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婚約破棄ですって
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「ユースティティア・ヴェルザンディ!お前のような呪われた色を纏った人間が、王子である僕の婚約者などっ!穢らわしい!王族である僕には、聖女であり女神の美しさのフロラリアこそが相応しいのだ!ここに、マクシミリアン王国第二王子ジュリアーノの名において、ユースティティア・ヴェルザンディとの婚約を破棄することを宣言するっ!」
キラキラと、シャンデリアの光にご令嬢の宝飾品が煌めき、心地よい音楽がホールに流れる王立学園の学園末パーティーの場で、その騒動は起きた。
ホールのど真ん中、仁王立ちで先ほどの宣言をしたのは、ここマクシミリアン王国の第二王子であるジュリアーノ様だ。
金髪に青い瞳という、絵本の王子様然とした容姿の王子は、マクシミリアン王国にはいない髪色と瞳をした私、ユースティティア・ヴェルザンディを指差しながら、婚約破棄を宣言した。
あらあら、まぁまぁ。
確かに私は、この国にはいない黒髪黒目だけど、呪われた色だなんて失礼ね。
それに、妹のフロラリアが可愛らしいことも事実だし聖女であることも事実だけど、あなたに相応しいかといえば、ブタに真珠じゃないかしら?
これがよく聞く『乙女ゲームの断罪シーン』というやつなのね。
初めて見たけど、実際体験してみると結構不快なものだわ。
だって、馬鹿にバカって言われたら、誰だって不快でしょう?
周囲の令息令嬢たちは戸惑ったような目で遠巻きにジュリアーノ様と私を見ている。
そりゃ、そうよね。
だってジュリアーノ様と私の婚約は、王家とヴェルザンディ公爵家当主との契約で決まった事。
マクシミリアン王国では、貴族家の子息子女の婚約は当主が決める。
なのにその婚約を、当主でもない本人が勝手に破棄?
出来るわけがないことを王族が理解していないだなんて、周囲も戸惑うわよね。
いえ、絶対できないわけじゃなくて、婚約するときにサインした誓約書に破棄ができる旨を書いてあれば可能だけど・・・
書いてあるわけないわよね。
ジュリアーノ様がフロラリアを婚約者にしたいと言ってたのは知ってるわ。
私に婚約の打診が来る前に、フロラリアに打診が来ていたもの。
そして、フロラリアは一刀両断で断った。
あまりに酷い断り方で・・・お父様に泣きつかれた。
さすがに王家に対して不敬過ぎる、と。
だから、やむ得なく私が婚約者になることにしたのだけど・・・
もしかしてジュリアーノ様って、私が望んだなんて勘違いしてないわよね?
キラキラと、シャンデリアの光にご令嬢の宝飾品が煌めき、心地よい音楽がホールに流れる王立学園の学園末パーティーの場で、その騒動は起きた。
ホールのど真ん中、仁王立ちで先ほどの宣言をしたのは、ここマクシミリアン王国の第二王子であるジュリアーノ様だ。
金髪に青い瞳という、絵本の王子様然とした容姿の王子は、マクシミリアン王国にはいない髪色と瞳をした私、ユースティティア・ヴェルザンディを指差しながら、婚約破棄を宣言した。
あらあら、まぁまぁ。
確かに私は、この国にはいない黒髪黒目だけど、呪われた色だなんて失礼ね。
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だって、馬鹿にバカって言われたら、誰だって不快でしょう?
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そりゃ、そうよね。
だってジュリアーノ様と私の婚約は、王家とヴェルザンディ公爵家当主との契約で決まった事。
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なのにその婚約を、当主でもない本人が勝手に破棄?
出来るわけがないことを王族が理解していないだなんて、周囲も戸惑うわよね。
いえ、絶対できないわけじゃなくて、婚約するときにサインした誓約書に破棄ができる旨を書いてあれば可能だけど・・・
書いてあるわけないわよね。
ジュリアーノ様がフロラリアを婚約者にしたいと言ってたのは知ってるわ。
私に婚約の打診が来る前に、フロラリアに打診が来ていたもの。
そして、フロラリアは一刀両断で断った。
あまりに酷い断り方で・・・お父様に泣きつかれた。
さすがに王家に対して不敬過ぎる、と。
だから、やむ得なく私が婚約者になることにしたのだけど・・・
もしかしてジュリアーノ様って、私が望んだなんて勘違いしてないわよね?
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