった私はそのあまりに強すぎる力から、悪魔? 魔女?と疑われ追放された。
それも命を救ってやったカール王太子の命令により追放されたのだ。あの恩知らずめ! 侯爵令嬢の色香に負けやがって。本物の聖女より偽物美女の侯爵令嬢を選びやがった。
私は逃亡中に足をすべらせ死んだ? と思ったら聖女認定の最初の日に巻き戻っていた!!
もう全力でこの国の為になんか働くもんか!
異世界ゆるふわ設定ご都合主義ファンタジー。よくあるパターンの聖女もの。ラブコメ要素ありです。楽しく笑えるお話です。(多分😅)

虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。

水しか操れない無能と言われて虐げられてきた令嬢に転生していたようです。ところで皆さん。人体の殆どが水分から出来ているって知ってました?
ラララキヲ
ファンタジー
わたくしは出来損ない。
誰もが5属性の魔力を持って生まれてくるこの世界で、水の魔力だけしか持っていなかった欠陥品。
それでも、そんなわたくしでも侯爵家の血と伯爵家の血を引いている『血だけは価値のある女』。
水の魔力しかないわたくしは皆から無能と呼ばれた。平民さえもわたくしの事を馬鹿にする。
そんなわたくしでも期待されている事がある。
それは『子を生むこと』。
血は良いのだから次はまともな者が生まれてくるだろう、と期待されている。わたくしにはそれしか価値がないから……
政略結婚で決められた婚約者。
そんな婚約者と親しくする御令嬢。二人が愛し合っているのならわたくしはむしろ邪魔だと思い、わたくしは父に相談した。
婚約者の為にもわたくしが身を引くべきではないかと……
しかし……──
そんなわたくしはある日突然……本当に突然、前世の記憶を思い出した。
前世の記憶、前世の知識……
わたくしの頭は霧が晴れたかのように世界が突然広がった……
水魔法しか使えない出来損ない……
でも水は使える……
水……水分……液体…………
あら? なんだかなんでもできる気がするわ……?
そしてわたくしは、前世の雑な知識でわたくしを虐げた人たちに仕返しを始める……──
【※女性蔑視な発言が多々出てきますので嫌な方は注意して下さい】
【※知識の無い者がフワッとした知識で書いてますので『これは違う!』が許せない人は読まない方が良いです】
【※ファンタジーに現実を引き合いに出してあれこれ考えてしまう人にも合わないと思います】
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるよ!
◇なろうにも上げてます。

(完結)初恋の勇者が選んだのは聖女の……でした
青空一夏
ファンタジー
私はアイラ、ジャスミン子爵家の長女だ。私には可愛らしい妹リリーがおり、リリーは両親やお兄様から溺愛されていた。私はこの国の基準では不器量で女性らしくなく恥ずべき存在だと思われていた。
この国の女性美の基準は小柄で華奢で編み物と刺繍が得意であること。風が吹けば飛ぶような儚げな風情の容姿が好まれ家庭的であることが大事だった。
私は読書と剣術、魔法が大好き。刺繍やレース編みなんて大嫌いだった。
そんな私は恋なんてしないと思っていたけれど一目惚れ。その男の子も私に気があると思っていた私は大人になってから自分の手柄を彼に譲る……そして彼は勇者になるのだが……
勇者と聖女と魔物が出てくるファンタジー。ざまぁ要素あり。姉妹格差。ゆるふわ設定ご都合主義。中世ヨーロッパ風異世界。
ラブファンタジーのつもり……です。最後はヒロインが幸せになり、ヒロインを裏切った者は不幸になるという安心設定。因果応報の世界。

とりかえばや聖女は成功しない
猫乃真鶴
ファンタジー
キステナス王国のサレバントーレ侯爵家に生まれたエクレールは、ミルクティー色の髪を持つという以外には、特別これといった特徴を持たない平凡な少女だ。
ごく普通の貴族の娘として育ったが、五歳の時、女神から神託があった事でそれが一変してしまう。
『亜麻色の乙女が、聖なる力でこの国に繁栄をもたらすでしょう』
その色を持つのは、国内ではエクレールだけ。神託にある乙女とはエクレールの事だろうと、慣れ親しんだ家を離れ、神殿での生活を強制される。
エクレールは言われるがまま厳しい教育と修行を始めるが、十六歳の成人を迎えてもエクレールに聖なる力は発現しなかった。
それどころか成人の祝いの場でエクレールと同じ特徴を持つ少女が現れる。しかもエクレールと同じエクレール・サレバントーレと名乗った少女は、聖なる力を自在に操れると言うのだ。
それを知った周囲は、その少女こそを〝エクレール〟として扱うようになり——。
※小説家になろう様にも投稿しています

神に逆らった人間が生きていける訳ないだろう?大地も空気も神の意のままだぞ?<聖女は神の愛し子>
ラララキヲ
ファンタジー
フライアルド聖国は『聖女に護られた国』だ。『神が自分の愛し子の為に作った』のがこの国がある大地(島)である為に、聖女は王族よりも大切に扱われてきた。
それに不満を持ったのが当然『王侯貴族』だった。
彼らは遂に神に盾突き「人の尊厳を守る為に!」と神の信者たちを追い出そうとした。去らねば罪人として捕まえると言って。
そしてフライアルド聖国の歴史は動く。
『神の作り出した世界』で馬鹿な人間は現実を知る……
神「プンスコ(`3´)」
!!注!! この話に出てくる“神”は実態の無い超常的な存在です。万能神、創造神の部類です。刃物で刺したら死ぬ様な“自称神”ではありません。人間が神を名乗ってる様な謎の宗教の話ではありませんし、そんな口先だけの神(笑)を容認するものでもありませんので誤解無きよう宜しくお願いします。!!注!!
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇ちょっと【恋愛】もあるよ!
◇なろうにも上げてます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる